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横暴な管理職の振る舞いをやめさせるには?

 いつも『横校労』を送っていただき、ありがとうございます。些少で恐縮ですがカンパを同封いたします。(略)そんな状況で、組合の中枢は行政と距離が近く、私たちの要求はなかなか実現しません。特に管理職の横暴な振る舞いによって療養休暇を余儀なくされたケースなども、組合幹部は、その先生の方にも問題があったのではないか、校長が原因だという確証があるのか、と逆にこちらを追求する始末です。(略)私としては、今の組合にお金を払い続けるのも嫌になっているので、自分たちで新しい組合をつくることも含めて考えています。(略)ただ別組合をつくるのは利敵行為だという批判もあります。(略)何かアドバイスをいただければ嬉しいのですが。
  (某県・小学校教員・37歳)

 組合の存在自体が、闘いの桎梏(しっこく)となっているケースというのは少なくありません。横浜でも、日教組傘下の浜教組を、私たちは学歴社会になぞらえて「組合歴社会」と揶揄していた時期があります。書記長がそのまま教育長になったり、執行委員長が行政の役人になったりしたことだけでなく、組合役員を経ると、必ず校長になれるというシステムが機能していた時代がありました。労働組合が、つねに労働者の側に立っているというのは、幻想です。管理職輩出装置となっている教員組合は、全国にいくつもあります。組合役員の立場で日の丸・君が代に反対していた教員が、翻って校長になると、日の君つぶしに奔走するなんて話は、捨てるほどあります。
 前置きが長くなりました。あなたが闘おうとする場合、やはり組合をつくるのがいちばんだと思います。利敵もクソもありません。黙って組合費を払っていることこそ、利敵行為だと私は思います。
 まず地方公務員法をみてください。第五二条に「職員団体」という項があります。民間の労働組合は、労働組合法に規定されますが、公務員の組合の場合は「職員団体」として地公法に規定されます。人数や数についての言及はありませんから、職員団体はいくつあってもいいし(横浜でも、浜教組のほかに横校労やがくろう神奈川などの事務職員の組合や浜管組のような管理職組合もあります)、人数も何人以上という規定はありません。まぁ、常識的に考えて最低三人いればOKでしょう。「つくる」という意志決定が参加者で確認されたら、@名称A目的及び業務B事務所の所在地C構成員の範囲などD役員規程E会議や投票規程F財政などを文書にして、人事委員会か公平委員会に登録を申請します。不備がなければすぐに登録されるはずです。また職員団体を結成することによって何らかの不利益があることに対して、第五六条は不利益取り扱い禁止を明示しています。これで、「当局」となる教育委員会や校長と交渉が可能になります。職場で分会がつくられた場合は、当局は校長であり、分会役員が交渉に当たることになります。分会がない場合でもいくつかの学校で支部をつくり、交渉することができます。私が、支部役員としていろいろな学校に行くのは、こうした根拠によるものです。
 ですから要求によって、ひとつの職場で「職員団体」を結成することも可能ですし、いくつかの職場の仲間や、例えば養護教諭だけで結成することもできます。つくっておいて必要なときだけ活動し、あとは休止状態にしてもいいし、ある意味、極めて自由なつくり方ができるかたちになっています。というのも、この地公法の「職員団体」の考え方は、戦前、執務時間さえ明確でない公僕であった公務員を、戦後も一般の労働者と区別し、労働権を制約する代わりに、勤務条件についての要求、交渉ができる、いわばガス抜きのシステムと言えます。
 旧来、当局と職員団体の円滑な関係を維持するためという目的から、当局は交渉の準備行為としての組合の期間会議を職免にて行うなどの便宜を図ってきましたが、現在全国的に、法を極度に狭めて解釈するようになってきています。法の趣旨からすれば、職員が職員団体を結成して勤務条件等についての要求をまとめてくれるのは、行政にとって非常に便利なことであったのに、おかしな話です。理屈もクソもなく組合に対して強硬な姿勢をとると、行政内部で評価が上がるという乱暴な体質が教育行政にはびこっています。横浜でも、要求書の店ざらし、開始時間の勤務時間外化、交渉時間の制限、回答が難しいと担当者が姿を見せず、労務課が代わりに回答するなど、姑息なやり方が目立ってきています。これでは土俵を外へと移さざるを得ません。
 職員団体−教育委員会で交渉が成立しない、あるいは解決にほど遠い場合、いろいろな方法がありますが、ひとつには「措置要求」があります。これは、同じ地公法の第四六条に「勤務条件に関する措置の要求」という項に書いてあります。職員団体が、団体で行う勤務条件改善だとすれば、こちらは個人で行う勤務条件改善のシステムということになります。これは、書式に則って、要求を端的に記入し、人事委員会か公平委員会に提出します。例えば「校長が、休憩時間を保障しようせず、放置しているのを改善して欲しい」とか「管理職の理不尽な言動によって著しく体調を壊しているのを改善して欲しい」などなど。職場を管理している管理職自身が、職場の勤務条件を悪化させていることも多いもの。審査によっては、双方の意見を聞いたりする場合もあります。最終的には「判定」がでます。
 私は、古くは「適切な配慮」を求めて措置要求し、負けの判定をもらいました。そこで「判定取り消し訴訟」を起こし、最高裁まで争いました。裁判では負けましたが「適切な配慮については校長に裁量権がある」との結論を得ました。また、「泊を伴う行事」の勤務時間をめぐって措置要求し、その過程で結果として市教委が「一ヶ月を単位とする変形労働時間制」の導入を決定、措置要求を取り下げてほしいと市教委からお願いされたこともあります。
 このように職員団体も措置要求も、どちらをとるということではなく、要求に応じてどちらも「使う」ことが大切です。日々の怒りや悔しさは、放っておけば薄れていくもの。持続して闘うためには、怒りを力にするための方法論が必要です。
                                                               (赤田圭亮)
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