【文化欄】zoom体験を通して

文化欄

2020年という年がまさかこんな年になることは全く予想していなかったことでした。

そして今もCOVIT19という感染症が全世界に拡大しています。まさに世界中の多くの人々が同じような「今」を共有していると言えるのかもしれません。

自粛生活をするまでは、退職後の趣味である世界の民族舞踊を楽しむ生活を送っていましたが、3月からすべての予定がキャンセルとなり、今までの当たり前の日常がシャットダウンしてしまいました。

ダンスはみんなで集まって手を繋いで踊るまさに三蜜(密閉・密集・密接)そのもの。リアルの例会は当分の間できそうもなく、再開の見通しも全く見えなくなりました。

そんな時ダンスの友人からZoom例会への参加を誘われたのです。最初はZoomって何?

からのスタートでした。組合の方から助言を得るなど事前練習をし、毎週日曜日2時間のダンスZoom例会に参加することになりました。

画面で指導する方の動きを見ながら踊るわけですが、家で踊っているのは自分一人です。いつもは同じ空間で必ず誰かと一緒に踊っていたのに何だか不思議な感覚です。

それでも画面の向こう側に人がいることを感じながら踊るといつものように楽しい感覚を取り戻していきました。

はじめは音と動きがズレてうまくいかないこともありましたが、会を重ねるごとに改善されて参加者もどんどん増え、今では50人を越えることもあります。

参加者の住む場所も日本の各地から、遠くはアメリカまで広がっています。実際にお会いしたことがない方ばかりですがZoomを通してどんどん出会いが繋がっていきました。

週1回の参加が2回になり、更にアメリカ人主催のオンラインダンス例会にも参加するようになりました。

画面に映るアメリカの方たちは、場所もリビングや台所、地下室などで、笑顔が素敵な方、息の合ったスッテプが見事なご夫婦、ペットのワンちゃんまで登場し楽しそうに踊っている家族など、まるでそのお宅にいるような気分になります。

これだけの人々が実際に集まることはとても困難なことですが、オンラインではいとも容易く距離を飛び越えて世界と繋がることが可能になりました。

しかし一方で、人間が直接触れ合うことのもつ意味や価値はこれまで以上に再認識されるのではないかと思います。

なぜなら互いに手をつないで踊る一体感や喜びはZoomでは決して味わえないのですから。

「人生とは嵐が過ぎ去るのを待つことではない。雨の中でどんな風にダンスをするかを学ぶことだ。」と言った人がいます。どんな時でも楽しむ気持ちを忘れずにいたいと願っています。

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