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市教委の悪質な退職強要を暴く裁判のこれからに注目!!


――新採用教員退職強要裁判第四回弁論を終えて――
   赤田 圭亮
 今年二月に、 横浜市と都田小・木村校長を相手取って起こした新採用教員に対する退職強要裁判は、 先月二六日、 第四回目の弁論を終えた。 被告の横浜市は、 この間、 準備書面 (一) (二) (三) を提出、 木村校長側は準備書面 (一) を提出、 原告であるこちらからは、 準備書面 (一) (二) と陳述書、 合わせて市教委が非開示とし、 情報保護審査会が開示すべきと判断した 「〇五年三月四日の条件附き採用期間の職員に対する聴き取り」 なる文書を証拠として裁判所に提出している。 次回、 一二月五日 (一六時二〇分開廷) に第五回の弁論をおこなった後、 いよいよ来年早々から証拠調べに入り、 双方の証人に対する尋問が始まることになる。 
 〇五年三月、 当該の本多先生が指導主事や校長から 「依願退職願いを書かなければ分限免職になる」 と退職を強要され、 藁をもつかむ思いで横校労に駆け込んできてから一年半、 脅しに屈せず、 正規採用を勝ち取り現在に至ったわけだが、 同様の仕打ちで泣く泣く学校を去った新採用教員もこれまで相当数いたのである。 その実態を明らかにし、 二度と不当な退職強要をさせないために、 労働組合として取り組んでいるのがこの裁判である。 決して表にはでない、 横浜市教委のダーティな面を暴いていくのが、 この裁判の本来の目的である。 更なる注目をお願いしたい。 
 今回は、 若干の論点の整理として、 被告横浜市の主張について検討してみたい。 

 被告横浜市が九月一日に提出した準備書面 (二) は、 「第一 教職員の条件附採用について 第二 横浜市立学校教職員分限懲戒審査委員会 第三 原告の採用及びその後の経緯」 の三章から成っている。 
 第一においては、 新採用教員に対する条件附採用を解除する流れについて縷々説明を加えているのだが、 この中で新採用者に対しては、 一〇月と二月の二回にわたって校長から報告書を提出させ、 「職務成績や資質について注意点が認められた場合には、 更に担当指導主事が所属校長に電話等の方法によって連絡を取り、 あるいは更に報告書の提出を求めて、 事実確認する。 また、 上記のような方法では十分な事実確認ができず、 指導主事等が必要と判断した場合には、 所属校長あるいは当該新採用者本人も同行させた上で、 横浜市教育委員会において、 面接等の方法により直接事情聴取を行い、 事実確認を行う。」 としている。 
 そのまま読めば 「なるほど」 なのだが、 よくよく検討してみると、 いくつかおかしい点が出てくる。 まず、 内藤指導主事は、 本多先生が職場復帰したその次の日二月二五日に、 「分限調査会の進捗状況にのった。 新年の居所不明は審査のネックになる。 依願退職届けの提出期限は三月第一週である」 旨を木村校長に連絡している。 この日から三月四日までの約一週間、 二人の管理職によって退職強要が行われるのだが、 準備書面には、 二つの報告書によって 「職務成績や資質について注意点が認め」 られた場合、 「依願退職も合わせて勧める」 とは書かれていない。 この点について横浜市は、 第三において、 「・・・木村校長ないし横浜市教育委員会の担当者が、 原告に対して依願退職の意志の有無を確認したのは、 原告に対する善意及び事務処理上の必要によるものにすぎない。」 (傍点筆者) としている。 こういうのを 「おためごかし」 という。 木村校長はもとより、 三月二日、 (都田小の) 遠藤副校長は本多先生に何と言ったか。 「校長先生のことも考えて、 ここは・・・」。 市教委は、 一貫して 「依願退職の意思の確認を指示しただけ」 と言い募っているが、 それだけだったら、 こんなおおごとにはなっていない。 
 引用部分後段の 「直接事情聴取」 に至っては、 木村校長が 「市教委に行って最終通告を受ける。 言い渡しだけだから本人は来なくてもよいと市教委は言っている」 として、 依願退職願いを書かない場合、 即座に処分の言い渡しがなされるような言い方を原告に向かってしたし、 市教委も 「事情聴取」 である旨は、 校長に伝えてはいない。 これもまた依願退職願いを書かせるための 「方便」 であったことは間違いない。 市教委は、 言うに事欠いて 「最終通告とは、 本多先生が市教委に対して今後どうするかを通告することだ」 とまでいうのだから、 笑止である。 
 さらに引用中段部分の報告書についてだが、 正規の報告書の他に二通、 木村校長は報告書を提出している。 この一通目に無断欠勤との事実誤認があり、 木村校長は始末書を提出している。 これが確認されるのが三月四日の会合の中であり、 もしそれ以前に本多先生が依願退職願いを提出していたら、 事実誤認のまま報告書は存在していたのである。 この特別の報告書がどのような経緯で誰の指示で何の目的で書かれたのか、 大きな焦点になることは間違いない。 
 さらに何点か指摘したいのだが、 紙数が尽きた。 これ以下の展開については、 原告側からの準備書面 (三) として裁判所に提出するつもりである。 結論的には、 被告側代理人の論理は、 きわめて跡づけ的であり、 退職強要という行為に近いものがあったにしても、 行政の手続きの流れから大きくずれたものではなく、 善意あるいは事務的な行為であった、 とその悪質さを薄めようとするものである。 この論理に対して、 どれだけ反証できるかがこの裁判の大きなテーマである。 引き続きご注目願いたい。


 

 

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