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〜政治家は3万人の大人の自殺こそを考えるべき〜

 ご無沙汰しております。 先月は400号おめでとうございました。 (略) ヤンキー先生の塾?の話、 興味深く読みました。 なんていうか、 私なんかが現場にいて片手間に見聞きすることで、 違和感を感じながらも、 そのままになってしまうことっていくつもあるのですが、 赤田さんの文章を読むと、 ああそうそう、 自分もそう思っていたんだ、 ということが少なくありません。 (略) カンパと新聞記事を同封します。 新聞は、 妻が 「あなたと感覚が近いんじゃない」 と切り抜いてくれたものです。 出席停止について私が感じていたことと近いので、 こういう人の意見が新聞に採り上げられると、 少しほっとしますね。 (略)     
                                                                             (横浜・教員 53歳) 

 いつもありがとうございます。 こうして反応をいただけるとうれしいものです。 職場もみな忙しいので、 『横校労』 を配っても、 感想のようなものを聞くことはほとんどありません。 ときどきコピー機のとなりにある 「再利用不可」 と書いてある入れ物の中に 『横校労』 を発見しますから、 読んでもらうだけでも大変なことだと思います。 (ちょっとかわいそうなので私は、 汚れていない限り拾って再利用可?にしていますが)。 
 東京新聞の記事、 ありがとうございます。 11月29日付の記事、 この50代教諭は、 私です。 前日の夜、 晩酌の最中に記者から電話が入りました。 再生会議の様子を知らせてくれ、 さらにヤンキー先生がらみだというので、 つい30分ほどしゃべってしまいました。 そのごく一部ですが、 現場の一教員の話をよく載せてくれたと思います。 タイトルは、 『いじめ緊急提言/厳罰化懸念の声/現場, 「複雑な人間関係ある」』 となっていて、 政府の教育再生会議がいじめへの緊急提言として児童・生徒の出席停止を含めた提言を出しそうだ、 との記事です。 この「毅然とした対応」=出席停止を全面に打ち出しているのが、 再生会議室長となった我らが教育委員!ヤンキー先生というわけです。 記事の中で 「いじめは複雑な人間関係の中で起きる。 加害者と断定した子どもの方を出席停止とすれば解決するような、 単純な話ではない」 と言います。 当然のことですね。 いじめが善悪、 白黒はっきりしたものなら難しくはありません。 難しいのは、 白のうしろに黒が付いていたり、 灰色も混じったり、 時にはグラデーションだったりするわけですから。 さらに、 いじめが犯罪行為とまでは言えない場合 「子どもたちの入り組んだ人間関係の中に注意深く入り込む努力をする。 両方の気持ちを聞き、 お互い少し距離を置くなどの落としどころを探るためだ。 いじめる側も、 家族や別の友達との関係に辛さを抱えている子もいる。 いじめた側のこころにぎりぎりのところまで近づこうとすると、 いじめられた子にとっては、 教諭がいじめている側に荷担しているように見えることもあるだろう。 その危険性に常にさらされている。」 また 「子どもへの評価抜きに接してくれる大人から、 今の辛さを軽くする世間の知恵みたいなものを子どもが受け取れる場が必要」 としています。 
 次の日、 再生会議は結局、 加害者出席停止を緊急提言に盛り込みませんでした。 異論が多かったようです。 ヤンキー先生はというと、 めげることなくテレビ局のインタビューに答えて 「教員は、 職員トイレを使わずに子どものトイレを使え」 だの 「朝、 いつもより何分かでもはやく出勤すべきだ」 などと現場通?ぶりを発揮して、 まだまだ出席停止を諦めていない様子。 でも現場ではそんなことみな口に出さずにやっています。 それどころか自分がトイレに行く時間もとれないこともあるし、 毎日どれだけの残業をしていることか。 この人、 どうしてこうなんでしょうね。 いろいろ言うのだけれど、 いつも発言のベクトルは文部科学省や安倍首相とシンクロしてしまいます。 現場を知っている人間なのに、 彼の中を通過すると 「現場」 が変質してしまうように感じるのは私だけでしょうか。 同じ再生会議の委員、 あの百ます計算の陰山英男氏は 「出席停止した子はどこで面倒を見るのか。 家族に問題のある子もいる」 と彼なりの現場感覚を披瀝しています。 ヤンキー先生は、 やっぱり安倍センセーに好かれたいだけのちっちゃなユートーセーなのかもしれません。 
 それにしても、 こんなレベルの議論を大金かけてやっているこの国ってすごいな、 と思います。 教育再生会議…政治の世界では教育は仮死状態なんですね。 毎日どれだけの人々が現場で苦闘しているか、 そんなことは政治には無縁です。 政治家が教育を口にするのは、 それがとってもわかりやすくみえるし、 そのうえ政策の失敗・成功がはっきりしないからです。 政治家は、 政策の即効性をどう演出するかにしか興味がないから、 今回のような提言が出てくるんですね。 一方現場にいる私たちは、 子どもたちが、 そこそこ安心して学校へ通える環境をつくることを時間をかけて、 具体的な一つひとつを賽の河原の石積みのようにやっているわけです。 政治家の発想と結びつくわけがありません。 
 今回のいじめ・自殺問題は、 マスコミの思慮のない報道とそれに乗っかった文部科学省はじめ行政や政治家のはしゃぎぶりが、 火に油を注ぐ結果になったと私は考えています。 藤村操の時代から 「おっかけ」 自殺はあったといいます。 岡田由希子の苦い経験も私たちはもっています。 でもあえて言うなら、 そのことよりも、 私は年間3万人を超えるという大人の自殺の方がよほど政治の問題なのではないかと思うのです。     (赤田 圭亮) 


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