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「特別支援教育コーディネーター」 を引き受けたはいいが…

 いつも 『横校労』 ありがとうございます。 職場でなかなか読む時間がとれないので、 家に持ち帰って読んでいます。 (略) 私が特別支援教育コーディネーターになったこと、 お話ししたでしょうか。 実はいま、 そのことで悩んでいます。 4月に転勤して直ぐに校長に呼ばれ、 「コーディネーターをお願いできないか」 との打診を受けました。 校長は 「研修がけっこうあるけど、 実際の動きはたいしたことはないと思うから」 と言われ、 私も若い頃特学をやったことがあったので、 「しょうがないか」 と引き受けました。 しかし動き出してみると、 これがかなりきついのです。 私自身、 現在3年の学級担任ですし、 部活動の顧問もしています。 そのうえ特活部長でもありますし、 生徒も3学年にわたって落ち着かない状態です。 当然、 緊急の生徒指導も頻繁にありますし、 3年ですから生徒との進路の面談、 保護者面談も欠かすことができません。 それでコーディネーターの研修を何度か欠席しました。 そうしたら先日、 年度内に欠席した分の補講を受けろという指示が校長宛てにきました。 そこには、 欠席率と欠席頻度の人数まで記されていました。 私は16年度の分も受けていないので、 それも合わせて受講しなければならないようです。 それだけではありません。 先日 「特別支援教育コーディネーターの保護者への周知について」 という文書が送られてきました。 ビックリしたあとに冷や汗が出てきました。 (略) そこで 「とてもこのままコーディネーターを続ける自信がありません」 と校長に言いに行ったのですが、 校長は 「ま、 そう言わないで。 協力するところはみんなで協力するから」 とやんわり断られてしまいました。 これからのことを考えると、 お先真っ暗の状態です。 何かいい解決策はないものでしょうか。
    (市内中学・43歳)

 お察しします、 と言うしかありませんね。 私の職場のコーディネーターの方も、 学級担任で指導部長、 部活動の顧問もやり、 競技の役員もされています。 私も 「大変ですね」 と言葉をかけるぐらいのことしかできません。 たぶん、 多くの学校で 「こんなはずじゃなかった」 と思っておられるコーディネーターの方が多いのではないでしょうか。
 で、 文書を見せてもらいました。 まず10月3日付 「特別支援教育コーディネーター連絡協議会の開催及び特別支援教育コーディネーターの養成研修の補講について (通知)」 確かにずいぶん細かく欠席累計が記されています。 特別支援教育課長の研修にかける並々ならぬ意欲と、 学校の事情を全く勘案も想像もできない石頭ぶりがよく表れています。 しかし、 それ以上に問題は 「特別支援教育コーディネーター連絡協議会」 のほうです。 その目的を 「各校での特別支援教育指導体制を推進するために、 事例検討や情報交換を通じて、 特別支援教育コーディネーターのフォローアップ・スキルアップを図ること」 としていますが、 わかりやすく言うと 「かんたんには逃がさないぞ」 ということですね。
 さらにその一週間後に 「保護者への周知について」 が出ています。 これも 「逃がさないぞ」 の一環ですね。 要するにあなたのお子さんの通う学校には 「特別支援教育コーディネーターの○○先生がいます。 何かあったらいつでも相談してください」 という文書を校長名で出せ、 ということです。 この文書にはその役割まで丁寧に記されています。 これがすごい。
 ・校内委員会の推進役として校内職員の連絡調整を行ないます。
 ・関係機関との連絡調整が必要となった場合の窓口となります。
 ・保護者に対する相談窓口となります。
 ・担任への具体的な支援を行ないます。
 いったい誰がやるの?という感じですね。
 これは、 学校図書館司書教諭の問題と似ていますね。 免許を持っている教員を調べて、 とりあえずその人を司書に充てる。 行政の仕事はこれで終わり。 学校教育法の必置猶予はこれで一応クリア。 しかし、 実際に司書に充てられた人に何らかの軽減措置があるかというと全くなし、 通常の業務のほかに司書の業務をやらされるというぐあいです。 こんなことなら免許を取得したことを明らかにしなければよかった、 というのがホンネでしょう。
 つまり、 枠をつくって研修をさせ仕事をあてがえば、 行政としては新たな組織が 「立ちあがった」 ということになるわけです。 「たいしたことないから」 と押しつけられた人は、 気がつけば保護者の相談窓口だったり、 担任への具体的な支援を行なわなければならない立場に立たされてしまうわけです。 支援が欲しいのは、 コーディネーター自身ではないでしょうか。 内部だけでなく外部との対応までするとなると、 それだけで一つの大きな業務です。 コーディネーターとして名前が周知されれば、 保護者は当然それなりの対応を期待するでしょう。 自分も学級担任をしながら 「具体的な支援」 を、 いったいどうやって行なうのでしょうか。 10回の講座を受講するだけでそんなことができる人は、 まれにもいないでしょう。
 校長には 「周知」 するなら辞める、 と言うべきです。 こんなふうに展開することを校長は事前に知らせていないのだから、 その要求は当然のことです。 連絡協議会も、 学校事情が優先されるべきです。 都合がつかなければ、 補講も出る必要はありません。 そこから先は、 行政と校長の問題です。
 コーディネーターについては、 結果として広汎性発達障害児探しの一面もあります。 単なる個別支援と通常級の間を取り持つだけの役割ではありません。 その中味については、 また別の機会に。
    (赤田 圭亮)
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