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〜 「学校教職員行動基準」 〜てなんなのさ?〜

 あの…こんなに時間に電話ですみません。 先生、 毎日忙しいでしょ?ああ、 はい、 そう、 そうです、 ちょっと聞きたいことがあって。 このあいだ職員会議があったんですよ、 で終わりのほうで職員の行動ナントカについて意見を言ってくれって管理職が言っていたんですけど、 配られた文書読んでもよくわかんなくって。 うん、 はい、 それでたしか校長が処分されて、 その行動基準がどうたらこうたらって、 つい秋ごろに赤田さん、 書いていたなと思って。 (略)
 正直、 勤務時間が過ぎているのに意見を言ってくれ、 こういうのみんなでつくるって大事じゃん、 なんて言われたってちょっとムカつくっつうか。 (略) 先生、 あの意見を言うのってやっぱ大事すか?ちょっと酒のんでますけど、 ちょっと赤田先生の話、 聞きたいと思って。 (略)
                                                         (南区・中学校教員・32歳)

 はいはい、 酒呑んでいるのは気にしないでください。 こっちも家に帰れば呑んだくれていますから。 いまもけっこうほろ酔い気分ですよ。 市教委の課長さんにもなると、 いつ地震が来ても対応できるように、 酒など呑まず、 緊急事態に備えているそうだけど、 ホントかな (笑)。
 あなたが言っているのは 「横浜市公立学校教職員行動基準 (仮称) 検討案」 のことですね。 やっぱり出てきましたね。 こういうのつくるのが好きなヤツがいるんだな。 ろくなヤツじゃないと思います。 あなたが言うように、 秋に校長の行動基準が作られ、 その後一般職のモノがつくられ、 今度は教員用のをつくるという段取りなのでしょう。 ほんとうに暇な人たちっているんですね。 現場の教職員はろくに休憩時間もとれずに、 連続勤務、 超勤漬けが当たり前なのに。
 私の職場でも、 管理職が意見を言ってくれ、 と言っていたけど、 評判悪かったですねえ。 「市長の行動基準ってのはないのか」 「看護学校で中国語習って、 その人たちと合コンやって週刊誌載るなんて格好悪すぎ」 「勤務時間中に町田の市長選に出る人のためにメールを使っていたのは、 市の幹部じゃないか」 なんてつぶやきがあり、 意見としては 「行動基準なんていらない!」 というのが大方の… (いや私のかな) 意見でした。
 この文書を少し検討してみましょう。 まず 「全体的考え方」 の最初に書いている文章。 「行動基準は、 毎日の仕事を行うにあたっての拠り所ともなるものですから、 行動基準を教職員が自らのものとして、 捉えられるようなものであることが大切です。 この意味で、 行動基準の内容だけでなく、 その検討過程に全教職員が参加する機会を設けることが重要であると考えます。」
 こういう文章、 どう思いますか。 こういうのを 「反吐 (へど) が出る」 っていうんでしょうね。 だいたいここでは行動基準づくりが既定の事実となっています。 そんなこと誰がいつ決めたのでしょうか。 参加させてくれるんなら行動基準なるものが 「いるかいらないか」 からにしてほしいですね。
 だいたい、 これを書いている人がみえません。 どうも検討プロジェクト委員会というのがあるようなのですが、 どこにも委員の名前も所属も書いてありません。 そんな名前も言えないような人たちにエラそーに言われたくないですね。
 次に 「検討プロジェクトのこれまでの取組」 ですが、 これもまた気持ち悪い。 「行動基準は、 教職員が日ごろ、 どのような姿勢で仕事に臨むのか、 明らかにするものであるとともに、 何か判断に迷ったときの拠り所となるものです。 …」 どうして何の必然性もなく出されてくるものに姿勢を教えてもらわなければならないのか、 そして判断に迷ったときに 「拠り所」 にしなければならないのか、 わかりません。 自分なりの姿勢をもって私たちは仕事をしているし、 困ったときにどこの誰がつくったかわからないこんな胡散臭いものを拠り所なんかにしたくはないですね。 拠り所というのは、 一人ひとりが他人には言わずに静かにしっかりと自分の中にもっているものです。 よけいなお世話です。
 Q&Aを見てみましょう。 これもすごいですよ。 「コンプライアンスとは何ですか」 というやらせの質問に対し、 「コンプライアンスとは、 一般的に 『法令順守』 と訳されていますが、 『横浜市教育委員会が目指すコンプライアンス』 とは、 単に法令を遵守することにとどまらず、 子ども、 保護者、 地域からの要請や期待に応え、 保護者をはじめとする市民本意の目線にたった教育行政や教育活動に全力で取り組んでいくことだと考えます。」
 こういうのを拡大解釈といいます。 恣意的な意味付与ですね。 「横浜市教育委員会が目指すコンプライアンス」 なるものに私たちを勝手に巻き込まないでほしい。 私たちは、 ごく普通に法令を遵守して働いています。 法令を遵守していないのは教育委員会のそこここの部署です。 泊を伴う行事での深夜労働を放置していたり、 勝手に車通勤を禁止したり、 休憩時間が取れなくても知らん振りを決め込んだり、 うまくいかない新採用者に 「分限免職になるから依願退職願を書け」 などと違法な退職強要をしたり、 勝手に敷地内禁煙にしたり、 何がコンプライアンスですか。 法令違反で市教委が今抱えている裁判がいくつあるのか、 知っている人、 いますか。
 要するにですね、 上から下へのこういう書きモノは、 抽象的な倫理の押し付けになるのは大昔からの常識です。 今回はお上による綱紀粛正を 「みんなで決めてみんなで守ろう」 と目先を変えたに過ぎません。 今までは、 あの片手落ちの処分量定一覧によって私たちの行動は規定されましたが、 今度はもっと外枠から縛っておこうということです。 美しい言葉の裏には、 人間が人間を支配しようとする醜い意図が隠されています。 民主主義が人を支配する上での最高の方法であることを、 私たちはもう一度しっかり考えておかなければなりません。
 いいですか、 この行動基準を認めるということは、 今まで以上に倫理的に行動が拘束される、 あるいはしなくてもいいことを強制される、 そういうことにつながるということなのです。 私たちの最低の行動基準は、 法令で定められているように、 憲法を守って仕事をするってことです。
                                                                    (赤田 圭亮)
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