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横校労ニュース
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読者Q&Aコーナー

振り替えの 「前4週 後16週」 とは何ですか?

Q
 ご無沙汰しています。 (略) いつも 『横校労』 ありがとうございます。 もらうたびに家に持ち帰って読んでいるのですが、 これが妻との交流?にけっこう役立っています。 (略) しかし、 その妻もこの3月で退職しました。 体力、 気力が続かないのと、 働くということにあまりに無理解な管理職に絶望したというのが実態のようです。 私ももう50歳をとっくに過ぎて、 この学校で終われるかなと思っていたら、 あの人事異動制度の改悪のおかげであとひとつかふたつ、 学校を変わらなければならないようで、 少し気が滅入っています。 (略) 校長が新年度になってチョロチョロって言っていたのでよくわからなかったのですが、 振り替えの前4週後16週というのは、 どういうことなのですか。 何か新しく変わったのですか。 私には関わりのないことと思って気にしていなかったのですが、 となりの座席の先生がしつこく聞くんで困っています。 教えてください。 (略) 歳はとりたくありませんね。     (中学校勤務・K生・54歳)

A
 Kさん、 ずいぶんお会いしていませんね。 お元気そうで何よりです。 毎月お送りしている 『横校労』 が、 奥さんとの交流に役立っているなんて、 うれしい限りです。  ところで前4週後16週の件、 今月号に書こうと思っていたところです。 あんな通知、 だれも見向きもしないのかと思っていたのですが、 小耳にはさんで見逃さないところは、 さすがにKさんですね。  通知は3月18日に出たのですが、 労務課は事前に組合にも提示してきました。 4月に異動してしまった担当課長は席上 「横校労にもほめていただけるようなものをつくったつもりです」 などと言って 「合意した上で意見を聞いたということで」 とまとめようとしましたが、 横校労としては 「合意はしない。 けれども意見は言うよ」 と返しておきました。  労務課の言い分としては 「週休日に勤務しても先生たちはふだん授業があるのでなかなか振替休日が取れない、 そこで後ろを16週にすれば長期休業中となり、 取りやすくなるのではないか。 そのために制度をかえました」 と言いますが、 これは基本的なスタンスが間違っていると私は考えています。 労働基準法の考え方からすれば、 週休日はまとめてとるものではなく、 40時間という週単位の労働時間を規定して、 週のうちにとることを原則としています。 基本的に法は寝だめ、 食いだめを禁じているのです。 労基法には変形労働時間制もありますが、 これもあまりに長期にわたるものについては、 法そのものと矛盾しているとするのが通例の解釈のようです。 03年3月25日に出された泊を伴う行事に関しての変形労働時間制の導入も、 1ヵ月を単位としているのはそんな意味があるからです。 さて、 労務課は自動車通勤、 敷地内駐車禁止など膨大な資料づくりが必要なこの忙しい時期に、 どうしてこんなものを出してきたのでしょうか。 労務課自身の判断でないことは明らかです。  ここに05年2月8日の全校種校長会の資料があります。 この資料は、 伯井教育長3年目、 最後の年となるかもしれない05年度の政策を網羅的にまとめたものです。 どうしてこれほど急いでやらなければならないのか、 というほど特徴は 「スピード」 だけという政策ですが、 この中の二つめの大項目 「『確かな学力』 向上のための当面の方策」 の中の方策2として 「授業時数確保など教育活動の見直し推進」 があります。 その項の中に3つの具体策が書かれており、 そのひとつが 「教員の週休日振替え取得期間の弾力化」 なのです。  つまり、 これは労務課が単独で 「先生たちは大変だから、 振替えをとりやすくしてやろう」 などと出してきたものではなく、 横浜の 『教育改革』 の一環として出されてきているものなのです。 長期休業期間の弾力的運用同様、 授業時間確保のために必然的に発生してくる学校行事や地域行事の土、 日へのはみ出しへの対応策というのが、 この通知の実態的な意味なのです。  議会での答弁で 「やりたい部活がその中学校にない場合はどうするのか」 という質問に、 ろくに考えもせずに 「できるようにしましょう」 というと、 突然 「区域外就学の・・・」 が出て来たのと構造的には同じ問題なのです。 トップの一言で何でも簡単に変わってしまうのです。  読者の皆さんは、 私が書いた 「現場に行けば消えてしまう労基法〜福島県の措置要求に見る教育行政の光と影」 (04年1月号) という文章を覚えていらっしゃるでしょうか。 これは、 週休日に出張や生徒引率をした場合、 前4週後18週までを振り替え期間とするという福島県教委の通知に対して措置要求で闘った事例を紹介した記事でしたが、 いい意味でも悪い意味でも横浜の通知はこれとは似て非なるものと言えます。 福島の例では、 後18週以内といっても、 課業中に取得可能なのは創立記念日などだけで、 あとはすべて長期休業中に取得せよ、 というものでした。 横浜のものは 「職員への健康面への影響を配慮すると、 本来は 『振替日』 はできる限り近接している日が望ましいとされていますので、 ご留意願います。 今回の期間延長の対象業務であっても、 振り替えが可能な場合は、 直近の日あるいは 「前4週後8週」 で振り替えるようにしてください。」 と留意事項として述べています。 これはいい意味のほうですが、 福島のものとはかなり違うと言えます。  悪い意味というのは、 その対象となる業務を明示して、 実質的に週休日に行なう業務の枠を強引に広げていることです。 まず (1) 教育相談業務、 ですが、 これには教員が自主的に行なうものだけでなく、 学校が主体的に行なうものも含めていますし、 家庭訪問もそれにあたるとしています。 校長によっては、 保護者面談や家庭訪問を土曜日に実施することを考えるでしょう。 (2) として遠足、 体験学習の下検分を挙げていますが、 これも多忙な中 「下見は土日に」 という風潮を助長しかねません。 (3) の部活動引率は構造的な問題がありますが (休み中も練習があることからすれば実際には振り替えは不可能な場合が多い) (4) のPTAの会議、 (5) 学校主催、 またはPTA, 地域との共催による体験事業の運営や生徒引率などまでその範囲を広げているのは、 週休日の勤務が無制限に広げられてしまう危険性があります。 (6) の学校施設貸し出し業務にいたっては論外です。 教員の本務を決めた学校教育法の定めを逸脱していると謗られても仕方ないでしょう。  業務を特定するということは、 確かにその他の業務は排除できますが、 特定されたものについては管理職がやろうとすればいつでもできるということになります。 すでに学校管理規則が改定され、 職員会議が校長の補助機関となりつつあるわけで、 土曜日、 日曜日についても有無を言わさず 「命令」 できるかたちになったということなのです。 要するにこの通知の目的は、 端的に言って、 横浜の 「教育改革」 のためには労基法を無視してでも教員をこき使おう、 ということになりますね。 この通知に対抗するには、 とにかく直近で振り替えを申請することです。 校長が長期休業中にしてくれ、 と言ったら年休権を行使してください。 それを校長が認めたら、 そこからは私たちに相談してください。   (赤田 圭亮)

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