【メーデー学習会】シャレた豪邸は占領期はGHQのキャノン機関本部だった!

学習会

旧岩崎邸見学

 6月8日(土)に横校労メーデー学習会「旧岩崎邸見学 八柏龍紀さん講演」に参加した。待ち合わせは、上野に近い湯島駅。大人18名、子ども3名が参加。

 まずは、旧岩崎邸の見学へ。

明治29(1896)年に岩崎彌太郎の長男で三菱第三代社長の久彌の本邸として造られた建物。お城のような洒落た洋館へ入ると、中は重厚感あふれる木造りで落ち着いた雰囲気。

二階へ続く階段の手すりや柱、凹凸で模様を付けたガラスやステンドグラスなど、至る所に細部にわたり見事な装飾が施されており、贅沢な造り。吹き抜けのホールを通ると、客室が続く。婦人客室という名の部屋は壁紙がピンク色。

各部屋に暖炉があり、階段などにはセントラルヒーティングがあり、その装置にも装飾が施され、全てがゴージャス。イギリス人建築家ジョサイア・コンドルの設計で、英国ジャコビアン様式というそうだ。

洋館から続く廊下を抜けると、和室の続く和館へ。完成当時は建坪550坪に及ぶ規模で、久彌と夫人の部屋、子ども部屋、使用人部屋などがあったそうだが、今は大広間1棟だけが残る。長い縁側から広い庭園を眺めることができ、カフェに改装された部屋も。

こんなお屋敷でゆっくりお茶をしたら、リッチな気分に浸れそうだ。

庭にはビリヤード場も

八柏さん講演

見学後、根津の公民館へ移動し、八柏龍紀さん(東京大学全学自由ゼミ講師、「週刊金曜日」書評委員、代々木ゼミナール講師)の講演「敗戦直後、占領下の日本~岩崎邸とキャノン機関、焼け野原と闇市 そして謀略と混沌の時代!~」を聞く。

八柏さんのお話は、盛りだくさんで興味深いものだった。

「闇市の実態。GHQが旧岩崎邸など洋式トイレのある建物を接収し、鹿地亘誘拐事件などを起こしたこと。戦後国鉄三大怪事件について。

日本政府が戦後一番最初に実施したRAA(特殊慰安施設協会)が、連合国軍兵士による性暴力を防ぐために設置されたこと。パンパンの実態。」

等々、敗戦後の日本のまさに混沌とした時代について、写真やお話を交え、知らなかったことをたくさん教えて頂いた。

八柏さんの講演

「20世紀に戦争で亡くなった人、約1億人。その中で日本人は、アジアの約600万人の人々を殺戮、中国では1000万人とも2000万人とも言われる人々の命を奪った。

しかし、多くの西欧諸国が戦争の問題解決に苦慮していたのに対し、日本は、『超軍国主義国家』がまるでなかったかのように、『文化国家・経済国家』の道を進み、『戦争の罪責』としっかり向き合ってこなかった。

その結果、植民地支配や中国侵略の現実に十分に対峙できていない今の日本があるのではないか。」とのお話が印象に残った。

問題と向き合うことを避け、今さえよければいいという雰囲気に流されやすい日本人の欠点を指摘された気がした。

講演後は、近くの居酒屋で八柏さんを囲んで懇親会。来年もぜひお話を聞きたいとの声が多く聞かれ、楽しく有意義な一日となった。

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