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  Q
 ご無沙汰しています。 (略) 今年は、 残念ながら一次試験も通りませんでした。 ロクに勉強もしていなかったので仕方がないのですが、 私の周りの友達は何人も受かっていて、 ちょっと立場がありません (笑)。 その友達の一人から 「小学校の先生になるンなら、 ヤンキー先生がやっている塾に入るといいよ。 特別枠で採用試験が受けられるんだって」 と聞きました。 現場に居る赤田先生はそういうの知ってますか? (略) それではまた、 遊びに行きます。
    (横浜・Y大四回生)

 遊びに来るのはいいのですが、 君たちと一緒に入学?したこの学校、 もう10年も居たので3月には異動です。 なにしろ横浜は高速異動?が当たり前になりつつあるので、 一職場に10年在籍というのも、 今年辺りでなくなりそうです。
 さて、 一回目の挑戦、 残念でしたね。 でもさほど落ち込んでもいないようなので安心しました。 「ヤンキー先生がやっている塾」 ですが、 確かにあります。 でも彼が個人的に経営しているわけではなく、 横浜市教委が政策としてやっている塾で、 教育委員会がその塾長に教育委員の一人であるヤンキー先生を任命したということです。 名前は 「よこはま教師塾」。 開設の趣旨には 「横浜市では、 教育に対する“理想と情熟と技”と、 様々な課題解決に積極的に取り組むねばり強さを備えた即戦力教員の養成をはかるため、 よこはま教師塾を開設します。 ひいては、 横浜市の教員として横浜の教育をリードできる人材となることを期待します。」
 1年3か月にわたって 「豊かな教師」 「確かな教師」 「信頼される教師」 を目指して、 講義、 演習、 実践、 交流・体験、 選択などを履修して、 07年に採用試験を受け、 08年に採用されるというタイムスケジュールになっています。 受講料は、 年8万円 (採用されれば返還される)。 その上、 採用試験は特別選考枠 (面接) で、 学科試験は免除。 まぁ、 一見すると、 幹部候補生を育成する、 横浜教育界の 「松下政経塾」 とも言えないこともないけれど、 私の目には、 このあと数年続く大量採用時代に向けてのちょいズルの 「青田刈りシステム」 に見えます。 東京、 干葉、 埼玉とともに、 新採用教員獲得競争が始まりつつあるわけで、 一定程度の数にツバをつけておいて、 確実に人材を確保したいというのが 「政策」 の眼目なのではないでしょうか。 数年前、 大阪で露骨な新採用ぶんどり合戦がありましたが、 それを少しスマートにやろうということでしょう。 埼玉でも同様の動きがあります。
 この露骨な青田刈りシステムをくるむオブラートが、 ヤンキー先生ということになります。 パンフレットの初めに、 彼が学生時代に交通事故で死にそうになったときに高校時代の担任教師が 「あなたは私の夢なんです」 と繰り返し叫んだこと、 そのとき彼は初めて 「生きたい」 と強く願ったこと、 そして教師になったことが書かれています。 この人の話は単純で、 とにかく論理性に欠けるのですが、 ここでも数行あとには 「皆さんは、 横浜教育の夢です」 とあります。 そして 「夢は逃げていかない、 自分が夢から逃げていくのだ」 ときます。 タレントや政治家ならともかく、 ごく普通に30数年生きてきた人間の言葉とは思えません。 空疎すぎます。 私などは 「その夢がさ、 殴りかかってきたり、 ツバかけたりするんだよね。 コラッ、 夢ども!甘えてばっかりいるんじゃねぇよ。 いい加減に自分の足で立て!」 って言っちゃったりして。 それからヤンキー先生には 「あなたは、 夢相手の大切な仕事を、 どうしてわずか数年で辞めてしまったのですか。 あなたは、 教員になったときのことはよく言うけれど、 辞めた理由はあまり話しませんね。 それに30歳そこそこで、 後進を育てたいってヘンじゃないですか?私など、 30年やってもまだこれというモノをつかめていませんが、 あなたには何が見えているんでしょうか」。
 銀座に個人事務所をもち、 全国を股にかけて講演して回り、 今度は安倍内閣の教育再生会議の委員に就任。 いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのヤンキー先生ですが、 私たち現場の人間からすると、 タウンミーティングに来校し、 帰るときに 「タクシーがきていないじゃないか。 若いと思ってバカにしているのか」 (学校なんてへんぴなところにあるんだし、 タクシーだって呼べばすぐ来るところばかりじゃないんだよ) などという発言をしたり、 夕方からの生徒指導の時間を確保しようと、 ヤンキー先生との話を早めに切り上げようとしたら、 「サラリーマン先生」 と揶揄したりと、 尊敬どころか 「もう一度現場で一からしっかり仕事をしてみれば」 というのがホンネです。 政策についても、 以前は国歌・国旗など、 学校教育には必要ない、 と主張していたのに、 最近では (国歌・国旗法は) 「公立校に勤務していたら、 順守します。 キリスト教の学校で、 (教師が) 「私は仏教徒だから礼拝に生徒を出しません」 ということがまかり通れば教育現場はメチャクチャになってしまう。」 と不思議な理屈を開陳するし、 バウチャー制度を進めようとする再生会議の中では、 「いじめられたときに転校しやすくなる」 として、 全面賛成を主張していますが、 今だって理由がある程度明確なら転校は認められます。 立身出世のためには、 白を黒とでも言い張るタイプの人かな、 とも思います。 そんなにまでして求める夢って何?と言いたくなります。
 とまぁ、 「ヤンキー先生の塾」 ってこんなんだと私は考えています。 ほかの先生にも聞いてみてください。 また違う意見が聞けると思います。 とにかくよく考えて決めることです。 初めに書けばよかったのだけれど、 今回の入塾締め切りは10月13日でした。 来年もう一度受けて、 ダメだったら検討してみてください。
    (赤田 圭亮)

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