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「横浜版学習指導要領」 は悪代官のゴリ押し要求だ!!
 ―思いつきで進めるだけの横浜市教委―

 「横浜版学習指導要領」 の 「総則」 と 「教科」 の内容説明会が二月中旬に行われた。 「総則」 や 「道徳」、 「総合的な学習の時間」 「特別活動」 などは平成二一年度からの先行実施されるものである。 「各学校の教育課程の運営・改善に資することを目的」 とするためとあるが、 本当に役立つものなのかどうか、 説明をうけての報告をまとめてみた。
    (編集部)

 一月一九日、 NHKの朝のニュースが 「横浜市が小中一貫教育、 全四九一校で一二年度から」 と報じた。 これを受けて夕方TBSイブニングニュースが、 そして朝日と日経が夕刊であとを追った。 多くの学校関係者は、 またぞろ市教委幹部がマスコミ相手にぶちあげたのだな、 と勘ぐった。 しかし前日は日曜日、 事故や緊急事態でなければ記者会見は行われない。 とすると、 この報道は市教委内部からのNHKへのリーク。 事実、 報道当日、 授業改善支援課は 「記事解説」 を関係機関へ送達。 問い合わせが殺到したことが予想できる。
 このリークをどう見るか。 現場にいる一教員の目からはなかなか見えにくいのだが、 ふつうに考えれば横浜の 「小中一貫教育」 をフレームアップし、 注目させたい勢力が市教委内にあるということ。 品川とも違う小中一貫教育カリキュラム、 その目玉は四九一校全校での実施だ。 NHKはその後も霧が丘小中学校などの取材を行っている。 私は、 この策謀?の根源は、 地元YK&HK系勢力ではなく、 外部から入ってきたMK系 (笑) 勢力の仕業ではないか、 と踏んでいる。 もう一つのリークからもそれが読み取れるのだ。
 二月二日の教育委員会議。 この日 「道徳推進教師の配置について」 という協議事項があった。 〇八年三月の学習指導要領の告示により、 〇九年四月一日より校長が主幹教諭の中から一名を指名して道徳推進教師を配置するという案件である。 委員からいくつか意見は出たが、 そのまま通過。 この日、 マスコミの傍聴はゼロ。 しかし三日後、 の読売新聞一紙が 「小中学に 「道徳」 推進教師〜全校で新年度から市教委〜」 と打ち、 記事の最後で小中学校教育課の 「道徳の時間を公開する回数を増やしたい」 などという手前勝手なコメントを掲載している。 校長も含めてこの問題の現場の受け止め方は 「本気かよ」 が主流。 こうしてひとつ打っておけば、 四月導入はブレずにいくだろうというセコい仕掛けだ。 話を元に戻そう。
 そもそも、 小中一貫教育はほんとうに必要なのか。 私には思いつきにしか感じられない。 中一ギャップの解決だとか、 学習の九年間のカリ作成によって小中の滑らかな接続、 などと言っているが、 まず言えることは、 子どもたちから画期意識を奪ってはならないこと。 六年間を終わり、 彼らは生き直すのだ。 今までとは違った大人たちの中でやり直すのだ。 小中の教員が知り合うのはいいけれど、 子どもたちのそだちに監視を張り巡らしてはいけない。 やり直しの権利を奪ってはならない。 中一の生徒に訊いてみればいい。 「算数の基礎ができていない中学生に小学校の先生が教えに来てくれるんだって?」 「それだけは、 かんべんしてほしい」 がおおかたの反応だ。
 互いに乗り入れをすると言うが、 時間割はどうするのか。 一年間固定化するのか。 それとも 「空いているときに」 来てもらうのか。 移動手段はどうするのか。 車は使っていいのか悪いのか。 (クルマ通勤禁止だろ?) 一日中いるのか、 半日だけか。 教科の免許はどうするのか、 学級崩壊のクラスが複数級ある小学校もあれば、 学校全体が荒れている中学だってある。 いま、 「滑らかに接続」 できる学校がどれだけあるのか。
 〇三年九月を思い出す。 突然 「横浜市全校で、 二学期制実施」 の見出し。 年度末には、 九九%の学校が 「自主的」 に二学期制を選択した。 あれから六年、 相変わらず県は三学期制で高校入試はねじれたまま。 全国では三学期制に戻しているところも少なくない。 田村教育長は、 秋休みも含めて八日間の休みを取り上げ、 授業に回すと公言。 秋休みこそ二学期制の大きな根拠だったのではないか。
 二月半ばから、 市内各所で 「平成二〇年度横浜市教育課程研究委員会教科専門部会協議会〈後期〉横浜版学習指導要領教科等編説明会」 が開かれている。 出席者によれば、 ほとんど質疑はないそうである。 行くだけで疲れてしまうのが今日びの教員である。
  「横浜版」 のついた学習指導要領は、 媚び。 明らかにホンモノの学習指導要領よりひどいモノであることは間違いない。 こうしたモノは下部に行けば行くほどひどくなるのである。 小中一貫カリキュラムが、 現場末端に新たな荒れや混乱を生まないことを願うばかりである。
                                                            (赤田 圭亮)

 

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