【放射能汚染土問題】放射線測定だけでなく、ベクレル測定を!

放射能汚染土問題

直近の「ヤフーニュース」の「中央日報」によれば、グリーンピース・ジャパンは12月4日、「東京五輪聖火リレー開始地点に指定された福島県のJヴィレッジ(政府が数年間にわたり除染作業をした)近くの駐車場で、1時間当たり最高71マイクロシーベルトを測定、これは2011年の原発爆発事故が発生する前と比較して実に1775倍高い水準のマイクロスポット」と発表した。

除染のような対処療法では取り返しがつかない

さらに「政府がその効果を強調してきた除染作業が失敗した」、「政府は放射線量を改めて正確に調査し、数値を公開するまでJヴィレッジに一般人の立ち入りを制限すべきだ」と主張。

「11月18日には小泉進次郎環境相に書簡を送り、Jヴィレッジで五輪期間とパラリンピック期間にホットスポットの影響を受けないように早急に措置を取るよう求めた所、政府はグリーンピースの書信に公式な回答をしないまま最近ホットスポットを除去した」という。

この情報からは、一たび原発事故が起きれば事故現場の近くは深刻な汚染に見舞われ、除染のような対処療法では取り返しがつかないダメージを受けること。

そして、原発事故前の測定データがあって事故後と比較できたことで、汚染の酷さは一層明らかになったこと等が得られた。

 しかし、原発事故のもう一つの酷さは、放射能汚染が実に広範囲に及ぶことで、今回の事故では横浜も確実に汚染されたことだ。

横浜の汚染をベクレル測定

原発事故後、学校に配布された「副読本」が、放射線は医学などで有用で、自然界にもともとあると強調され、汚染問題からのすり替えが行われるのを見ると、やはり汚染の実態はベクレル測定をしなければならないとの思いを強くした。

原発事故は異常気象が続く中で、今後も予想されるが、秘密保護法から事故が隠ぺいされる可能性もあり、現時点での自宅近辺の線量ベクレル測定結果を知っておくことも、各個人がこれからの異常に気付くことが出来る大切なデータになると思いいたった。

そこで、横校労として原発事故での汚染が濃縮されているだろう横浜市に住む組合員の自宅にある雨水桝に着目し、溜まっているヘドロのベクレル測定を開始した。

今後もベクレル測定を引き続き行い、横浜の汚染について明らかにしたい。

当面の協力者のベクレル測定結果:           

緑区西八朔  Cs-137: 198Bq/kg、Cs134:12.9Bq/kg

  青砥町(※2)Cs-137:1000Bq/kg、Cs134:61.0Bq/kg

  川和町  Cs-137: 143Bq/kg、Cs134: 9.3Bq/kg

港北区大豆戸町 Cs-137:  81Bq/kg、Cs134: 5.0Bq/kg

注)セシウム(Cs)

シーベルト(Sv):人体に対して用いられる。人が受ける被爆線量の単位。

  ベクレル(Bq):放射線を出す側に着目したもの。放射性物質が1秒間に崩壊する

原子の個数(放射能)を表す単位。例えばある放射性物質について、8秒間に原子が

370個だけ崩壊するのであれば、その放射性物質の放射能は46.25Bq.

写真:雨水升

※1 ベクレル測定の必要性:放射線量計で空間に放出される放射線を探知するのは難しく、探知されないことで汚染されてないとの測定結果を生む危険性もある。一方、ベクレル測定はその場所がどの程度汚染されているかがはっきり測定できる。

※2 青砥町の特殊性:横浜市の十日市場小や西寺尾第二小では、雨水を利用してトイレの洗浄を行う仕組みがあったが、原発事故後、その雨水をろ過する沈渣に8.000Bq/kgを超える放射能が検出される事態となった。青砥町の家屋でも雨水利用のため大きな雨水桝を設置していた所、原発事故後に溜まった汚泥から高濃度の放射能が検出された。公的建造物だけでなく、民家でも雨水利用の取り組みをしてきたことで放射能汚染の実態を明らかにできた。

ベクレル測定の基準:廃棄物に含まれる放射性セシウムについて、環境省廃棄物・リサイクル対策部は、100Bq/kgは「廃棄物を安全に再利用できる基準」であり、

8.000Bq/kgは「廃棄物を安全に処理するための基準」と説明している。つまり、100Bq/kgを超える廃棄物(例えばコンクリートや建築資材、金属)をベンチなどに再利用できないことになる。

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