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横校労ニュース
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●横校労の組織的な活動

過重労働の解消もリフレッシュも こんなものでは実現しない

―― 市教委発の 「通知」 と 「ニュースレター」 に申し入れ ――
 横校労は、 この夏休みに二本の申入書を市教委に提出した。

 一本は 「過重労働による健康障害防止のための産業医等面接指導について」 と題する市教委通知に対するもの。 この通知は、 改正された労働安全衛生法の施行を迎え、 長時間勤務者への産業医による面接指導の実施手順を定めたものである。
 これを読んで、 通知の内容と、 現場の実態との乖離の大きさを感じぬ職員がいるだろうか。 通知によって現場が変わると思う職員はいるだろうか。 例示された過重労働の解消がほとんど絵空事であることを思わぬ職員はいるだろうか。 何より、 この通知の内容をきちんと知らされている学校は、 市内にそもそも何校あるのだろうか。
 横校労の運動の大きな柱として超過勤務問題はある。 最高裁まで争った 「教員超過勤務裁判」 は、 敗訴ではあったが、 我々にとって大きな力となる文言を裁判所から引き出した。 市教委が勤務問題についての細則を通知等で示さざるを得ないのはその結果なのである。 その意味で今回の通知は、 超勤解消への取り組みとしての一歩前進ではある。 しかし、 余りに現場の実態を知らない内容だ。 申入書にはそれらを列記した。 加えて、 全校へのタイムレコーダーの導入を求めている。

 二本目は、 七月一四日付け教職員人事・企画部発で配られた 「ニュースレター第1号」 なる代物。 覚えておられるだろうか、 緑色のペーパーである。 「みなさま、 課業期間中、 大変お疲れさまでした!さて、 いよいよ夏季休業期間に入ります。 よく休んでリフレッシュ!ほんと健康管理も大事ですよ?」 との冒頭文からして、 要らぬお節介、 との印象を強く持ったが、 本来自由である年休取得の時期に口を挟んだり、 先程の 「過重労働」 通知に関し誤った記述があったりと、 お節介では済まぬ問題が認められるため申し入れることにした。
 申入書はこれらの問題点を書き改めた改訂版の発行を求め、 さらに発行の元にある働き方への認識を、 問い質す内容となっている。
 通知にもニュースレターにも、 「面接指導の手順は定めた」 「超勤解消を勧めた」 「健康診断受診を呼びかけた」 「校長に相談するよう言っている」 等々 「こっちはこれだけやっているんです」 という市教委のアリバイ作りとしか読めない姿勢を強く感じる。 本来市教委がやらなければいけない環境作りを校長に任せ、 校長が取り組むべきことを職員に任せる。 つまり最終的には職員の自己責任で一件落着、 というわけだ。 我々の追求は、 その姿勢にこそ照準を合わせている。
   (山本 理)

 横浜市教育委員会                     2008 年 8 月 1 日
 教育長 田村幸久様                  横浜学校労働者組合
                               執行委員長 朝倉賢司      
「過重労働による健康障害防止のための産業医等面接指導について」 (通知)
に関する申入書

 本年6月、 貴職は標題名の通知を全市の校長に出しました。 この通知は、 改正安全衛生法の施行を受け、 市教委が定めた 「横浜市立学校における長時間勤務教職員に対する面接指導実施要領」 の内容を知らせるとともに、 学校における長時間労働の改善に向けた意識の向上を促すことをねらったものと思われます。
 長時間労働による過労死や自殺が社会問題化する中、 本市にあっても、 精神疾患が原因の休職者が、 教職員に増大する傾向が止まらないことは貴職もよく把握しているところです。 疾患の起因のひとつに、 長時間労働による過労があることは常識であり、 そのことからも、 長時間労働の改善に向けた取り組みは、 改正された法の主旨を生かすためにも、 早急に進めなければいけません。 通知は、 その意味では、 問題の改善を図る上で一歩を進めたものと評価できます。 しかし、 果たして、 学校現場において、 通知が描くような取り組みが積極的に行なわれるか、 という点について、 現場に身を置く我々は率直に肯んじられない思いでいます。  
 そこで、 下記の項目につき、 貴職の見解を求めるとともに、 我々の要求も合わせて申し入れるものです。

(1) 貴職は、 市立学校の中から抜き取りで、 これまで 「時間外勤務の記録簿」 (第3号様式) を調査してきた、 と聞いております。 その結果はどのようなものであったのか、 また結果をどう評価しているのか、 貴職の考えを説明してください。
(2) 通知には、 内容を職場で周知徹底するよう求めていますが、 期日を切ってはいません。 その結果、 夏休みに入る前にそのような説明が行なわれた学校が半数にものぼらないことは明らかです。 貴職は周知が実行されたかどうかをどのようにして把握する積りなのか、 説明してください。
(3) 我々の知る範囲で 「時間外勤務の記録簿」 (第3号様式) を多数の職員が記録している職場はほとんどありません。 しかし、 定時で職員の大半が退庁する学校は皆無です。 超勤が常態化しているにもかかわらず、 3号様式上で超勤はない、 それが市内の学校の姿です。 つまり、 本通知を出した後も、 現場は、 例え100時間を超える長時間勤務者がいても、 記録上は存在しないのです。 この現状を貴職は把握しているのでしょうか。 少なくとも、 (1) に書いたような記録簿の調査を、 抜き取りではなく全市一斉に行なうのがまず実態把握の上で最低限行なうべきことと思います。 回答を求めます。
(4) 通知には加えて、 各校の実情に合わせ過重労働の解消に努める対策を求めています。 例としてあげられているのが 「定時退勤の日」 設置です。 我々の目から見ると、 このような対策が何の解消にもならないことは明らかです。 全体の仕事量が減らない中で定時に帰るということは、 簡単に言うと、 家に持ち帰って仕事を続けるか、 明日に今日の分の仕事を日延べし明日の超勤時間を倍加する、 ということです。 仕事量総量の減少こそが必要なのです。 無駄な仕事はないか、 貴職自らがその無駄に加担していないか、 そういう意味ある対策こそが求められるのです。 見解を求めます。
(5) 先に記したように 「時間外勤務の記録簿」 は現場では筆記の面倒さもあり、 記録されていないのが実情です。 これを変え、 さらに正確さを期すには、 社会一般で使用されているタイムレコーダーの導入が最も簡単なのではないかと思います。 全校にタイムレコーダーの導入を要求します。
  以上。

 横浜市教育委員会                    2008 年 8 月 18 日
 教育長 田村幸久様                  横浜学校労働者組合
                              執行委員長 朝倉賢司 
     
「教職員人事・企画部ニュースレター第1号」 に関する申入書

 本年7月14日付けで、 教職員人事・企画部は、 標題名の文書を全市教職員に配布しました。 その冒頭で、 この文書は教職員へ 「休暇などの制度や健康管理を中心とした情報」 を知らせるための情報紙であると位置づけ、 「定期健康診断」 「休暇」 「過重労働の面接指導」 の3点について 「情報」 を記述しています。 この数年間の病気休職者の増加を紹介したり、 制度に関する問合せ先を載せたりする等の文面を読む限り、 本レター刊行は、 多忙化が急速に進む学校現場の実態をふまえ、 その改善へ向けた貴職による取り組みのひとつの顕われであろうと、 我々には思われました。
 しかし、 内容を改めて検討すると、 果たしてそのような意図のもとに刊行されたものなのかどうか、 残念ながら、 疑問に思える箇所がいくつも出てきました。 そこで、 以下の点につき、 早急に回答を求めるものです。

(1) ニュースレターの 「Topics」 には、 教職員へ向け、 3点の呼びかけが書かれていますが、 そのAに 「長期休業期間中には休暇をとり、 日頃の疲れを癒してください!」 とあります。 後段の説明にも 「夏期休暇・年次休暇を取りましょう!!!」 「積極的に年次休暇も利用してください!」 「夏期休暇にプラスして年次休暇もとりましょう!」 等の文言が綴られています。
 夏期休暇の取得期間は限られていますが、 年次休暇には1年の期間があります。 その範囲内で、 休暇を何時、 どれだけの日数取るかは、 各人の自由に任されたものであるはずです。 貴職が年次休暇を夏季休暇中に取るよう呼びかける行為は、 どういう権限によるものなのか、 その根拠を明らかにしてください。 また、 そのような疑問を払拭するために 「長期休業期間中には休暇をとり」 の文中の 「長期休業期間中には」 の箇所を 「長期休業期間中にも」 と書き改めた改訂版のレターを発行するよう求めます。
(2) 同上の文中には、 年次休暇所得のために 「それぞれの学校で周りの職員と調整しながら、 交代で休暇が取得できる環境をつくっていきましょう!」 と書かれています。 年次休暇取得は個人の権利であり、 行使も個人の判断で行なわれるものであるはずです。 休暇取得ができやすいように調整するとしたら、 それは学校の管理者が全体を判断して進めるべきものでしょう。 しかるに、 この文面は、 それを一般職員に押し付けるものとしか読めません。 「交代で休暇が取得できる環境をつくって」 いくように、 管理者へ促すような文面に書き改めた改訂版のレターを発行するよう求めます。
(3) 「Topics」 のBには 「過重労働の面接指導が始まりました!」 とあります。 これは改正された労働安全衛生法を受け、 貴職が先般市立学校の校長へ通知した内容を指したものであると思われます。 しかるに、 この説明文には、 「時間外勤務等で疲れていると感じたら、 学校長に相談をしてみてください」 と記述されています。 (尚ここで使用されている 「学校長」 なる名称は法令上存在しません。 「校長」 の使用を求めます) 貴職の通知は、 長時間勤務も含め疲労度が進行している職員を校長が把握し、 面接指導の希望を本人へ確認するものであるのに、 ここでは本人が申し出るかのように変更されています。 重大な誤りです。
百歩譲ってそうでないなら、 この説明にあるような職員は、 校長がすでに把握していなければいけないわけで、 つまり、 校長の職務怠慢によって面接指導の機会を奪われているのですから、 当該職員が相談する先は 「人事・企画部」 であることは明らかです。 そのような文面に書き改めた改訂版のレターを発行するよう求めます。
(4) 本レターが顕わしたものは、 多忙化が急速に進む学校現場の実態をふまえた改善への取り組み、 などではさらさらなく、 健康診断受診も休暇取得も面接指導も、 どれもこれも職員一人ひとりの自己責任である、 という貴職の認識なのではないかと我々は考えます。 上記3点の申し入れはその貴職の認識を明らかにするよう求めたものであります。 今現場に必要なことは、 多忙化の進行を止め、 ゆとりを持って働ける環境の再構築であることは言をまちません。 そのような内容のものを今後発行されるよう要望するとともに、 もしそれが無理なら、 「不定期情報紙」 と自己規定する通りに、 これを最後としていただくよう求めるものです。
  以上。

 

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