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学校現場の実態から  「新しい昇給制度」への批判を!!

  はじめに
 去る三月二八日横校労は、 神奈川県教育委員会 (教職員課田中課長代理) と〇六年度の確定闘争の結果の確認を行い、 県費負担教職員の新たな昇給制度について 「提案」 という資料にもとづいて説明をうけた。 以下その内容の紹介とともに、 若干のコメントをしておきたい。 

一 昨秋の確定闘争の妥結内容
 まず、 確定闘争の結果についてであるが、 昨年秋、 一一月一六日に神奈川県の確定闘争は決着しており、 前年と大きく変わった点についてのみ重点的に説明をうけた。 
 その内容は、 @中途採用者の前歴換算の改善措置=換算率をアップすること。 A一般職員に新たな昇給制度を平成二一年一月から導入すること、 教職員については、 一般職員に準じて実施すること。 B五五歳昇給停止措置を平成二〇年三月三一日で廃止し、 同四月一日から昇給抑制措置を実施すること。 C勤勉手当にも成績率を平成二〇年六月から導入すること。 E休息時間については、 平成一九年三月三一日でもって廃止すること。 ※当局から、 国家公務員公務員については、 休息がなくなる代わりに休憩を一五分延長し、 六〇分とする措置がとられた。 そのようなことも含め神奈川では議論されたが、 休憩は休息と異なり、 無給の非勤務時間であり、 延長すると事実上の拘束的時間が延長されるのでそのような方法は採用しないことにしたという付加説明あり。 E特殊学級の給料の調整額及び栄養教諭については、 賃金専門小委員会報告の通りとする。 というものであった。 
 教職員の新たな昇給制度の導入については、 「一般職員に準ずる」 こととされた。 というのは、 昇給区分が通常の人事評価制度に基づいてなされること、 一般職員の通常の人事評価制度は一〇〇点満点に換算されており、 それに基づいて昇給区分がつくられているが、 教職員の場合は、 一〇〇点満点ではなく、 SABCDであり、 何らかの換算が必要であり 「準ずる」 とされたわけである。 神奈川県教委は、 三月上旬にこの日提供された 「提案」 という文書を関係組合に提示し、 上記の 「換算」 の案を明らかにした。 三月二八日の横校労との話し合いの中で県教委は、 前述した確定闘争の結果報告と、 「提案」 文書にもとづいて、 新たな昇給制度の内容と今後のスケジュールを以下のように示した。 

二 新たな教職員の昇給制度の導入についての神奈川県教育委員会の 「提案」 について (別表一〜三参照) 
 まず通常の人事評価から昇給制度への換算の問題であるが、 要約して述べれば、 日常的人事評価のSABCDの評価を上からそれぞれ五、 四、 三、 二、 一点に換算し (別表二)、 四つの対象領域の評価を合算し、 平均点が四・五以上を総合評価S、 三・五〜四・五を総合評価A、 二・五〜三・五を総合評価B、 一・五〜二・五を総合評価C、 一・五未満を総合評価Dとして (別表三)、 総合評価A以上の評価で上から五%以内を昇給区分のA評価 (極めて良好) として六号俸の昇給とし、 総合評価A以上の評価で上から二〇%以内を昇給区分のB評価 (特に良好) として五号俸の昇給とする。 また、 総合評価がB以上でかつ、 昇給区分がAまたはB以外のものである者 (ゆえに総合評価がAでも、 総合評価Aが二〇%以上つけられた場合昇給区分はCとなるものがでてくる。) 以下総合評価がCであるものは、 昇給区分はDとなり、 それがさらに三、 二、 一号俸昇給のものに分けられる。 (総合評価Cは、 勤務日数が多いこと、 また、 停職・減給などの処分をうけたものが対象となる)、 最後に総合評価Dであるものは、 昇給区分Eとなり (良好でない) 昇給はない。 (総合評価Dは勤務日数が二分の一に満たないもの、 ないし、 昇給前一年間において停職三ヵ月を越える処分をうけた者である) (別表一) 
 これが原則であるが、 昇給区分B以上のものについて単純に校長が決めるわけにはいかないようになっている。 まず、 所管の教育委員会が、 学校別の昇給区分の枠を定め、 その枠の範囲内で校長が教育委員会に推薦する。 教育委員会は、 学校間の総合評価などを参考にして最終調整を行い、 B以上の適用者を決定する。 (※説明後の質疑において、 最終調整は何によってなされるのか基準について質問したが、 まだにつめていないということであった。 また、 何をもって学校評価とするかも明らかにされていない) C以下の昇給区分の決定については、 決定基準によって決定される。 
 次に実施のプロセスであるが、 以下概要を記すと、 〇七・三の提案に対する意見を三月中に集約し、 五月中には最終的に決定する。 具体的な適用は、 〇七・四〜〇八・三間での通常の人事評価の結果が〇九・一の昇格区分に反映される。 (基本的には、 〇八・四〜〇八・一二までにどんな処分をうけてもその影響は、 〇九・一には出ず、 一〇・一に反映される。) 勤勉手当については、 〇八・六の一時金から実施される。 そのための通常の人事評価は、 〇七・一二〜〇八・六の半年間のものとなる。 
 その他、 この 「提案」 には、 人事評価システムの改善についても記載されている。 特筆されるものをあげると、 苦情申し出での際に第三者が同席することを認めている。 ※質疑のなかで、 第三者の定義ついては、 まだ明確にしていないが、 職場に限定されない職員ということを今の所は考えていること、 弁護士などの外部者は対象外、 また、 第三者の権限は、 申し出者の補佐ということで発言は認められるものとのこと。 (※これは運用の問題になる。) 

三 おわりに 若干のコメント
 教職員の人事評価そのものについての賛否はひとまずおいて、 すでに実施されている現実をみて思うことは、 評価基準のあいまいさであり、 最終的には評価者の恣意性にゆだねられているところが大きいということである (それゆえ常識的な大部分の評価者は問題が起こらないように 「対処」 していると思うが、 現実的にはそのような評価者だけではない)。 人事評価を給与と結合させると当然実利性が生じてきてしまい、 職場の中に無意味な対立や矛盾を生起させしまうのではないかという危惧があり、 またそれ以上に現場の実感として人事評価と昇給を結合させると本当に職場がよくなるという感触が全くないということである。 評価基準の問題としては、 学校評価の基準などがこの実施段階になっても示すことができないことの中に象徴的に問題は現れているものと思う。 ともかく、 実施すべきでないということが今のところの基本的立場である。 だが、 このような現実にもかかわらず、 実施されていくだろう。 たぶん現場では、 建前とは異なる事態が次々に生じてくることが予想される。 私たちは自ら評価を率先し公開し、 客観性を無視した恣意的評価を暴露しその矛盾をつくことによってこの制度を職場の現実から批判していきたい。 
    (茂呂) 

(別表1) 
昇給区分★昇給号給数★昇給区分の決定基準★人員分布率
A (極めて良好) ★6 (三) ★総合評価がA以上である者★5%以内
★★4〜12月の勤務成績を総合的に勘案し、 教育委員会が特に必要と認める者 (人事評価の評価項目別評価にC以下の評価がある場合は除く) 
B (特に良好) ★5 (三) ★総合評価がA以上である者★20%以内
★★4〜12月の勤務成績を総合的に勘案し、 教育委員会が特に必要と認める者 (人事評価の評価項目別評価にC以下の評価がある場合は除く) 
C (良好) ★4 (二) ★総合評価がB以上で、 かつ、 昇給区分がA又はB以外である者
D (やや良好でない) ★3 (一) ★総合評価がCである者
★★昇給日前一年間の6分の1に相当する期間の日数以上の日数を勤務していない者
★★昇給日前一年間において戒告の処分を受けた者
★★昇給日前一年間において減給 (2月以内) の処分を受けた者
★2 (一) ★昇給日前一年間において減給 (2月超) の処分を受けた者
★★昇給日前一年間において停職 (1月以内) の処分を受けた者
★1 (一) ★昇給日前一年間において停職 (1月超3月以内) の処分を受けた者
E (良好でない) ★なし (なし) ★総合評価がDである者
★★昇給日前一年間の2分の1に相当する期間の日数以上の日数を勤務していない者
★★昇給日前一年間において停職 (3月超) の処分を受けた者

※昇給号給数欄の ( ) 内は、 55歳昇給抑制措置にある者の昇給号給数

(別表2) 
評価★点数
 S★5点
 A★4点
 B★3点
 C★2点
 D★1点

(別表3) 
平均点★総合評価
   4.50以上   ★S
3.50以上 4.50未満★A
2.50以上 3.50未満★B
1.50以上 2.50未満★C
      1.50未満★D

 

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