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私が大沢さんを支援する理由

  東山田中飲酒処分不服申立て請求者代理人 村上 芳信
(1) 禁酒と処分の伯井教育長通知の役割
 二〇〇三年四月に横浜市ではじめて文部科学省から派遣されてきた伯井美徳教育長は、 修学旅行における禁酒とそれに対する処分の教育長通知 (今回の大沢清さんらに対するものがはじめての処分) を行っています。
 これまで修学旅行において行われていた勤務時間外 (個人の自由時間) の適切な飲酒は、 私も体験してきたものですが、 激務の修学旅行勤務において過労を癒し熟睡を得るものとして 「教職員の健康と福祉を維持向上する」 ものとしての役割を果たしてきたものといえます。 飲酒をした教職員のほとんどは、 そのような勤務時間外 (個人の自由時間) の適切な飲酒で心身の疲労を回復して、 必要とされる翌日の児童・生徒への教育活動の指導のための元気を得ていたに違いありません。
 しかし伯井教育長が赴任した、 その年度において土曜日に行われた部活動練習引率中の飲酒、 東京への校外学習中の昼食時に飲酒したことなど、 懲戒処分を科した事件が相次いだことから二〇〇四年七月に 「教育公務員に適用する懲戒処分の標準例・処分量定一覧」 のなかに 「校外学習、 部活動指導中の飲酒等の不適切行為」 を決定し、 これを校長・教職員へ教育長通知として出しています。 そこに例示されているものは 「当該教諭は、 第二学年の自然教室において、 (中略) 三回にわたり飲酒した。 また、 酔った状態で生徒とふざけあいをするなかで女子生徒に対し不快な思いをさせるなどの行為をおこなった。」 というもので、 「児童・生徒指導中におこなわれた飲酒」 であり、 「児童・生徒にたいし不適切行為が行われて」 おり、 地方公務員法第二九条第一項第一号による公務員の信用失墜行為として処分が行われているというものです。
 大沢さんらへの処分も地公法による信用失墜行為が充てられました。 しかし、 この場合は 「勤務時間外の個人の自由な時間に行われたもの」 であること、 「生徒への不適切な行為はまったく存在しないもの」 という点で例示のものとは基本的にちがっています。 そこで大沢さんは地公法の信用失墜行為の誤適用を不服申立ての理由の一つとして上げています。
 そのため市教委はこれに対して答弁書において、 勤務時間外であっても修学旅行中は宿泊施設において児童・生徒指導や諸対応を要する不測の事態に対する対応の発生の蓋然性が高いこと、 さらに引率教員の飲酒はこのような事態の対応に支障をきたす可能性が認められるので校外学習などにおける教育公務員の飲酒行為を禁止したとしています。 禁酒の合法性、 妥当性、 そして合理性を勤務時間外の個人の自由な時間であっても不測の事態に対する対応の発生の蓋然性とそれに対する対応に支障をきたす可能性に求め、 飲酒は信用失墜行為に該当するものとして懲戒処分に付するという乱暴なものとなっています。 (このような論理の破綻は後に述べますが、 請求者側の証人への反対尋問において露呈しております。)

(2) 大沢さんの市人事委員会不服申立てが明らかにしたもの
 大沢さんは不服申立てを期限の最終日におこなっています。 (二〇〇六年一月二三日)
 そして不服申立てが新聞に報道されたことを理由に、 校長は大沢さんにまったく不当な強制配転処分をおこないます。 その不当性の一つなのですが、 強制配転処分について大沢さんが校長に撤回を求める話し合いを行っていたとき、 校長からバンクーバーで開催される世界青少年芸術フェスティバルヘアース横浜ミュージカルの子どもたちを大沢さんが引率することを認めないことが出されたことを聞きました。 そのときから私自身はたった一人であっても大沢さんを支援することを決めていましたが、 このバンクーバーでの世界青少年芸術フェスティバルにも関連して、 尊敬するある方から善意ですが 「処分は不当であるけど、 この闘いにかける時間とか金をもっと大切なことにかけたほうがいい」 と忠告もされ悩みました。 しかし大沢さんは、 それらを払拭して不服申立てを行ない、 公開口頭審理の闘いへと立ち向かっていかれたのです。
 一〇月三〇日におこなわれた市人事委員会の第二回公開口頭審理で赤田圭亮証人への反対尋問において、 市教委が禁酒の論拠とする 「緊急事態にたいする教職員の対応の支障の可能性」 や 「大地震等の不測の事態が発生する蓋然性」 から、 「緊急時の生徒指導が必要となったらどうするのか」、 「大地震がおきたらどうするのか」 といった尋問をおこなっております。 これに対しては審査委員会委員長からも 「仮定のことについての尋問はしないで下さい。 事実にたいする尋問をして下さい」 との注意がありました。
 このような杜撰な論拠による市教委の尋問の裏に、 修学旅行勤務が労基法無視の違法的な勤務による激務であり、 その違法性勤務の改善を行政の責任としてやっていくのではなく、 不当な処分で恫喝して激務を教員に強制するものであること、 そして激務の修学旅行勤務改善のために逆に行政の責任こそが問われていることが透けて見えています。 このとき私は、 大沢さんの不測申立ての闘いによって市教委も追い詰められているなと感じました。
 私はこのことをこれからの闘いの原点にしたい。 次回の第三回公開口頭審理は来年の一月一六日一四:〇〇より開催されます。 大沢さんへの本人尋問が予定されています。 大沢さんは三年の担任で、 一二月から一月は進路関係の仕事に忙殺されるときです。 まさに教職員の不安定な雇用関係のただなかでそれへの闘いを行っています。 どうかこの公開口頭審理への傍聴参加で、 大沢さんへのご支援をこころから呼びかけさせていただきます。

 

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