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教育基本法改 「正」 学習会 第四回報告
歯止めとしての教育基本法
――学校現場の実感をともにして――
〈教育基本法改 「正」 を考える〉


 連続学習会の第四回目が一月一七日、 藤沢市の小学校教員で一貫して教育のさまざまな提言や実践を行なって来られ、 今なお 「精進中」 であるという名取弘文さんを講師にお迎えして行なわれた。 「教育基本法を授業する」 という形態で、 教育基本法の各条項について、 参加者が考え思うことを話しながら認識を深めることができた。 名取さんの軽妙な話術のもと、 指されてたじろいだり、 大笑いしたり、 うなずいたりの楽しい会が時間ギリギリまで続き、 今までの知らなかったことを知る学習とは違った学習会になった。 以下に主な部分を紹介する。

  「こんにちわー」 とまるで教室に入ってくるように登場した名取さん、 おもしろいことがあったのよと 「勤務先の小学校に教育課程の開示請求が出て、 校長から急いで予定と違っている所を直してくれ」 と言われたこと、 「隣の小学校の校長が、 一二月で退職したんだけど、 どうもセクハラでやめさせられたらしい」 という話で盛り上がったこと、 「でも授業もちゃんと五時間やったんですよ」 と言って、 家庭科の 「お雑煮の研究」 のことを話し出した。 味付けは何?野菜は何入れる?もちの形は何?と問いながら 「雑」 と 「米」 の話になる。 米は天皇が田植えをしたり、 かゆを食べたりで、 天皇制に結びついてるけど、 それに比べると雑は価値が低いというカンジの漢字だけど、 雑魚、 雑菌、 雑技などと考えていくと 「さまざまな」 という意味だよね。 〈特色ある学校づくり〉にふさわしい。 いっそ何もしない学校を創って、 テストも連絡票もないけど、 子どもと教師は何か楽しく過ごしているというのはいいんじゃないの。 でも、 実際の学校は生きにくく住みにくくなってきたから、 そうはいかないだろうね。 原因はどこにあるんだろうと、 その大もとである教育基本法を二年前から読み直してきた。 いつか授業でやるつもりなので、 今日はそのリハーサル、 Aさん前文を読んで下さい。 えっ、 ぼくがですか、 嫌なら立ってなさいとまた笑わせながら、 参加者の名簿を手に取った。
 軽くて楽しい伏線をはった導入があっていよいよ本題。 この人は本当に 「先生」 なんだなあと思った。
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 前文と第五条 (男女共学) については名取さんが話された。 参加者が前文を読んだあと、 「文化的な国家」 とはどういうものですか。 「軍事国家の反対のイメージ」 「一九四九年当時の人々はまきわりをやらなくてもよく、 水道がちゃんと水が出て、 ガス栓をひねると火がつくようなことを文化的生活と考えていた」 などが参加者から出されたのに対し、 名取さんは角川文庫の発刊の辞を紹介した。 「私たちの文化が戦争に対して如何に無力であり、 単なるあだ花に過ぎなかったかを、 私たちは身を以て体験し痛感した」。 最近もイラク出兵のようすをテレビで流しているけど、 神宮外苑の学徒出陣式みたいで、 あおっているなあと感じる。 娘などは 「ほとんど戦争だね」 と言っている。 自衛隊も態度が大きくなって雪まつりから撤退などと言っているけど、 話は逆だよね、 「民主的で文化的な国家の建設」 「世界の平和と人類の福祉に貢献しよう」 というのとは随分違ってきているよね。 「この理想の実現は根本において教育の力にまつべきものである」 というのは教育を大事にしなければいけないという姿勢なのだけど、 現実には教育も学校も教職員も子どもも大事にされていない。 そんな国の政策・教育行政がある。 その流れに歯止めをかけていくものとして教育基本法をとらえておきたい。
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 第一条 (教育の目的) の話し合いはおもしろかった。 名取さんが誰がいいかなと言うと 「先生、 保健室に行きたいです」 と声が出たり、 「Bさん」 と呼ぶと 「帰りました」 と返事がきたりしたあと、 Cさんが話し出した。
 教育の目的に 「伝統的なものを大事にしよう」 を付け加えようとしている人々にとって、 伝統的なものとはつまるところ天皇制の復活なんだと思います。 誰が何をどういう意図で変えようとしているかが問題で、 それに目を向けて、 それじゃ困るよという形で運動を展開していくべきだ。
  「個人の価値を尊び」 よりも〈国家に合った国民〉が求められているという意見が出されると、 人格の完成は一人一人の問題であって、 そこまで明記される教育基本法ならなくても良いという意見も出された。
 名取さんは次のようにまとめた。 国が個人の人格の完成について口を出すのはよけいなおせっかいだという考えもある。 しかし、 いらないと言うのと、 現に教育基本法があって、 それが改悪される動きが出てきている場合の問題とは違うと思う。 ボクは国に対する歯止めとして残しておいて、 個人の人格を築いていく方が良いと思うので、 今はこの壁=盾を崩さない方がいいと思っている。
 名取さんの基本的姿勢はここにあると理解し、 あとは各条項の細部にこめられ、 実感された思いを楽しませてもらった。
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 第五条 (男女同権) の話で、 「家族そろって食事をしよう」 とあると 「わかった、 お父さんが会社をやめればいいんだ」 と答えるという子どもたちの姿には実感がある。 第六条 (学校教育) Aに書いてあることは 「全部うそっぱち」 と断罪したDさん。 第七条 (社会教育) を唯一予習してきた図書館司書のEさんのお話等紹介できなくて残念です。 ありがとうございました。
   (報告  田中 敏治)

 

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