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「最期」 の始め その十七
 岡 健 朗
最後の防波堤
 福岡で中二の男子生徒がイジメを苦に遺書を残し自殺した。 自殺を知るにつけ、 家族の絆は、 落ち込んだ人の 「最後の防波堤」 にはならないのだろうかと思っていたら、 今回の自殺には、 防波堤となり得る家庭に不和をもたらす元担任の、 軽率な行動があったという。 一〇月一六日段階での報道によれば、 今は学年主任である一年当時の担任が、 守秘義務があるはずの男子生徒の母親からの相談内容を、 無断で同級生に暴露したのだ。 「これをきっかけに、 同級生から、 不名誉なあだ名でからかわれるように」 なった男子生徒は、 母親に対し 「先生に話しただろう」 と怒り、 そして 「学校へ行きたくない」 「死にたい」 と漏らすようになったというのだ。
 なお、 自殺の原因を探る調査チームの責任者である教頭が、 イジメに関する全校生徒対象のアンケートを一部しか読んでいなかったり、 校長は校長で、 両親の追求に対し、 一五日には担任の 「イジメ」 が 「自殺につながった」 と認めていたのに、 その後、 言葉を濁し始めたりして、 どうもこの学校のイジメの対応のおかしさは担任だけではないようだ。
 もしこの校長の言説の変化の間に、 市教委の指導が入っていたとすれば、 これから学校として公開される情報は、 市教委のフィルターがかかった 「事実」 になることで、 現在取り上げられている元担任の不適切な言動についても、 これからは紆余曲折が予想される。
 そして遺書で 「うざい奴等はとりつきます」 と残された、 イジメでつるんだ少年たちの問題が浮上するかもしれない。 確かに 「下腹部を見せてみろ」 と要求する人権感覚で、 彼の自尊心をズタズタにし、 両親にあて 「だめ息子」 との遺書を残させた 「ズボン下げ」 行為等が不問にされるとしたら、 この学校の防波堤はイジメ側を守るためのものとなろう。 子どもが子どもなりに殺傷能力を行使してしまう事件が続く今、 すぐにやらなければならないことはイジメの早期認定と、 被害者・加害者双方に必要な、 多様な教育措置だと思う。
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