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横校労ニュース
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●独立組合・学校組合の全国情況
新たな出発点として 
― 第五六回 定期大会を終えて ―
   執行委員長 朝倉 賢司
 昨年は組合結成三〇周年を全学労組の夏季交流集会横浜開催として取り組み、 今春三月二九日新たなサイクルになる年を迎えるべく横校労第五六回定期大会を開いた。 今年は福田政権の成立下、 ○六年教基法の実体化進行、 横浜にあってはほころびが随所に見られるようになった中田市政と押尾教育長から田村教育長への交代といった情勢下での再出発である。

労使関係の現状
 情報革命による現代の産業革命は、 マクロ面では資本のグローバル化・多国籍企業化という経済活動の根底からの変容をもたらし、 ミクロ面では技術革新に即応した形での労働の大幅な変容を招いた。 これらに対応した労働者の管理・支配の方法・形態としての労使関係のあり方、 更には政治・経済の再編が進もうとしている。 小泉構造改革がこのような問題意識から出されたものの、 旧来の枠組みの中での妥協的改革の範囲であって竜頭蛇尾に終わり、 安倍、 福田と続く政権においては構造改革の流れは進んでいるとはいえない。
 今年三月施行の労働契約法をみても、 経済構造・労働形態の実態に対応させようとしたものであるが、 部分的な改革に留まっている。
 しかし、 これらがもたらしているものは、 旧来の労使関係を解体し労働運動の社会的影響力の低下を招き、 労働分配率の低下そして様々な格差の拡大なのである。

教育情勢と現場労働運動
 安倍前政権下ではかねてから自民党の目標とされていた教基法が変えられたものの、 変動する世界での基本的国家戦略が欠如していて教育の基本戦略も無きに等しい。 長期的な展望なしに、 次々と場当たり的な教育政策が出され変更されていく。 ゆとり教育から学力重視へ、 実態は 「ゆとりも学力も」 という動きにみられるように、 学校現場のいたずらな混乱と多忙化をもたらしているのが現実である。 現場を教育行政の強引な運営を可能にすべく、 校長権限の強化によって、 恣意的な学校運営や人事評価などでの教職員の分断、 職場の一体感の消失、 空洞化、 労働組合の組織率の低下・弱体化が進行している。 教職員の非正規雇用もこの現れのひとつである。

中田市政と教育行政
 二期目の半ばを過ぎようとしている中田市長は、 週刊誌で高秀前市長への背信や選挙関係での利益誘導等公私にわたり叩かれたが、 現在のところ行政執行に大きな影響を及ぼすところまでは至っていない。 横浜市を会社になぞらえ自らをその社長と呼ばせたがっているが、 二期目に強く打ち出してきた官民の 「協働論」 は、 結局は市行政が担うべき事業を市民の負担に負わせるだけで、 名目上の市行政の経費負担を軽減するためだけのものであることが明らかになってきている。 横浜国際競技場やこども科学館の命名権売却も市債減少のねらいで市民サービスの発想は後退している。 保育園の民営化、 子育てキッズなどは業者への利益誘導も取りざたされ、 子育て支援事業におけるサービスの実質的な低下と表面的な帳簿上の改善のみが先行している。 一期目の登場時に掲げられた分権論に至っては、 理念のみで実績は実を結んでいるとはいえない。 情報公開も分権論と絡んだものではなく、 市民の協力・参画を得るための手段であった。 中央直結・中央思考はむしろ強まっている。 市行政を、 利益を生み出す会社組織に変え、 会社の経営手法を導入しさえすれば良しとするのが中田市政である。
 文科省から呼び寄せた伯井元教育長は、 学校二学期制を手土産に元の省庁に戻り、 葛飾区での実績を引っさげた神尾前教育長は、 式での突然の横浜市歌導入と小中連携校指定等を目ぼしい成果とすることができただけで、 中学校不祥事の引責辞任といわれ事実上更迭された。 その後任には内部昇格で田村教育長が就任した。 早速小中連携については慎重な姿勢を示すなど変化がみられるが、 小浜新教育委員の就任とあわせ動きを見守っていかなければならない。
 昨今の市教委の動きは、 文科省の打ち出した政策を先取りする形で、 横浜の名前をつけ表面的な独自性をアピールするという従来の横浜の 「手法」 の繰り返しであるといえる。 小学校の英語教育導入もこの例である。 人的な動きでは核となる教育政策は文科省からの出向者に当たらせる形であるが、 東京のようなトップダウンの縦系列だけの運営にはなっておらず、 校長会を中心にした旧勢力の影響力を温存したまま運営されているといえる。 しかし現場からのボトムアップ的な動きは封じられ、 学校の空洞化は進みつつあり、 物言わぬ現場教職員は増えつつある。

労働組合として
 教育 「改革」 の名の下に、 学校現場における労働は質的にも量的にも変化が生じ、 学校現場での雇用形態や労働者管理はますます強まり、 その結果われわれ教育労働者を圧迫し、 人間らしい生活から遠いものに追いやりつつある。
 今こそ、 現場労働の変化に手をこまねいているのではなく、 労働組合の原則に立って、 反撃していく時である。 セグメント化され連帯することを阻まれた状況を打開していかなければならない。 我々は、 労働組合として、 圧迫され困難な状況に置かれた現場労働者の受け皿となっていきたいと思う。
 横校労は、 条件付採用者退職強要裁判や宿泊時勤務時間外の問題についての人事委員会闘争を今年も継続していく。 裁判は五月に判決を迎える。 職場闘争を基本に裁判や人事委員会の闘争も駆使し、 組合内外の多くの労働者とも連帯し今年も闘っていきたい。 共に闘おう。

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