【3.11と私】再び福島を描きたい

山内若菜 3.11と私

2020年 コロナ禍後久しぶりに8月16日夕方から福島へ行った旅のご報告を致します。

除菌に注意しつつ何ヶ月ぶりかの福島へ。福島の被ばくを経験した飯舘村の牧場の馬と人、自然を描いた「牧場 放」をこのたび東京で発表することを人と土地へ思いを伝えようと思い訪れました。

絵を描く対象を、ネタとするだけでは嘘かと思って、逆に絵を喜んでもらえたらと夢みての今回の訪問です。本日浜通りに住む方々に、カタログやDMなどの印刷物を見てもらえました。

韓国からお嫁にきて10年という赤石沢しずかさんは福島県立美術展や福島市美術展に出品していて絵が大好きとのこと、東京に観に行くと約束をしてくれました。

数人の方が絵が明るくなったことや色が入った事について喜んでもらえたようでした。

去年避難所から戻って有機栽培を再開した三坂さんの家では、私の描いた似顔絵を額に入れて名前と一緒に飾ってくれており、朝ごはんにはご先祖さまにまず差し上げてから頂くところに感動しつつ、有機栽培の畑でたくさんのトマトや茄子を頂きました。

畑仕事が大好きな女性、うすいさんにも胡瓜やシソ南蛮用にと頂きました。野菜料理の作り方も丁寧に教えて頂きました。

牧場では東電へ請求する文書を計算、死んだ牛の精子の資料を作成するお手伝いを半日作業していました。

違う目でみた浜通り風景は、豪雨のあとの晴天もあり、いつもよりカラリと美しく見えました。福島は四季七色。励まされました。

牧場の娘さんの夢をみた事からはじまった絵ですが、このたび思いを込めてこの絵を発表したい気持ちです。

できるなら福島の方々が絵を見ると元気になってもらえるような画面にしたい思いがありました。

夢に出てきてくれたのは、こうやってプリントでも福島に住む方に福島の絵を見てもらいたい私の(夢)だったような不思議な体験でした。気持ちはこんな言葉が浮かびました。

雲は高い木が揺れ続く地ひろがる空

大事なことを伝えに来たけれど

やっぱりここは生き返る

今は息変え新たな展示へ

ここから始まり

ここからまた始めよう

展示のお知らせ

 福島で人とつながり創作する。韓国で人とつながり創作する。自分の足を使って行きたいと思う場に立ち、自分の象を象(かたど)る作業をしてゆく。

記憶に残したい人がいる、風景がある。その根底には命の大切さ、尊さがあります。

川越で展示をします。地元のみんなを元気にしてほしいという言葉に、一週間で描きまくりました。地域を再発見してもらえる展示になればと思います。

絵描きとしてコロナ禍で役に立ててうれしい思いです。

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