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●横校労の組織的な活動

「研修」 をねじ曲げる市教委に追随するな!

――長期休業中の 「自己啓発研修」 問題について――

*奇怪な浜教組文書
 また与太話から始まるのだが、 一〇月の初めに知り合いの分会長から一枚のコピーもらった。 読んでくれと云う。 発信人は浜教組執行委員長だ。 文書は 「日頃より浜教組の活動にご理解・ご協力いただきましてありがとうございます。」 と始まる。 ふーん、 校長宛の出張依頼文かと思い宛名人を見ると、 「分会長」 宛だ。 本部からすると、 なるほど分会長というのは、 浜教組の活動に 「理解と協力」 をする立場なのだ。 組合活動は本部がしっかりやり、 分会長以下分会員はそれを理解し、 協力して支えていくというわけだ。
 コピーを送ってくれた彼の意図は、 しかしこの書き出しではなかった。 「さて、 長期休業中の研修につきまして、 かねてより効果的で、 適切な研修となるよう夏季休業前にYTU・EXや連絡文書でお知らせしてきました。 また二〇〇六年度には記入例を作成し、 全組合員に配布してきたところです。」 と続く。 報告書と計画書の必要な職専免承認研修のことだ。 二年前、 確かに浜教組は、 研修計画書の文例を配った。 大組合としては、 市教委交渉をバックに立てる戦術としてはそれなりに理にかなったものだった。 どれだけ組合員が利用したかは別としても。
  「しかしながら、 この間、 社会状況の変化から長期休業中の研修については以前にも増して大変厳しい目が向けられ、 研修内容や研修場所についても必然的に説明が求められるようになっています。」 市民が教員の研修についてどれほど関心を持っているのか、 それを裏付ける根拠すら示さず、 「厳しい目」 を代弁してしまう組合幹部。 ため息が出てしまう。 教員の研修についての市民からの情報開示請求など、 ほとんどない。 横校労は確かめた。 「厳しい目」 を向けているのは、 市教委であり、 浜教組幹部はその代弁をしているに過ぎない。
  「以上のようなことから、 浜教組が作成した、 記入例についても誤解を招く内容があると判断し、 活用を中止していただくとともに、 破棄してくださるようお願いします。」 まぁそう判断したならしかたがない。 どれほどの組合員が使っていたか、 想像もつくから。 だが、 そのあとはまずいでしょう。 「なお、 浜教組は、 長期休業中を含め、 教職員としての資質向上のため積極的に研修を行っていく必要があると考えています。 今後も効果的で、 適切な研修の取得を進めていただけるようお願いします。」 破棄しておいてその後の方針は全く示さず、 現場へまる投げ。

*すぐに使えるような成果物が出るような研修は研修ではない
 コピーを送ってくれた分会長は 「こんなもののために俺たちは毎月五〇〇〇円も払っていると思うと、 情けなくなる」 と書いている。 横校労だって八〇〇〇円も払ってどれほどのもん?という意見もあるが、 それにしてもこの文章、 私には末期的としか映らない。
 この浜教組文書は、 この夏、 市教委労務課が 「勤務状況に関する訪問ヒアリングと県定期監査実施にともなう事前調査」 として市立小、 中、 特別支援、 高校の中から抽出で行った服務関係の抜き打ち調査と連動していることは明らかだ。 この調査のなかで市教委はあちこちで散見された 「年休 (一時間) +三時間の研修職免」 「年休 (五時間) +三時間の研修職免」 を問題にしており、 書き直しを命じている。 これは、 「研修職免の申請時間を意図的に四時間未満として、 職専免承認研修計画書・報告書の提出を免れようとしていると対外的に誤解されかねません。」 (〇八年一〇月二一日付) として、 職専免研修を逃れるための便法であり、 認められない、 というのだ。 そのうえで、 お手本になるような計画書や報告書があれば、 提出して欲しいと校長に伝えている。 つまり浜教組の指示は、 市教委のなまくらシュートを巧妙にアシストしているのだ。 一方にすぐに授業に役立つような 「成果物」 をもたらさない研修は、 認めないという市教委の姿勢があり、 それを下支えするのが計画書であり、 報告書であるからだ。 内容のはっきりしない研修はまかりならんということだ。
 市教委の意図は明らかだ。 教員は、 四時間未満の自己啓発研修と年休を合わせて長期休業中一日単位で“都合よく”休んでいる。 ほんとうに研修の必要があるならば、 計画書を出させるべきだ。 だからと言って浜教組がつくっている例示集などに載っているものはダメだ。 もっと時間をかけた具体的且つ成果の期待できるものを提出させるべき。 それが出来ないなら、 年休をしっかり取れ。 それはそれで取得率アップは、 労務的には意義のあることだから・・・。 とまぁ、 こういう感じだろうか。

*法律の意義を自らねじ曲げる市教委
 ご存じのように本年七月一四日付で発行された 「教職員人事・企画部ニュースレター第一号」 には、 「長期休業期間中には休暇を取り、 日頃の疲れを癒してください」 とある。 意義のない研修より年休を!というのが私たち職員に対する市教委の姿勢なのだ。
 よくよく振り返ってみよう。 教育公務員特例法に定める教員の研修は、 「教員は授業に支障のない限り、 本属長の承認を受けて、 勤務場所を離れて研修を行うことができる」 (二二条二項) が基本。 一九四九年に定められたこの法律は、 戦前の国家による教育を一身に担ってしまった教員という存在を、 「教育の自由」 を担う存在にかえていくための重要なものだったのだが、 戦後、 裁判所の狭い法律解釈とそれに乗じて目先の管理しかアタマにない官僚たちによって、 六〇年近くかかって法律のもつ意義を骨抜きにしてきたのだ。 教員には、 常に研修をする義務があり、 その内容については行政や管理職は基本的に介入できない、 というかたちをつくることで、 「教育の自由」 を保障してきたのが、 法律の本筋。 教員もまたその線に沿って、 とやかく言われないような内容を研修してきたのだ。
 市教委が、 ここまで重箱の隅を突っつくように杓子定規にやろうとするなら、 教員の日常的な超過勤務を 「違法状態」 のまま放置していることをどうにかするべきだろう。 宿泊行事における深夜勤務もしかりである。 それらを放置しておいて、 研修だけを縛ろうとすることが、 どれほど現場の仕事に対するモチベーションを下げているのか、 一度田村教育長は一ヶ月ほどの“現場体験実習”をやってみたらいかがだろうか。 どこでも受け入れ体制は十分あると思うのだが。
 横校労は、 既にこの件で申し入れを提出している。 市教委に言われれば、 自らの方針を撤回して、 そのまままる投げするようなことだけは、 したくないからだ。
                                                 (赤田 圭亮)

 

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