【職場から】教員にとって一番大切な授業準備の時間を確保できるように

職場から/日録

今年度の年間反省の際に「配慮も必要だが、行事内容が過重回避の視点のみで変わるのは良くない。別の場面で配慮する。」との意見があった。

これをどう捉えるのだろうか。仕事熱心で真面目な教師であると捉える人が多いのであろうか。

私は、この意見は大きな問題を含んでいると考える。なぜなら、「別の場面で配慮」というからには、時間外勤務を念頭においていると思われるからである。つまり、時間外勤務を他の人に強制するということである。

一般企業であれば、社員が勝手に他の人に時間外勤務を強制することはないであろう。

ましてや、「昼休憩はありません」「勤務時間は関係ありません」「勤務時間を周知しない」などということがあれば、ブラック企業の烙印を押されてしまうだろう。

だが、教員は労基法上定められた健康を害さないための最低限の休憩時間が設定されていることや原則時間外勤務がないことを知る人は少ないのではないか。(我が校でも勤務時間の割り振りについての表は配布されるが、説明はされていない。)

働き方改革が叫ばれて久しいが、学校ではむしろ後退しているのではないかと思うほど仕事が増加している。

文科省の学校で担う業務の明確化において「基本的には学校以外が担うべき業務」に「登下校に関する対応」や「児童生徒が補導された時の対応」が含まれたことや「必ずしも教師が担う必要のない業務」に「部活動」はもちろん「休み時間における対応」や「校内清掃」が含まれたことに一番驚き、反対を叫ぶのは教師自身ではないだろうか。

それを見越してか「各学校が取り組むべき方策」に「校長自らの権限と責任による、学校の伝統として続いている勤務時間外に行う練習の指導、行事の過剰な準備等の大胆な削減」(一部抜粋)と太字かつライン付きで書かれている。

学校はブラックであることが世間に知れ渡り、教員採用試験の倍率は、教員の質が維持できないと言われるほど低くなっている。

「教員は時間を忘れて生徒のために一生懸命にやるべき」という凡庸な呪縛から逃れ、教員にとって一番大切な授業準備の時間を確保できるよう業務の明確化を急がなければならない。

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