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〜 「ホワイトカラーエグゼンプション」 は教員にも関係するのか? 〜

 明けましておめでとうございます。 (略) ということであと一年この職場にいるつもりですが、 来年はもうけじめをつけて退職するか、 異動するかを決めなければなりません。 20年以上やってきたのに、 退職も異動も全くすっきりしないなんていやですね。 (略) ところで最近やけに 「ホワイトカラーエグゼンプション」 という言葉を聞くのですが、 これって教員にも関係あるのでしょうか。 (略) またぜひみんなで一度ゆっくりお話ししたいものです。 
    (中学校教員・44歳) 

 明けましておめでとうございます。 私も同じ中三学級担任、 老骨に鞭打ちながらですから、 ちょっと疲れていますね。 この11月からの突然の就任!だったので、 スピードは遅いけれど走りっぱなしという状態でここまで来てしまいました。 三年ぶりの中三担当ですが、 入試選抜方法の変遷がどれほど現場の負担を増やし続けているのか、 今回、 いつも以上に身をもって感じているところです。 中身も裏打ちするものもまだないのに、 空疎な言葉でプレゼンテーションを強いられる生徒たち。 これをほおっておくと、 誤解しちゃってマジに 「自分はなんでもできるんだ!」 なんていう仮想万能感 (!) が身についてしまうかもしれません。 「私は〜ができる人です」 という参考書に載っている例文のフレーズと同じフレーズを自分のクラスの生徒の自己PR書に見つけると 「これ、 受験だから ・・・ だよね」 とつい確かめたくなります。 「当たり前じゃん、 センセ、 わたしそれほどうぬぼれていないよ」 なんて答えが返ってくるとほっとします。 
 さて、 ホワイトカラーエグゼンプションについてですね。 この言葉、 言いにくいし、 とっても覚えにくい。 簡単に言えば労働の時間規制撤廃とか残業手当制度の撤廃ということなのですが、 なんだかわざと横文字の覚えにくい言葉で流布されているような気がします。 この問題についての関心がとっても低いというのも、 そのあたりに原因の一つがあるのかも知りません。 成人病を生活習慣病と言い換えたり、 メタボリック症候群など勝手な概念や数値を持ち出したりする役人一流のやり方です。 かたや無関心をつくり出し、 片や自己責任論を浸透させる言葉の使い方、 彼らは毎日こんなことを考えながら仕事をしているんでしょうね。 
 今、 労働ビックバンという言葉がよく使われます。 産業構造の転換にあわせて旧来の労働法や雇用関係のあり方を根本から見直していくということで、 次の国会は雇用国会などとも言われています。 その中には二つの大きな流れがあるといわれています。 一つは、 非正規労働者や派遣労働者の固定化を促進する流れ、 もう一つは労基法で定める時間管理を廃し、 残業手当の支払いを不要とするこのホワイトカラーエグゼンプションの流れです。 どちらも私たちの職場である学校と無縁ではありません。 
 現在私が所属する学年は9名で構成されていますが、 そのうち非正規労働者、 つまり臨時的任用職員や非常勤職員は3名です。 つまり三分の一が非正規労働者ということになります。 これは、 現在の日本の労働者の正規、 非正規雇用の割合そのものなのです。 つまり日本の労働者の三分の一は、 非正規労働者なわけです。 どうしてこんな非正規労働者が増えてしまったのか。 立場によって見解は異なります。 労働者の立場からすると、 労働者派遣法などの規制緩和によって安く買い叩かれる派遣社員が大量に生み出されたことや、 企業が景気不景気の波に大きく左右されないためにいつでも首を切ることのできる 「安全弁」 として非正規労働者を増やしてきたことがあげられます。 企業側の論理からすると、 正社員の雇用と企業の存続を守るためには、 多くの非正社員が必要ということになります。 でも実態を見てみればとってもせこくって、 どの企業でも正社員がやっていたことを非正社員にやらせ、 コストをどれだけ下げて企業利益を上げるか、 に尽きるのですね。 つまり正規、 非正規どちらにしても労働強化になっているのが現実ですし、 非正規労働者にとっては年功賃金でもないわけですから、 ワーキングプアとならざるを得ないし、 正社員にとっては人事評価制度による競争が激化します。 いつでも非正に追いやられる可能性あり、 ということです。 再チャレンジの可能な社会をと安倍政権は言いますが、 実際はこの労働ビックバンによって労働の強化と格差の固定化が進むと、 私は思います。 
 一方、 ホワイトカラーエグゼンプションのほうはと言うと、 これは成果が時間ではかれない職業が増えていることから、 残業手当の支払いを猶予するという考え方ですが、 これもまったくおかしな話です。 過労死などの問題は、 時間規制があるからこそ告発ができたわけですが、 この制度が導入されれば企業側が労働者の安全をはかる義務が生じませんから (努力義務まで)、 すさまじいことになります。 現在は年収900万円以上のホワイトカラーが対象といっていますが、 いつ基準が下がるか、 消費税同様システムが導入されてしまえばいかようにでも、 ということになってしまいます。 残業手当てが出ないことはもちろん大きな問題なのですが、 一番の問題は時間による規制がない分、 企業側は労働者に対し成果のみを要求し、 労働安全を守る義務を放棄してもよいという点にあると思います。 
 さて、 学校の話までたどり着きませんでした。 次回は、 この問題を学校に引き比べて論じてみるつもりです。 
    (赤田 圭亮) 



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