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横校労ニュース
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二〇〇八年全国学校労働者交流集会報告 
学校≒格差社会、 働き過ぎっちゃ   闘うっちゃ
〈もっととおくへ ・・・ 〉のTシャツを着て 「君が代・日の丸」 強制反対のココロ裁判を闘い続けてきた北九州がっこうユニオン・ういの地、 横浜に伯井教育長が文科省の出向で来る何十年も前から十代にも渡って文部省キャリアの教育長が続く最悪の状況下で、 学校現場に内心の自由を求めて憲法闘争 (第一九条思想及び良心の自由はこれを侵してはならない) を闘ってきた北九州を訪ねる。 それは大きな楽しみだった。
 しかし、 開会の全体会で 「基調の・ようなもの」 として 「うい」 の竹森さんが話されたのは、 〈警備員が警備会社へ委託となり、 給食調理員がパート労働化され、 市費事務職員は正規職員が非常勤雇用へ、 さらにはALTという外国人講師は派遣会社の直接雇用で派遣される。 正規の教職員が病気休職に入っても常勤の講師すら来ず、 主幹制度や指導教諭といった中間管理的役職だけが増員され細分化されている〉学校現場の変化に対しても、 自立的に闘って来られたこと。 さらに〈まやかしの 「ゆとり教育」 の過程に私たちの教え子としていた子どもたち、 あるいは 「不登校」 と言われた子どもたちが今、 社会に対する抗いの声〉として〈高度経済成長期に育ち、 「働くこと」 が当たり前のこととして目の前にぶら下げられたまま走り続けてきた私たち世代の 「働き方」 の問題を、 「働きたくない」 「働きたくても働けない」 状況からスタートする世代としての 「働き方」 「闘い方」 をぶつけ〉あおうとしているということだった。 ユニオン北九州との地域共闘の話も印象に残ったが、 ういの運動の巾広さを改めて知らされ、 感動した。
 思索のバトルを楽しんで下さいと始まった全体会で発表された 「フリーター/非正規雇用労働者ユニオン福岡」 の若い世代の人たちからの報告にはとまどった。 個々人の話は理解できたが、 それが労働者運動とどうつながっていくのかは、 情ないことに整理できず、 問題意識を持つにとどまってしまった。
 翌日の全体会では新任免職処分撤回裁判を闘っている井澤さんと大阪夕陽丘学園の不当解雇・不当処分撤回裁判を闘っている寺田さん・間崎さんからのアピールに激励の拍手が起った。 格差社会が進む社会に抗してさまざまな闘いが行なわれていると思った。
 最後に、 千葉労校合同と埼教労から来年の埼玉集会への熱い呼びかけがあって、 来年の結集を胸に、 閉会した。
 しかし、 まだ楽しみは続く。 清張文学館、 門司港、 壱岐 ・・・ ういの皆さんありがとうございました 御苦労さまでした  (田中 敏治)

第一分科会
「学校での働かされ方・働き方」
 第一分科会は、 A・B二つのパートに分かれ開かれた。
 参加したBパートでは、 「実施九年目 東京都の人事考課制度」 (アイム89 ) として、 導入時には 「子どもたちが、 楽しく伸び伸びと学ぶことができる学校づくりを」 するために 「学校に求められていること」 だとされた。 しかし、 都教委のいう 「学校教育が直面している困難な教育課題の解決」 とはつながらない内容であることが益々はっきりしてきた。
 主幹制導入から、 都教委は今度は主任教諭導入を打ち出し、 統括校長・校長・副校長・主幹・主任教諭・教諭の六段階に細分化し給与もいっそう格差を設けようとしている。 今や主幹、 管理職の希望者自体が激減し、 志願者は二年間で約一〇%減となり、 青田狩り的に管理職志向が少しでもありそうな若者を囲い込むための制度にすらなっている。 児童生徒の実態や実践よりも報告書等を 「書くこと」 が目的になっている現場実態があることや、 さらに管理職へ締め付けも強まっている。 自己申告書の不提出や記載内容による人事評価制度闘争は厳しいものがあるが、 開示と苦情相談制度の改善・利用も使っての闘いが紹介された。
 次に 「非正規雇用学校労働者の実態報告」 として、 全学労連から各自治体による非正規雇用者の離職期間に違い=継続雇用をさせない施策の違いが、 浮き彫りにされ、 大きな格差の存在が確認された。 これから闘う方向性をいま一度明らかにするうえでも重要な示唆であった。
 大阪からはレポートとして人事査定制度における自己申告書不提出闘争、 静岡の教員評価の実態について報告がなされた。
 また、 北九州市立の中学校元教頭から、 自身が校長の恣意的人事評価・インチキ報告により分限降格処分を受け、 人事委員会、 民事裁判で闘っている報告があった。 でたらめな人事政策が横行している北九州市における人員整理政策の実態を示すものであった。   (朝倉 賢司)

第二分科会
「日の丸・君が代」 と国家主義教育との闘い
 一日目、 全国に先駆けて行われる横浜版学習指導要領、 その背景にある経団連の動きを横校労から報告した。 主な内容は、 二学期制の時と同様に、 取り敢えず 「良いことだらけの内容」 を宣伝し、 条件整備はすべて後回しであること。 実際、 横浜版指導要領の冊子を見ると、 たくさんの砂糖菓子のような言葉を羅列しながら授業増についての部分はほんの数行しか触れられていない。 特に問題なのは総時間数である。 国の指導要領の小学校での九八〇時間に二〇時間上乗せした横浜市は一〇〇〇時間、 冊子の小学校の例示は更に三九時間上乗せした一〇三九時間。 単なる例示とはいえ、 小学校はそれに倣う傾向にあるから、 時間数を確保するためには、 夏休みを削ることになってしまう。 実際、 新聞によると、 神奈川県でも一〇%の学校が夏休みを短縮する取り組みをしているし、 夏休みを短縮する代わりに、 家庭訪問の時に担任以外が (例えば専科が) 授業をしている所もある。 さらに横浜版指導要領では、 夏休みが無理なら土曜日に授業を行おうとしている。 横浜市教育委員会は、 管理運営に関する規則等を改正し、 土曜日に授業や行事をした時の振り替え休日を夏休みに持ってこようとしている。 他、 読書活動・学校図書館の充実を謳いながら、 毎年学校図書費を削減したり、 公立図書館に指定管理者制度を導入しようとしている。
 二日目、 各組合からの報告と討議。 北九州から、 教育委員会が出している冊子 (音読と暗唱教材) ひまわりについて、 現時点ではたいした内容ではないが、 この中に復古主義的な内容が入ってくる危険性があると報告があった。 大阪からは、 門真市 「門真三中・四中」 における 「君が代」 問題。 産経新聞の報道からエスカレートしていった問題の経緯。 最後に、 ユニオン 「うい」 からココロ裁判の報告。 今問題になっているのは、 委員会が 「処分する際の会議録がない」 という点。 他、 天皇即位二〇年祝賀行事を経団連の御手洗が中心になり超党派の国会議員を準備している等の報告があった。
(深澤 裕)

第三分科会
独立組合の闘い方
 例年、 この分科会には二〇名近い参加者があり、 全国各地からの闘いの報告でにぎわってきた。 「すごいな」 「自分もがんばらなければ」 そんな思いに駆り立たされる雰囲気があった。 しかし、 今年はその様相を一変させ、 わずか八名と寂しい限りである。 話題も 「独立組合は生き残れるのか」 「組織の拡大、 活性化をどう図るのか」 という組織問題に集中してしまった。
 レポートは 「研修権裁判提起までの日々」 (きょうどう愛知) と 「学校ユニオン埼玉という生き方」 (埼玉教育労働者組合) の二本、 資料提供として 「組織拡大の取り組み」 (アイム89 ) があった。
 昨今各地で長期休業中の教員の研修に対する縛りが強くなっている。 愛知でも研修計画書及び報告書に厳しい条件が付けられ、 校長裁量の幅が拡大され、 研修を認めない方向が強まっている。 そこで組合予備交渉を設定する。 校長が拒否すれば措置要求や裁判訴訟にも取り組み、 成果を上げている。
 埼教労は〇四年に四組合合同で 「学校ユニオン埼玉」 を結成し、 組織の拡大と運動の発展を模索している。 県教委への窓口が開けるようになり、 新たな課題も担うことができている。 しかし、 それが埼教労自体の発展に繋がっているとは言い難い。 独立組合の生き残り策として今後も模索が続くであろう。
 そんな中で、 アイムに組合加入した新採用二年目のIさんに視線が向けられた。 「組合に入らなければ ・・・ 職場のアイム組合員を見て ・・・ 加入をきめた」 とのことである。 やはり、 職場で独立組合員一人ひとりの生き様と合わせた取り組みの姿を見せることができるかどうかが勝負となるであろう。 まだ、 組織拡大の芽は絶えていないようだ。
  (針谷 秀雄)

第四分科会
学校現場の有期雇用労働者
 一くくりで 「有期雇用労働者」 と呼ばれるが、 その内訳は実にさまざまで、 参加者の中にも継続雇用を課題とする非常勤・臨時任用労働者や、 定年後の生活設計を模索する再任用・再雇用労働者 ・・・ そして今年は 「働きどめ」 と戦ってきたいわゆるフリーターの人たちが初めて参加した。
  「生活保護」 より 「最低賃金」 の方が安いため、 「働くことは即善」 ではなく、 「働かない」 という選択肢も取らざるを得ない。 また継続雇用を勝ち取っても結婚や老後の生活が保障されない (ステータスのない) 職場が相手では、 「働き止め」 に対する戦いとして、 当面団体交渉の場で交渉能力や労働者性を磨きながらも、 職場復帰が最大の課題ではなく、 経営者に 「首切りは高くつく」 と覚悟させる意味でも 「金銭解決も辞さない」 との彼らの思いや訴えは実に新鮮で、 それだけショックなものであった。
 今まで 「団塊の世代」 の一人として例えば、 主任制闘争や年休権行使だけでなく、 常時雇用の立場から 「水泳指導の時は大変なので、 支援が欲しい」 といった種の要求もかかげ、 労働問題を戦ってきた自負があった。 が、 常時雇用の立場からの労働問題も、 非常勤雇用労働者から 「水泳指導の時だけ働くことになる有期雇用労働者の生活を想像したことがあるか」 とのするどい指摘がなされた時、 世界的規模の背景として一人団塊の世代だけでは戦い切れない 「グローバリズム」 があったとしても、 あきらかに今までの既存組合が見落としてきた労働問題があったのだと思い知らされた。
  「厚生労働省は、 三五歳未満の非正規雇用者を試用する企業に助成金を支給する若年向けのトライアル雇用について、 対象年齢を広げるという。」 その一方で、 有期雇用の議員たち。 「一二県・政令都市で長期欠席議員に満額報酬 (五年で一億六四〇〇万円)」 が報道された。
  (岡 健朗)
第五分科会
子どもと親の現在
 まずアイム89 の向井さんのレポートから。 「格差社会が学校にもたらしているものは何か」 それは新自由主義教育改革の中での公教育の現状 (学校教育の市場化・コンビニ化) そして不安定な労働の状況から生み出される家庭の格差の拡大とその中で生きる子どもたちの不安とストレスからくる現象。 まさに佐々木賢さんの言う 「教育問題は実は社会問題である」 ことを納得させる報告だった。
 さらに道岡さんのレポートでは東京都市部の例として、 中流下層混在型と下層集中型の二つの学校現場がより具体的に報告された。 混在型であると学力も二層に分かれ、 保護者も学校批判・高い学力要求派と無関心派に分かれる。 が、 時に学校批判では団結し退職する教員が続くことも。 集中型になるとこの学校を選択しない子が多くなり、 子どもの数が激減する。 学力低下と学校崩壊へ向かうスピードが速まるという現実が出ている。 まさに湯浅誠さんの言う 「貧困の連鎖」 である。 すべり台社会で、 貧困家庭に不利益から逃れる条件がなければ次世代に引き継がれていくという説を実証している。 この集中型の現場で多忙化し疲れきる教員たちの姿が浮かび上がった。 分科会参加者は各地から来ていたが、 どの職場でもこの格差からは逃れられない。 また私の家庭でも、 私たち親世代は教員を続けた事で貧困層をまぬがれたとしても次世代の子どもたちは低所得層。 「自分の子どもたちに学歴を得るためにもっと教育費を払ってくれと要求されても、 自分たちはとうてい出来ないと同世代の友人たちと話している」 と語る我が子。 「みんな先は不安だって言ってる」 とも。 これから先もっとたくさんの貧困家庭が出現するはず。 ずい分以前私が 「教員はサービス業」 と言ったら同僚のヒンシュクを買ったが、 今やますます教員はサービス業に精を出す。 この先、 学校の中だけで何とかしようという視点は持たずもっと醒めていて別な視点を持って、 不安を少なくする生き方は見つけられるのか ・・・ ? (森下 秀子)

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