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専従だより 統一地方選挙を終えて



茂 呂 秀 宏

 四月一三日の統一地方選挙で、 神奈川県知事は松沢成文が当選、 横浜市議会選挙では中田現横浜市長の事実上の与党である民主党みらい派 (選挙中は 「横浜から日本を変える会」 を発足させる) が急増し、 松沢―中田という松下政経塾出身が主導する神奈川県政がスタートラインについた。 松沢は既に選挙公約で、 「民間の力で、 県庁改革と財政再建」 「政策作りに県民投票制度の導入を」 などをメインスローガンにしており、 中田と同様に、 民営化・分権化などの新自由主義的施策を前面に出してくることが予想される。 また、 両者ともに、 松下政経塾出身の政治家であり、 そこの政治手法などについては、 これから本格的な分析・批判が必要になると思う。



☆旗色を鮮明にする中田市政

 昨年四月に私たちの予想に反して中田横浜市政が誕生したわけであるが、 中田市長は、 昨年末から今年にかけ自論を現実政治のなかに具体化し、 旗色を鮮明にし始めている。 今年の一月三一日に、 横浜の区制を区議会や区長選挙のある特別区に移行するための検討をはじめることを明らかにした。 そして、 現実の問題としては、 〇三年度予算編成において、 これまで、 本庁の局長だけに認められていた予算請求権を各区長にも与え、 すぐ実施した。 また、 情報公開についても積極的に進め、 MM21の破綻による市民の負債額の公開や、 予算編成過程における情報公開などもしている。 三月一八日には、 民営化と分権化を主軸にした 「新時代行政プラン」 の中間報告をし、 平成一四年から一五年度の行政改革スケジュールを市政改革工程表として具体的に出した。



☆横浜の 「教育業界」 を攻撃

 また、 「教育行政」 の話題としては、 昨秋以来、 中田市長は旧来の横浜の教育行政における事実上の支配システムとなっていた横浜教育業界 (校長会、 浜教組、 教育畑系官僚と横糸としての横国大閥のコングリマリット) ともいうべきものに対して、 攻撃をはじめた。 市の診断テストを象徴とする公金・準公金問題で校長会を締め上げ、 組合職免問題で浜教組を動けなくし (会計検査院の監査で仕上げ)、 教員上がりの多い指導課の権限縮小をめざした教育委員会の機構改革をし、 「横浜教育業界」 を押さえ込んだ。 市長部局の意思が教育行政にストレートに通るシステムを作り上げようとして、 「勝利」 したのではなかろうか。 その象徴的結果が、 現場にとっては全く唐突な学校二学期制試行の四月導入だった。



☆市民に分権、 行政内は集権

 市民向けの分権化の推進という姿と、 官僚世界における市長権限の強化、 権限の市長への集中という一見矛盾した施策が同時に出されている。 後者の中央集権的、 トップダウン型の経営方針は、 横浜教育業界解体のための一時的な姿なのか、 もともと新自由主義派のもつ経営論であり、 労働者管理の方法なのかは今後見極めていく必要がある。 その点で注目しておきたいのは、 平成一五年度の事業として、 各区に学校支援・連携課長の新設が予定されていることである。 それは、 どのような機能を果たしていくのだろうか。 これまで、 区の校長会が同業者的分権として独自に持っていた権限を教育委員会が吸収し中央集権化が強化されていくのかそれとも区長公選の主張の延長として、 区教育委員会の設置や、 教員委員の公選制なども考えたうえでの施策なのか。 その動向には注目をしておきたい。



☆文部省からの新教育長

 四月一日に横浜の教育行政史上 (少なくとも戦後) 初めて、 文部官僚のキャリアーが教育長として天下ってきた。 四月一日、 中田市長は記者会見で、 市長の議員時代の論議の相手であり、 地方分権化のなかでの教育行政をよく知っており、 それを推進できる人であると紹介している。 教員上がりの教育委員は選出しないという方針と合わさり、 市長が積極的に進めた人事であることは疑いのないことである。 また、 今から思うと、 強引な二学期制試行の導入もこの人事のための下地づくりではなかったのかと思われる。



☆横浜の 「教育業界」 の反撃はあるのか

 横浜の 「教育業界」 は、 高秀体制下のものであるが、 その出自は飛鳥田革新市政までさかのぼることができるのではないかと思う。 当時、 その構成要素として前述したものの他に、 浜教組出身の社会党の議員という要素が加わり、 君臨していたわけである。 しかし革新市政は敗退し、 保守系首長の登場する中、 小林教育長などの非教育業界系官僚層の台頭など、 支配権の争奪抗争があった。 その間も 「教育業界」 は脈々と生き残り、 談合政治システムとして存続してきたのではなかろうか。

 冒頭述べたようにその体制は中田市長によって攻撃の的にされ今はその活動は押さえ込まれている。 前述したように一三日の統一地方戦の結果、 神奈川県知事に松沢が選出され、 横浜市議会では中田与党の伸張があったわけであるが、 新教育長として文科省の伯井をすえ、 中田市長はさらに旗色を鮮明にして、 市政を、 教育政策を、 行なっていくのであろう。 そのような状況に対して 「教育業界」 側の反撃はあるのかないのか、 特に浜教組は、 このような状況の中でどのような位置関係をとっていくのか、 注目していきたい。



☆ 「横浜教育業界」 批判から組合を結成した横校労と中田市政

 私たち横校労はこのような情勢の中でどのような舵取りをしていくべきなのであろうか。 少しふれておきたい。 ちなみに私たち横校労が二五年以上前に浜教組・日教組から分裂独立していった大きな理由の一つに、 この 「横浜教育業界」 への批判があった。 それを私たちなりの言葉でいえば、 「労使共同管理体制」 ・ 「組合歴社会」 などとなる。 二五年たった今でもこのスタンスは維持しており、 「横浜教育業界」 批判という意味においては、 私たちと中田市長は同一の地点に立っている。 ただ、 私たちが組合を分裂してまで 「横浜教育業界」 批判を展開し浜教組から分裂し組合を独自につくった理由は、 たった一点、 学校現場を支えている学校労働者の存在が第一義的に考えられているか、 現場を担う学校労働者の自治がめざされているか、 であった。 昨秋からの学校現場ではわけがわからないまま試行の導入が強行された学校二学期制の問題を見る限り、 中田体制とは真っ向から対立していくのではないかという予感を持っている。 分権をより明確に主張し、 情報公開をより広範に推進しようとしている中田市政の方が、 高秀市政よりも、 こと教育委員会内部のことに関しては、 より中央集権的で、 情報が学校現場には実施直前の段階になるまで入らない、 という矛盾した状況が生まれている。

 ただ、 中田体制と 「教育業界」 体制の違いが、 ないわけではない。 それはひとたび、 問題が議論の俎上にのるや、 論理が通りやすいのではないか、 利害関係の調整によって理屈がまげられることがより少なくなるのではないかという期待半分の見方でいる。 (三月二五日の変形八時間制の考え方を一部認めた教育委員会通知の出てくる経過ニュース本号赤田論文参照を見る限りの話ではあるが。) 新市長をはじめ、 行政とは大いに議論をしていきたいと思っている。



☆退職にあたって

 最後に私事になりますが、 飛鳥田市長の時代の最後の頃にこの横浜でごやっかいになり、 先月の三月一一日で三五年間になった教員生活を、 ここで終えることになりました。 実はこの文も教員生活を終えるにあたってという趣旨のものだったのですが、 このような文とあいなりました。 四月より専従として組合に残ることになり、 組合活動においては、 今まで通りというよりは今まで以上の活動が予想されます。 組合事務所の維持管理からはじまり、 交渉にも出かけることになります。 また学校現場でお目にかかれることもあるのでしょう。 さらに、 組合事務所に週三日ほどつめることになり、 その時間を利用して、 教員の働き方相談とでもいうべき事業を始めたいと思っております。 詳しくは次号のニュースでお知らせしますが、 勤務時間や休憩・休息のこと、 超過勤務のこと、 回復のこと、 職免のこと、 研修のこと、 休暇のことなど勤務条件にかんすることを中心に、 校長や教育委員会とのやりとりを含めて、 職場でお困りのことがありましたらご相談ください。 気軽に電話をくだされば、 分かる範囲で、 法的知識を含めた情報提供や管理職・教育委員会との対応の仕方、 職員会議への対応などお話できると思います。 また、 弁護士などの専門家を紹介することも可能です。 是非ご利用ください。

 これからもよろしくお願いします、 ということで、 退職の御挨拶に代えさせていただきます。

 

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