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主幹教諭になっていいこと、 悪いこと!?

 またまた電話で失礼します。 (略) 転勤して三年目になるのですが、 先日校長から主幹教諭をやってみないか、 と言われました。 「いずれ先生も管理職試験も受けなければならないしね」 とも言われました。 (略) まだ四〇歳になったばかりで、 正直そんなことは考えていなかったのですが、 言われてみるとけっこう悪い気はしないし、 私もそういう年頃になっちゃったんだな (笑)、 なんて思ってしまいました。 来年は学年主任だそうです。 仕事は嫌いじゃないし。 (略) 赤田先生の書かれているのを見ると、 何というか黙ってなっちゃっていいのかな、 とも思います。 こんなことを書くと前みたいに、 「んなこと自分で決めろよ。 相談なんかするな」 っていわれそうですが、 二まわり以上の赤田さんから見て、 私が主幹教諭や管理職が務まると思いますか。 (略) それから主幹教諭になっていいこととよくないこと、 教えてください。 (略)
    (中学校教員・男性・40歳)

 相変わらず率直というか、 軽いというか。 もう四〇歳になるんだ。 早いモンだね。 主幹教諭にならないかって言われたって?それじゃヘータイで言わなくても、 私より階級が上になるということだ。 これからは、 敬語で話さなくちゃいけないか。 「そうですね」 じゃないだろう (笑)。 主幹教諭になって、 いいことをまず教えてあげよう。 @給料表が変わる、 つまり給料が増える〜これは、 どう言えばいいだろうか。 たとえて言えば、 新人の時はみないっしょに各駅停車に乗る。 時間が経つと、 途中駅で副校長という急行電車に乗り換える人が出てくる。 その人はそのうち校長という特急電車に乗ることになる。 でも多くの人はずっ最後まで各駅に乗り続ける。 主幹教諭というのは、 早く副校長急行に乗るためにまず 「準急」 に乗るということだね。 給料表が違うということは、 階級が違うということ。 試験も何も受けなくても校長の一存で一階級に上がるんだから、 かなりお手軽だ。 副校長と校長が課長、 課長補佐なら、 主幹教諭は係長で私たち教諭はヒラということだね。 当然早く主幹教諭になればなるほど、 同じ年齢の 「各駅組」 とはどんどん差がついていく。 私ぐらいでも月に一万円以上差がついているよ。 自分の子どもにも 「お父さんは、 フツーの先生じゃないだよ。 シュカンキョーユなんだよ」 と言える。 笑っているけど、 意外に名前で満足している人もいるんだよ。 転勤の時だって、 訃報にだって主幹教諭と載るし、 四月から口の利き方が変わったって人もいるんだから。 なに?赤田さんはいつもエラそうだったって?あのね、 うるさいよ。
 あとは、 A校内の重要なポストで仕事が出来る。 あと何年かすれば、 主幹教諭で学級担任という人は、 いなくなるだろうね。 校長、 副校長に主幹教諭が集まる会議が毎朝開かれるだろうし、 校内の重要な決定はそこで行われるようになるだろう。 学年の意向なんてどんどん軽くなるはずだ。 B管理職試験を受ける資格が与えられる。 今までは、 管理職が 「君、 どうだ、 そろそろ」 なんてテキトーに選んでいたけど、 これからは副校長になるには主幹教諭でなければならない。 どこに転勤しようが主幹教諭は主幹教諭だから、 今までのように上が詰まっていたり、 年限が過ぎて転勤になるとまた一から出直しだったけど、 今度は違う。 主幹教諭になれば、 つねに急行に乗る権利があるということだね。 C主幹教諭になると、 六年の在校年限をのばすことが出来る、 というのもあるけれど、 そのためと思われるのも本人は辛いかも。
 逆にあんまりよくないことを挙げてみよう。 よいことの裏返しの面が強いけど、 @給料が高い分だけ、 期待も高いということ。 自分を主幹教諭にしてくれた校長の下だけで働くわけではなく、 ウマのあわない校長の下でも働くことになる。 校長によっては期待の中身が違ってくる。 能力評価って言ったって、 それほど客観的であるはずないんだから、 まわりの我々各駅組からも 「もうちょっと仕事しろよ」 なんて言われるかも知れない。 君なんか部活動をやっているから仕事しているって勘違いしているタイプだから、 あぶないな。 とにかく周りの視線はけっこう厳しいかもしれない。 勘違いしてはいけないのは、 主任は校務分掌名のひとつで校内の役割分担なんだけど、 主幹教諭は 「職名」 であって属人的なもの、 そのままどこまででもついてまわるものだということ。
 それからA途中乗り換えは難しいこと。 いったん主幹教諭になったら、 自分で降格を言い出さない限りずっと準急に乗っていなければならない。 やっぱ各駅がよかったな、 なんて思っても、 わたし、 乗り換えます!っていうのは簡単じゃない。 まして、 けっこうな給料をもらっちゃっているから、 家でも降格は言いだしにくい。 校長になれずに何年も副校長をやっている人がいるけれど、 あれに近いものがあるわけだ。
 最後に一番大事なこと。 学校教育法、 覚えている?校長の職務は、 「校務をつかさどり、 所属職員を監督する」 副校長 (教頭) の職務は、 「校長を助け、 校務を整理し、 及び必要に応じ児童・生徒の教育をつかさどる」 だったね。 だから、 校長には免許をもたない民間人校長がいるけれど、 民間人副校長という人はいないよね。 さて、 では私たち教諭は、 「児童・生徒の教育をつかさどる」 のが職務だ。 そうなるとB主幹教諭の職務内容は 「校長を補佐しながら児童・生徒の教育をつかさどる職」 ということになるのだ。 この間の文部科学省交渉でのことだけど、 若い役人が教員の出退勤記録や時間管理については主幹がやってもいいんだ、 みたいなことも言っていた。 労務管理が仕事なら、 地公法55条との兼ね合いもある。 ま、 文科省からすれば第三の管理職だってことだね。
 現場でも、 もういろいろなぎくしゃくが起こっているのを聞いているよ。 まだまだ、 これからどんなことが起こるかわからないから、 この紙面に【主幹教諭の日々】みたいなコーナーをつくって投稿を募りたいものだね。 私は、 先月号にも書いたけど、 この主幹教諭制度と新昇給制度が、 わずかに残っていた行政職とは全く違った教員の独特の働き方〜互いに隙間を埋めるような〜が完全に払拭されていくだろうと考えている。 君とも生徒指導でずいぶん遅くまでいっしょに仕事をしたことがあった。 苦しかったけれども、 老いも若きもどこかに紐帯のようなものを感じあっていたのではないだろうか。 そういうものはこれからはあまり期待できないということだ。
 さて、 最後に君が主幹教諭や管理職が務まるかって質問だけど 「?」 ですね。 教員の世界だって君のようにぼーっとしている人ばかりじゃないんだよ。 人がいいだけで管理職が出来る時代じゃ、 もうないんだよ。 もっと目端の利く、 目から鼻に抜けるような人でなければ務まらない。 それに私なんかに相談しているようじゃ先は望めないな、 悪いけど。
                                                            (赤田 圭亮)
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