【学校の風景】ロング昼休みと自然観察園

学校の風景

昨年度から、勤務先の小学校では、毎週水曜日は掃除なしで昼休みを10分延ばし、「ロング昼休み」とした。いつもは15分の昼休みが、1時5分から30分までの25分となる。

放課後、塾や習い事で忙しい子どもたちにとって、学校の休み時間は貴重な遊び時間なのだろう。25分の自由時間を、校庭で遊んだり、図書室で本を読んだり、おしゃべりをしたり、のびのびとそれは楽しそうに満喫している子どもたちを見ていると、こちらまでうれしくなる。

昼休みに、担当している個別支援学級の低学年の子どもたちが訪れるのが「自然観察園」。校庭の一角にある広くもなく、遊具もない庭園なのだが、飽きることなく、毎日訪れている。

数年前までは、川や池があっても、水はなく、干からびていた。大きな岩があり、子どもたちが入ると危ないとの理由で、立ち入り禁止。地域のボランティアさんの力を借りて、掃除をし、小川に水を入れ、近くの川から生き物を捕ってきて、木々が芽吹き、生き物が生息する自然観察園に蘇った。

「先生、見て!梅の花が咲いたよ。きれいだなあ。」

「春になったから、風があったかい。メダカも出てきたね。」

「この葉っぱ、ちぎるとネバネバが出てきて、おもしろいよ。」

「カエルの卵!長いゼリーみたい。でも、気持ち悪い。」

「(こぶしの花びらを見て)大きいなあ。カレーの時、給食に出るナンみたい。」

「この岩に座ってみて。ソファみたいだよ。固いけど。」

「ヤモリがいる!ワラジムシも出てきたよ。」

 最近のぽかぽか陽気の日はもちろん、真冬の凍えるような寒い日も、自然観察園に行っては、小さな自然の中で様々な発見する子どもたち。

子どもにとって、何にも縛られない時間を過ごすこと、自然と触れ合うことって大事なんだなあ、と改めて感じる。新年度、目の回る忙しさだが、子どもたちの生き生きとした姿を大切に、小さな声やつぶやきに耳を傾ける教師でありたいと思う。

コメント