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〜 辛く苦しい50代ではなく、 心豊かな50代を生きるために 〜

 赤田先生、 大変ご無沙汰しております。 お元気ですか。 毎月の 『横校労』 ありがとうございます。 (略) 青葉区はいかがですか。 (略) 私も転勤したのはいいのですが、 どうも生来のはっきりしない性格で、 新しい職場になじめないでいます。 (略) 五二歳の私に一番難しい生徒がいるクラスをもたせるというのはどんなものでしょうか。 (略) 部活はやらなければならないのでしょうか。 全員顧問制ということで、 空いているのは陸上部だけなので、 ぜひお願いできないか、 と部活担当者に言われついOKしてしまいました。 そのほか、 校務分掌は、 教務部に生徒指導部、 PTA担当に文化祭実行委員会、 小規模校だからしかたないのでしょうが、 ちょっときついですね。 (略) ながながと愚痴を読んでいただきありがとうございました。 少しすっきりしました。 (略)
    (某区 52歳 男性 中学校教員)

 こちらこそご無沙汰しております。 お元気にご活躍の様子、 何よりです。 50をすぎての転勤は、 お互いしんどいものですね。 孔丘は 「50にして天命を知る」 と言いましたが、 天命どころか、 その日その日をテメーが生き抜くことの方が大変です。
 実は私も転勤早々ですが、 中3の学級担任です。 クラス数が急に増えたということで、 面接の時の話とはずいぶん違ったものになってしまいました。 どの職場も非正規の臨任、 非常勤の人が多く、 臨任の人が学級担任することも今では珍しいことではないので、 しかたない面もあるのですが、 どこもなぜか人材的に汲々としているようですね。 混じりっけなしの副担任の不在という面もあります。 学級担任の他に学年に所属しているのは、 学年主任、 養護教諭に進路主任、 それに生徒指導専任なんてことになると、 みな自分の仕事で手一杯ということになってしまいます。 まれに純な?副担任がいても、 極端に授業時数が多い、 なんてこともありますね。 毎年新採用が900人も入ってきているのに、 どうしてこうなってしまうのでしょうか。 どうして、 私たちが新人だった頃は、 あんなに学校に余裕があったのでしょうか。
 ひとつは、 学校に多くのものが際限なくもちこまれたことによります。 30年前の学校には、 人権教育担当や特別支援教育コーディネーター、 国際理解担当やISO担当、 その他諸々の〜担当というものはほとんどありませんでした。 学校は授業と部活動、 たまに行事という具合でした。 そこにいたのは、 管理職3分前の小うるさい学年主任と教務主任ぐらいで、 あとはみな担任か副担任。 若い教員が多かったので、 50歳を過ぎて学級担任をする人はめったになく、 4時をすぎれば碁や将棋に興じる姿も見られました。 この50代非管理職志向の人たちが、 とってもいい味を出していて、 突っ走りがちな私のような若者を諌めてくれていたりしたものです。 管理職志向の教員にはよく楯ついていた私でしたが、 こういう方たちの言葉は、 けっこうずっしりとしていて胸に響きました。
 いま、 こういうポジションの人が職場から消えました。 50歳だろうが55歳だろうが、 高い給料もらっているのだから学担でも何でもやるのが当然、 というような強迫的な感覚が広がっているような気がします。 こうして学校が余裕を失ったのには、 今述べたように学校に多くのものがもち込まれ、 飽和状態になっていることが一番の原因だと思うのですが、 もち込まれてくるその過程でどれだけのチェックができたのか。 いいことはどんどんやるべきだ、 学校でやるのがベター、 やっぱりこれは学校でしょう、 という具合に先様?の都合だけで多くのものがもち込まれてしまいました。 その時に、 これでは教員のキャパを超えてしまうよという声がなぜ出なかったのか、 誰が言うべきだったのか、 私は今、 そんなことを考えてしまいます。 もちろん労働組合の問題もあるのですが、 長いタームで考えたとき、 これは学校に対する社会の視線が変化してきていること、 そしてその変化に対応して、 教員の文化も変化してきているということなのだな、 と思うのです。
 その一番大きな変化は、 教員一人ひとりが、 チームの中の一員として評価されるのではなく、 個人として評価されていくシステムが出来上がってきたことです。 また主幹教諭などそれを管理していく機能も新たに組み込まれてきています。 しかし日常の教員の仕事には 「隙間」 の部分がたくさんあります。 いつも誰かが上手にこの隙間の部分を補うことで、 チームは維持されてきましたが、 これからそんな部分を担う人の存在がイメージできない時代になっていくのでしょう。
 変化はどの時代でもあることです。 しかし、 あまりに性急な、 あまりに杜撰な、 あまりに人に優しくない変化は、 いずれ破綻の憂き目にあうのではないか、 と私は思っています。 年輩の教員が、 長い間培ってきたことを評価されず、 その場その場で使い捨てされていくような職場をつくってはいけません。 そのためにも、 年輩者自らが、 いやなことはいやだと言う必要があります。 辛く苦しい50代ではなく、 心豊かな50代を生きるためにささやかな連帯も必要です。 私は 「天命」 は知りませんが、 「店名」 だけはたくさん知っていますので、 近いうちにぜひ一献やりましょう。

追伸. 部活顧問の決定は、 部活担当者の仕事ではなく、 校長の仕事です。
    (赤田 圭亮)

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