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読者Q&Aコーナー 〜飲酒で処分を受けた学年主任が裁判?〜


(略) というわけで、 転勤しても良くなるどころかかえってしんどくなりました。 (略) どうして、 教員という種族は自分のクビを絞めるようなマネをするのでしょうか。 (略) 自分の思いを、 つまりつらい時につらいと言っちゃう私のような者は変わり者の部類なのでしょう。 (略) 四月号の赤田先生の文章の中に東山田中の校長が二年で辞め、 飲酒で処分を受けた学年主任が、 裁判のようなものを起こしているという記事があったと思うのですが、 どういうことですか。 (略) 興味があるので教えてくたさい。 
    (鶴見区中学校教員 45歳) 

 最近耳にするのは、 すでに副校長試験に受かっている主幹教諭が、 管理職より管理的な言動を繰り返しているといった話ですね。 いるんですよね、 そういうタイプの人が。 たしかに主幹教諭は 「校長を補佐する職」 ですから、 そういうふうになるのは、 ある意味仕方がないのですが、 あんまりあざといのは困りものですね。 近くにそういう主幹教諭がいれば私としてはじっくりと?お話ししてみたい気もするのですが (笑)。 
 さて、 東山田中の飲酒処分についてですが、 処分は05年11月でしたか、 元楽天副社長の本城慎之介校長が減給6ヶ月 (10分の1) 学年主任ら一緒に飲酒した教員が減給2〜3ヶ月でした。 事由からするときわめて重い懲戒処分と言わざるを得ません。 処分通知の末尾には、 必ず 「処分が発せられた日から60日以内に市人事委員会に不服申し立てができる」 ことが記載されています。 当時学年主任であった大沢清先生は、 60日直前に不服申し立てを行いました。 深夜に至る激務の果てにわずかなビールを飲んだにすぎないのに、 いわれのない誹謗を受け、 強制配転までさせられた大沢先生の胸中を考えると、 こうした方法をもって身のあかしを立てたいと考えられたことに、 私は心から連帯の拍手を送りたいと思っています。 
 最近では、 飲酒はすべて御法度といった風潮が強くなっていますが、 いくつかのケースを考えてみましょう。 まず、 飲酒をして運転をしてしまったケース、 これは明らかに法に違反する行為です。 しかしすでに行われているように、 懲戒免職という処分が妥当とは思われません。 次に飲酒をして生徒を指導したケース、 休日の部活動などで、 昼食時に飲酒をして、 午後の指導で生徒や保護者から指摘されたという場合、 これは法律には違反していませんが、 倫理的な姿勢は問われてもしかたありません。 そんなに堅いこと言わなくても、 とはもうなかなかいかないようです。 さらに宿泊行事で、 飲酒の上、 女生徒とふざけあい女生徒たちに不快な思いをさせたというケース、 これは、 飲酒だけでなく明らかに教員としての資質、 姿勢が問われる問題です。 そういう癖があることはそれまでにわかっていたとすれば、 管理職も含めて処分は仕方がないかな、 と思います。 
 では、 東山田中の場合はどうでしょうか。 勤務の終わった明け方に近い深夜、 ビールを呑みながら懇談をした、 これだけです。 法律にも違反していませんし、 公務員の信用を失墜させてもいないと、 私は思います。 
 大沢先生の主張は、 @処分当時の 「勤務時間割り振り」 は労基法に違反している。 実際の指導計画と変形八時間、 つまり12時間の割り振りに整合性がないことは明らかに違法。 A超過勤務はすでに終了しており、 飲酒をした時間は、 労使関係上の指揮監督権が及ばない自由な時間である。 B処分基準の適用は、 恣意的な拡大適用である。 処分基準は勤務時間外の修学旅行時などを予見してはおらず、 この適用は不適切である。 よって処分は根拠のないものである、 というものです。 
 今では、 酒なんかとんでもない、 という管理職のおかげで、 納め会や新年会などの校内での飲酒はほとんど姿を消しましたし、 授業ごとに机の下から瓶を出し、 なんて教員も今は根絶?されてしまっています。 これはまるで禁酒ファシズムと読んでもいい代物で、 ものの是非や道理を考えることなく、 実態さえなくなればそれでOK、 あの敷地内禁煙同様エキセントリックでとっても乱暴なやりかたです。 
 いったい、 本城校長や数人の教員が深夜に飲酒をしたことで、 東山田中の修学旅行にどんな変化があったのでしょうか。 早朝から深夜に至るまでつきっきりで生徒につきあい、 疲れ果てたからだで、 少し話でもしながら明日に備えようと飲酒するのが、 それほど問題なのでしょうか。 私はこれが世間知的な見解だと思います。 保護者の見解は、 これに近いのではないでしょうか。 
 あとは使用者の指揮監督権はどこまで及ぶのか、 という法律論と、 飲酒が地公法上の信用失墜行為にあたるのかという、 市教委のいわゆる処分基準の妥当性が問われるのではないかと思います。 
 人事委員会の審理は、 人事委員会が一般の (市の意見に近い?) 弁護士に審査長を委任し、 双方がそれぞれ代理人 (弁護士他) を立て、 ふつうの裁判と同じように口頭弁論=公開口頭審理を行います。 人事委員会の審理では判決のことを裁定といいます。 この裁定で負けた場合、 地方裁判所に裁定取り消しの訴訟を起こすことができます。 東山田中事件はこの夏から公開口頭審理が始まるそうです。 もちろんだれでも傍聴ができます。 
 最後にもう一つ、 この人事委審理のもう一つの眼目は、 民間人校長として着任した32歳の校長が、 PSY (パイオニアスクールヨコハマ) の先頭バッターとしていったい何ができて何ができなかったのか。 横浜市教委の人事政策上の狙いはどこまで達成できたのか、 あるいはできなかったのか。 今でも荒れていると言われる東山田中にとって、 行政の施策は吉だったのか凶だったのか。 これほどドラスティックな経緯をたどった一連の流れに対し、 総括をする必要はないのか。 行政や管理職の大好きな 「説明責任」 とやらはないのか。 かなうならば、 審理の中で本城氏や当時の市教委の人事担当責任者に証人として出廷してもらい、 そのあたりのことを明らかにしほしいものだ、 と私は思っています。 
 この間、 私の職場のささやかな休憩室で、 この話題を出したところ 「ええ?それに勝てばお酒が飲めるようになるんですよね!」 という若い教員の反応があった。 あまりの率直さに正直うれしくなった。 そうだ、 そうだよと言いながら、 たとえ勝ったとしても酒は現場で忌避され続け、 宿泊行事で自ら飲酒する教員はふえやしないだろうなと思った。 ただ勝てば少なくともこんなバカげた処分はなくなるでしょう。 現在 「大沢先生を支援する会」 が準備されています。 私も呼びかけ人の一人になるつもりです。 あなたもぜひ。 世の中広がること請け合いですよ。 
    (赤田 圭亮) 

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