ニュース 2024年2月・3月号 №545

2024年2・3月号 №545

学校の風景

 ~担任が委縮していた学校~

 昨年度、現任校の特別支援学校に赴任した。管理職の口癖は、「…この学校は子どもたちが主役です」「市民への説明責任がある」「先生方にお願いですが…」に続けて「私たちは税金で食べさせていただいている…」。疲弊していた。

 委員会活動で校庭に菜の花の種を蒔いた。均一に蒔けない部分があり間引きをすることになる。車いすの生徒が引き抜くために茎を紐で結び引っ張る。上手く抜ける。保護者にやったことが伝わりやすように「持ち帰らせようか」とささやくと「ちょっと待った」となる。「学校の物だから持ち帰れない」という声。種は公費で買ったものでは足りず、自宅で採取し持参した。確かに雨水以外にも水道水を使った。土地と土も横浜市のもの。持ち帰れないと言ったのは、口うるさい人々の耳に入ると厄介になる懸念があるからだ。担任は人目を気にしながら余計な気を遣う。

 授業で巣箱を作り校地に取付ける計画を校長に伝えた。後日「いろいろな心配があって難しい」と言われる。誰の意見か知らないが「巣箱に入る鳥を選べないため、鳥インフルエンザ、フン害の懸念がある。鳥類はゲージでしっかりと管理し飼育するのが望ましい」「三羽程の小鳥と思われる死骸や羽の始末をしている。周囲の団地内の木々につけた方が良いのでは」「他校で設置したところカラスが飛来して怖い思いをした」とのこと。目や耳が不自由な子がいる。菜の花もそうだが、鳴き声や香り、雰囲気で季節を感じるのは良い。鳥インフルエンザ?可能性はゼロではないだろうが。巣箱に来るのは木の穴を巣にする少数派の鳥なのでカラスや他の鳥は入らない。

 昨年度のストレスチェックは、学内全体のスコアーが一四〇超えと突出して悪く、産業医から「仕事の自由度がないことにストレスを持つ教員が多数いる」と指摘されていた。今年度は数値的に改善がみられる。校長、副校長とも異動し、児童数増加により着任教員が増えたこともあり、少し雰囲気が変わったように見える。主役の子供たちと直に接する担任が萎縮しない学校になるように協力したい。

休憩時間に関する措置要求② ―当局へ反論書提出

強行法規である労基法を市教委は重く受け止めよ!

   執行委員長 名児耶 理

 前回の「横校労」で、休憩時間に関する措置要求をしたことを報告しました。要求の趣旨は①休憩時間が取得しづらい状態を改善する措置、②休憩時間内にやむを得ず行った時間外勤務の実績を記録できるように教庶務システムを改修する措置です。(詳細は前号を参照)一一月の提出から約一か月後に、当局からの意見書が届き、これに対して一月に反論書を提出したので報告します。

当局からの意見書

 当局からの意見書が人事委員会より送られてきました。内容は次の通りです。

1 意見書の趣旨

 要求の棄却を求める

2 理由

① 休憩時間が取得しづらい状態を改善する措置について

  業務の都合により、あらかじめ決められた時間通りに全員が一斉にまとめて休憩を取得することが困難な場合があることから、やむを得ず休憩時間に休憩を取得できない場合、分割して取得させることや時間をずらして必要な時間を取得させる方法もあることを学校長に通知して授業の空き時間を充てるなど取得することとしている

  個々の事情により職員本人が自発的に休憩時間に仕事をすることは健康維持の管理の面から適切とは言えないが、自由利用の原則に基づくものと区別される

② 休憩時間内にやむを得ず行った時間外勤務の実績を記録できるように教庶務システムを改修する措置について

  休憩時間は確保されるべきものであるから、何らかの形で休憩時間は確保するものと考える

当局は労基法を軽視している

 この意見書の大きな問題点は、当局が労働基準法を軽視しているということです。労働基準法は労働条件の最低基準を定めた強行法規です。強行法規とは、法令の規定で、それに反する当事者間の合意の如何を問わずに適用される法律です。休憩時間に関しては第一一九条に六カ月以下の懲役または三〇万円以下の罰金に処する懲罰規定もあるように、大変重みのある法律です。この規定は教員も例外なく適用されるものです。

休憩時間の取得状況を把握しているのか?

 当局は「やむを得ず休憩時間に休憩を取得できない場合」としていますが、そもそも割り振られた休憩時間には恒常的に会議や研修、委員会活動等が設定されており、初めから割振り不能状態です。また、「分割して取得させることや時間をずらして必要な時間を取得させる方法もあることを学校長に通知して」いるとしますが、校長から分割取得の割り振りは具体的に示されていません。

 それにもかかわらず、当局が休憩時間を取得できているという認識を持つ根拠は何か、休憩時間取得実態を把握しているなら具体的に示すこと、また、二〇二二年度には校長に対していついかなる形で何度具体的文書を通知したのか、その結果をどのように評価しているのかを要求しました。

授業の空き時間は勤務中だが?

 当局は「授業の空き時間を充てるなど」としていますが、いわゆる“授業の空き時間”には授業準備はもちろん、評価物の採点、分掌業務、生徒指導対応、電話対応、校内の巡回、打ち合わせ等諸々の業務が膨大にあることは当たり前のこと。授業以外は“手が空いている”とでも思っているのでしょうか。

 さらに生徒の授業や活動の最中などに、職場を離れて労働から完全に解放されている状態(休憩時間の自由利用の原則)で休憩を取ることは到底できる状況ではありません。

休憩時間に仕事をするのは個人の勝手?

 当局は「個々の事情により職員本人が自発的に休憩時間に仕事をすることは、健康管理の面から適切とは言えないが自由利用の原則に基づくものとして区別されるべき」としています。休憩時間に好きで仕事をしている教員がいるでしょうか。やらざるを得ない状況が現実にあるからやっているのであって、それを「自発的に仕事を」している個人の「自由利用」とするのは酷い言いようです。

 学校運営上、休憩時間に業務を充てなければ成り立たない状態になっているにもかかわらず、校長がこれを放置、改善しようとしていないことは、当局の指導が不十分であることが原因です。当局には勤務時間に収まる業務量を設定するよう指導する責任があります。

システム改修なしには把握すらできないはずだが?

 当局は要求①に対する意見で「やむを得ず休憩時間に休憩を取得できない場合には、分割して取得させることや時間をずらして必要な時間を取得させる方法もあることを学校長に通知して」いるとしていますが、そもそも校長が「休憩時間を取得できない場合」を把握するためにはその記録が必要です。記録ができない「システムを改修せずに対応」することはできないはずです。すなわち当局の意見は論理的に矛盾しています。

次の展開へ向けて

 こちらの反論書を受けて人事委員会がどう判断するか、再度当局からの意見書が出るのか、次の展開を待ちたいと思います。休憩時間が取れない状況は各学校現場で起きていることと思います。願わくば、同じような要求がいろいろな校種、職場から出され、当局を動かすことができればと思います。

福島原発かながわ訴訟 東京高裁、国の責任を否定す!

司法の良心どこに! 我ら主張枉げず!! 闘います。

 一月二六日、判決の日。東京高裁前は全国から集まった関係者・支援者・報道陣で歩道からあふれ出していた。原告団はいつものように赤と青の横断幕の中を「民衆の歌」に送られて入廷していった。七三席の傍聴抽選に一八三人が並び、ハズレた半分以上の人たちに交じって私も歩道に戻って判決を待った。

 一一時五〇分頃、出てきた弁護団が掲げた垂れ幕は三本、「国の責任を否定」「司法の良心 どこに!」そして「我ら主張枉げず」だった。あたりを沈黙が支配した。空気が重く身体にのしかかってくる実感があった。「ええっ?」という声が出たのはしばらくしてからだった。黒澤弁護士が説明している隣で、上方に目を投げながら表情をなくしている村田団長の今まで見せたことのないお姿は、地裁で認められた「国の責任」が覆された衝撃に必死に耐えていらっしゃるように思われた。マイクを握って「判決を聞いた時は悔しくて涙が出ましたが、もう涙はありません。子どもたちにこの判決を引き継ぐわけにはいきません。最高裁に向け、共にがんばりたいと思います」と話された時はもういつもの村田さんだった。

 報告集会は午後、日比谷図書館地下ホールで行われた。頑張ってこられた弁護士さんたちの声にも悔しさがこもっていた。私の理解できた範囲で報告します。

 「国の責任」については、横浜地裁が認めた貞観地震の知見は未成熟で国が対策に反映させるほどには至っていない。たとえ命じたとしても事故は防げなかったのだから国の責任はないという論旨。二〇一九年二月の地裁での「電圧設備の高所設置(と水密化)を命じていれば事故は回避できたのだから、国の権利不行使は違憲に相当する」という論旨は否定されたのだ。

 私の頭に原発の初期のことが浮かんだ。一九五四年第五福竜丸の被曝で高まった原水爆禁止運動や核への脅威をかき消すために、メディアを総動員して「原子力の平和利用」を掲げ大キャンペーン「原子力平和利用博覧会」を全国で開催し、「原子力=科学への神話」を広げたのも、民間の会社が事業主となり国が安全管理や事故賠償の責任を実質的に負う仕組みを導入したのも〈原子力の父・メディア王〉正力松太郎(当時は国務相で原子力委員会委員長)を中心とした国と結託した電力企業であった事実だ。村田団長は「去年GX法案を強引に通して原発を国の指針として進めろとしておきながら、裁判では責任なしということを決して認めてはならない」と語気を強められた。

 「賠償額」については、総額で約三八〇〇万円が増額された。避難指示区域では細かいエリアごとに増額された。区域外避難者、自主避難者に対しては年間二〇ミリシーベルトを下回っても放射線による健康不安等を否定できないとして慰謝料を認め、子どもや妊婦への賠償額の増額を認めた。この点は政略的な「黒い雨」判決もあったが、かながわ訴訟団として大きな成果だったと思う。

 今回の報告集会は記者会見も兼ねていて、様々な質疑が交わされた。垂れ幕に常用漢字にない「枉げる」を使ったのはどうしてですか?という記者の質問に、村田さんはちょっと恥ずかしそうな表情で「作家の松下竜一さんが環境権裁判で書いた垂れ幕を思い出して、こんな判決を下されたけれども私たちは決して主張を枉げないぞという強い気持ちを示そうと思ったんです」と答えられた。以下、余談に近いが村田さんに重なる松下竜一さんのことを書かせてもらう。松下竜一さんは大分県中津の豆腐屋で、新聞の歌壇に投稿するのが唯一の趣味だった人。ドラマにもなった『豆腐屋の四季』で読んだ〈泥のごとできそこないし豆腐投げ怒れる夜のまだ明けざらん〉などは今でも出てくる。その松下さんが貧困生活の中で、周防灘総合開発計画と豊前火力発電所建設による環境破壊反対運動に加わり、弁護士なしで環境権を認めさせる厳しい裁判闘争を闘い続けたのだ。そしてその報告をミニコミ誌「草の根通信」を出して全国に訴え続けた。小倉地裁で門前払いされた二年後の一九八一年に福岡高裁でも敗訴した。その時に垂れ幕に書いたのが「破れたり破れたれども十年の主張微塵も枉ぐと言わなく」という短歌、いや、決意だった。かながわ訴訟の提訴は二〇一三年だからまさに破れたれども十年の闘いだったわけであり、村田さんの思いの深さに慄然としたのです。さらに今回の「貞観地震の知見は未成熟で国が対策に反映させるまでに至っていない」という文言は四〇数年前の「控訴人らが主張する環境権なるものはわが国において未だその具体的な権利性を承認するまでに成熟した権利であるとは認めがたい」と同じことに気付かされる。松下さんたちは上告しますが、五年後に「原告適格なし」として却下され、豊前環境権裁判は終結します。社会状況は大きく変わってきたのに、裁判官の世界では三権分立に基づいた立場で時代を切り開くような真っ当な判決は下せないのかと空しくなります。

 「二〇二二年六月の最高裁の判決以降、全ての判決が最高裁の論理で短い不十分な文言での国の責任を認めない判決であるのは納得できない。司法の在り方を変えていかなければならない」という村田さんの普通人としての真っ当な怒りと決意の強さと洞察の深さに学びながら、支援を続けていこうと思います。

   (中支部 田中 敏治)

寄稿 オスプレイとは何か?その欠陥とは何か?

   基地監視団体「RIMPEACE」編集部 星野 潔

横校労が5月に行った「横浜ノースドック学習会」でご講演頂いた星野潔氏より寄稿頂きました。 (編集部)

屋久島沖での墜落事故と飛行停止

 昨年一一月二九日、横田基地所属の米空軍特殊作戦機CV―22オスプレイが岩国基地から嘉手納基地に向かって飛行中、無線で緊急事態を伝え屋久島空港への着陸を要請した後、屋久島沖に墜落し、乗員八人全員が死亡した。目撃証言によれば、墜落時には機体が逆さまになり、火を噴いていたという。

 事故の直後には、米軍はなおもオスプレイを飛行させていたが、一二月六日に米軍の保有する全機の飛行停止が発表された。米空軍特殊作戦司令部(AFSOC)の声明によれば、事故原因が不明な状況において「リスクを減らすため」の措置だという。この文章を書いている二〇二四年二月一五日の時点でも、オスプレイ全機の飛行停止は続いている。

「ティルトローター機」オスプレイ

 空中で「ホバリング」をしながら魚を探し、見つけると急降下して捕まえる、鳥のミサゴの英語名をとった軍用機オスプレイは、ティルトローターと呼ばれる独特の構造を持つ航空機だ。ティルトローター機は、ヘリコプターでは上向きに固定されているローターを、飛行中に水平方向に傾ける(ティルトする)ことによって、ヘリコプターのように垂直で離着陸しホバリングする能力と、固定翼機のように高速で長距離を飛行する能力を併せ持つ機体だ。

 ティルトローター機のアイデアはかなり昔からあったが、それを「実用化」させたのはオスプレイが初めてだ。なお、「オスプレイ」という名前は「愛称」で、正式な機種名はV―22だ。「V」は垂直離着陸方式を意味する「VTOL」からとられている。

四種類のオスプレイ

 V―22オスプレイには海兵隊の輸送機MV―22、空軍の特殊作戦機CV―22、海軍の空母連絡機CMV―22、そして陸上自衛隊の輸送機V―22の四種類のバージョンがある。

 米海兵隊は、CH―46ヘリコプターが担っていた役割を引き継ぐ輸送機として、オスプレイを最初にそして大量に導入した。

 米空軍は、特殊作戦を行う部隊を運ぶ特殊作戦機としてCV―22オスプレイを使っている。昨秋、屋久島沖に墜落したのが、横田基地所属のCV―22オスプレイだ。

 米海軍は、任務航海中の空母と陸上との間の物資の輸送業務を担う空母連絡機として、オスプレイを使用している。これまでC―2というプロペラ輸送機がその任務を担っていたが、老朽化のため、近年、CMV―22オスプレイの導入を進めている。

 陸上自衛隊のオスプレイは、海兵隊のMV―22と同様の輸送機だ。報道によれば、そもそも自衛隊がオスプレイ導入を求めていたわけでもないのに、安倍政権が「政治主導」で米軍の購入価格よりもずっと高い価格で米国の航空機メーカーから購入することを決めてしまった。米軍以外でオスプレイを使っているのは、自衛隊だけだ。

 これら四種類のオスプレイは、使用目的などにより仕様が若干異なっているが、機体の基本構造は全く同じだ。

オスプレイの基本構造

 胴体の上部に折りたたみ可能な主翼があり、主翼の両端に、プロペラ(ローター)付きのエンジンが入ったナセルと呼ばれる装置が取り付けられていているのが、V―22オスプレイの基本構造だ。このナセルの向きを変えることができるのが、ティルトローター機の特徴だ。

 二つのローターを上向きにしてヘリコプターのように垂直離着陸を可能にするのがヘリモードで、固定翼のプロペラ機と同じようにローターを水平にして高速での長距離飛行を可能にするのが固定翼モードだ。ヘリモードと固定翼機モードの中間の、ローターが斜め上向きになった状態が転換モードだ。

開発段階からの事故多発

 一九八〇年代前半から開始されたV―22オスプレイの開発は難航した。月ロケットの「アポロ計画より長い」開発期間の間に、米軍の四軍(陸、海、空軍、海兵隊)のうち陸軍は計画から離脱した。一九八九年に試作機の初飛行が行われたが、試験飛行段階の墜落事故で計三〇人の死者を出した。

 しかし米国防総省は、開発中止を求める声を押し切って二〇〇五年に量産を承認し、二〇〇七年には海兵隊で実戦配備を開始した。だが、配備後も重大事故を繰り返し、犠牲者を多く出してきた。

 最近の二〇二二年と二三年にも重大事故が多発している。二〇二二年三月一八日にノルウェーでMV―22が訓練中に墜落し乗員四人が死亡した。同年六月八日にカリフォルニア州でMV―22が訓練中に墜落し乗員五人が死亡した。同年一〇月一四日にカリフォルニア州で基地内に着陸直前にエンジン火災事故を起こしている。二〇二三年八月二七日には、MV―22がオーストラリアで訓練中に墜落し乗員三人が死亡し二〇人が負傷した。同年一〇月二四日にネバダ州で詳細は不明だが「ハードランディング」事故を起こし乗員一人が負傷した。そして一一月二九日の、屋久島沖でのCV―22墜落事故だ。

小さなローターで重たい機体を飛ばす問題

 開発段階から指摘されてきた重大な問題は、機体の重量に比べて直径の小さなローターを主翼の両端に配置する、ティルトローター機の構造に起因する問題だ。

 防衛省の資料によれば、海兵隊が以前使っていたCH―46ヘリコプターは、約一五・五メートルのローター二基に対し機体の自重は約七七〇〇キログラムだった。他方、MV―22オスプレイは、約一一・六メートルのローター二基に対し自重は約一六〇〇〇キログラムに達する。CH―46ヘリに比べてローターが小さく、重量は二倍以上あるオスプレイに、CH―46ヘリの約三倍の貨物搭載量、約二倍の最大速度、約四倍の行動半径、二倍の輸送兵員数という性能を持たせようとしたのだ。それによって無理が生じることになった。

オートローテーション機能を持たないオスプレイ

 ヘリコプターはエンジンが停止した場合、機体の降下で発生する気流によってローターを回して安全に着陸するオートローテーション機能を持っている。

 ところが、オスプレイの場合、重量に比べローターが小さいため、オートローテーションが機能しない。防衛省はオスプレイにもオートローテーション機能があると強弁しているが、同省の資料を読むとオートローテーションで着陸しようとすると時速一三〇キロで地面に激突することになり乗員の安全は確保できない。

 ヘリコプターの場合は実機でエンジンを止めてオートローテーション訓練を行うが、オスプレイの場合にはシミュレーターでしかオートローテーションの訓練は行えない。危なすぎるからだ。

 オートローテーション機能を持たないヘリコプターは、日本では耐空証明(自動車の車検にあたるもの)を取ることができないが、米軍や自衛隊のオスプレイは日本の空を飛んできた。

高出力エンジンがもたらす問題

 小さいローターで重たい機体を飛ばすため、高出力のエンジンを備えているが、このエンジンが強烈な騒音や低周波音を出すことが指摘されている。

 同じ理由で、オスプレイは離着陸時に強力な下降気流(ダウンウオッシュ)を発生させるのだが、凄まじい砂塵が舞い上がり、その砂塵をエンジンが吸い込んで失速する墜落事故も起きている。揚陸艦の飛行甲板に着艦しようとしてダウンウオッシュが機体に跳ね返り、風圧で墜落する事故も二〇一八年に発生した。

 強力なダウンウオッシュは周囲にも被害を及ぼす。二〇一五年五月には、ネパール地震の救援活動に派遣されたオスプレイが住宅の屋根を吹き飛ばしてしまった。これでは災害時に「活用」などできない。

 ヘリモードで着陸する際、ナセルから高温の排気が真下に排出されるのだが、それによって火事が起きることもある。その火で機体が燃える事故も起きている。

片方のプロペラが破損すれば墜落する

 オスプレイは長くない主翼の両端にローターを配置しているが、これは空中給油の際に給油側の装置がローターと接触しやすい構造だ。接触などで片方のプロペラが破損した場合、機体の安定を保つことができず、墜落に至る可能性が高い。二〇一六年一二月の沖縄・名護沖での墜落はそのような事故だった。

 オスプレイは高出力エンジンを備えているのだが、それでも機体をこれ以上重くすることができず、装甲や武装などの装備に制約があるという軍事的問題も指摘されている。装甲を厚くできないということは、被弾などでエンジンが破損しやすいということでもある。

米軍が公表した重大な欠陥

 これまで米軍は、オスプレイの事故の原因はパイロットのミスだと主張してきた。

 しかし、二〇二二年六月のカリフォルニアのMV―22墜落事故について二三年七月に公表した事故調査報告書で米軍は、パイロットにミスはなくクラッチの不具合が原因だと断定した。

 オスプレイは飛行中に、プロペラとエンジンをつなぐクラッチが外れ、再結合する際に衝撃が発生するハードクラッチエンゲージメント(HCE)を起こすことがあるという。二〇二二年六月の墜落事故は、二つのエンジンで同時にHCEが発生し、エンジンの動きをプロペラに伝えるインターコネクトドライブシステムが損傷したことが原因だ。

 米軍はHCEの発生を一〇年以上も前から知っていたそうだが、その発生原因は分かっていない。

 にもかかわらず、「米軍によれば飛行時間八〇〇時間を超えたクラッチの部品を交換すれば、HCE発生を九九%以上低減できる。だからオスプレイの安全は確保されている」というのが、昨年九月の時点での防衛省の担当者の言い分だった。HCE発生の原因は不明だが対処方法が「確立」されているから安全だ、と主張していたのだ。

 昨年一一月の屋久島沖での墜落事故の原因はまだ不明だ。しかし、これまでの対処法ではHCEの発生を抑えることはできず、重大事故が起きる可能性が残されていることは確かだ。

欠陥機の飛行は許されない!

 そんな危険なオスプレイについて昨年七月の日米合同委員会は、高度六〇メートルの超低空飛行訓練を日本国内で行うことに合意した。米軍は二〇五〇年代までオスプレイを使用し続ける計画だ。MV―22普天間基地配備の際に示された、安全確保のための飛行方法に関する約束は守られていない。

 CV―22の横田基地への搬出入の際には、横浜ノースドックに陸揚げされ埠頭上で離着陸が行われる。しかし、どこであっても欠陥機が飛ぶことは許されないはずだ。

写真エトキ

①離陸後、固定翼機モードへとモード転換するMV-22オスプレイ (2022年3月16日撮影)

②猛烈な水煙をあげて横浜ノースドックに着陸するCV-22オスプレイ。横田基地から飛来した (2022年6月2日撮影)

③2023年5月、横浜ノースドックに貨物船から陸揚げされた3機のCV-22オスプレイ。このうちの1機が、11月29日に屋久島沖に墜落した機体だ(2023年5月28日撮影)

職場から

 今年度、視聴覚の担当をしています。今では教室で当たり前のように存在している大型デジタルテレビ。

 PCやタブレットと接続して、画面共有したり、デジタル教科書を使ったりと色々な場面で使われています。コロナで生徒たちが集まれなくなった時期には、テレビを利用した校内放送が増えました。また、学校に大量のデジタル機器が投入され、委員会活動のお知らせなどの動画も以前に比べて簡単に作れるようになりました。

 便利なテレビですが、形あるものは壊れます。大掃除などで移動した際のアンテナ線の破損などは、ケーブル交換で済むのですが、テレビ本体が壊れてしまうと買い替えなくてはいけません。新しいテレビを買って問題解決!とはいかないのです。映像の校内放送が未だにアナログ放送で行われているためです。最近のデジタルテレビにはアナログチューナーはありません。

 苦肉の策として、アナログチューナーのついている古いビデオデッキを経由して、映像の校内放送をしています。そのアナログチューナー付きビデオデッキも、現在ストックしている物が壊れたり、確保している数以上のテレビの入れ替えが発生すると、お手上げになってしまいます。

 みらいスクールステーションによるVODやライブ放送も可能性はありますが、動画の再生開始・終了のタイミングが揃えにくいなど放送向きでなかったり、準備に手間がかかったりします。教育委員会もみらいスクールステーションは継続利用しない方針のようです。GoogleMeetなども利用できるかもしれませんが、短い昼食時の放送には不向きのようです。既存のアンテナ線を利用して、デジタルチューナーで映像・音声を送り出す装置もあるようなのですが、テストをする時間はない、ごちゃごちゃの配線のどこにどのように繋いでよいのか分からない状態。教育委員会が明確な方針を出してくれるといいのですが、ケースによって担当部署も色々らしく・・・現場は混乱しています。他の学校ではどのように対応しているのでしょうか?

   (中支部 高野猛)

訃報

 二〇〇九年から二〇一三年まで書記長として、横校労運動の中心となって支えて下さいました深澤裕さんが二〇二三年一二月二四日ご逝去されました。

 深澤さんは「横校労」の二〇〇七年四月号よりコラム「深やんの学校シッセキ簿」を執筆し、学校現場の諸問題をユーモアたっぷりに告発し、大好評を博しました。それは横校労叢書として刊行されています。謹んでご冥福をお祈りいたします。

横校労にはいりませんか

カンパのお礼

2月27日現在  287,400円

 横校労へのカンパが、たくさんの職場の皆さま、支援者の皆さまから届いています。誠にありがとうございます。来年度の機関紙「横校労」の発行に使わせていただきます。ニュースの出版、郵送に必要な約50万円を目標にしております。引き続きカンパへのご協力をよろしくお願いいたします。お近くの組合員にお渡しいただくか、表紙の郵貯の振込先へお願いいたします。

 「横校労」の感想等がありましたら、編集部までぜひお寄せください。

平和資料館の「一枚の絵」

 『おびただしい数の遺体』

 広島原爆ドームから少し離れた地点に「本川小学校平和資料館」がある。原爆投下による爆風と熱風によって校舎はほぼ全壊全焼したが、崩壊を免れた建物の一部を残して資料館となっている。地下には、原爆投下後の爆心地周辺のジオラマが展示されている。原爆ドームと周辺の一部建物と街の外側に残った陸軍施設だけが立体模型で並び、何もかもが爆風で吹き飛ばされてしまい、熱風で焼き尽くされた、荒涼とした砂漠のような姿を模している。円形のジオラマは見る人に原爆の破壊力の凄さを物語ってくれる。このジオラマは以前、広島平和記念館にあったものだ。

 ジオラマの奥に原爆を記録する市民の記録絵が数枚展示されている。その中に『おびただしい数の遺体』(題名)が並んでいる一枚の絵がある。描いたのは当時四一才で被爆した草田キヌさんが七〇才の時に作成したものである。絵の中に「本川国民学校を望む」と書かれている。恐らく草田さんが相生橋から見た惨状を記憶を頼りに描いたものであろう。

 橋の上から見る人々の目先には、本川の水を求めて石垣の間にあるがんぎ(船着き場の階段)を降り、引き潮の川原に入っていく人の姿が帯重なっている。手前のがんぎには黒い丸だけの頭がびっしりと並べられている。その先のがんぎには黒丸の頭の下に胴体まで描かれた人が並ぶ。石垣に沿った道に並んだ遺体も同様に手前側は黒丸だけ、奥は黒い頭の下に胴体と手足が見える。川にも川原にもたくさんの死体が横たわっている。描ききれない数の遺体である。

 あまりにも凄惨な光景に黒焦げになった塊でしか、記憶に留め切れなかったのではないだろうか。あるいは、遺体を人間として描くことを拒否するメッセージなのかも知れない。

 もともと米軍は相生橋に照準を合わせて原子爆弾を投下した。橋から直線で五〇mしか離れていない場所に本川小学校は建っていた。夏休み前に登校していた児童約四〇〇名、教職員一〇名が死亡した。生き残った児童教職員はそれぞれ一名だけだった。校舎は当時では珍しい鉄筋コンクリート造りであったが全焼し、校舎の骨格だけが残った。爆風で窓ガラスは飛び散り、高温の熱風が吹き込み、多くの人は即死状態であったと言われている。

 絵の中に黒い塊で描かれていたのは本川小学校の児童であり教職員であろう。彼らはただ黒い丸でしか残されてはいない。なんという悲惨悲劇であろう。一発の原爆投下によって市街地が一瞬にして廃墟と化したことが一目瞭然に想像できた。

今また、同じことが繰り返されている。白い布に包まれた遺体が無数に並べられた惨状を連日、テレビが放映している。ガザへのイスラエル爆撃による犠牲者の遺体だ。兵士たちはもとよりイスラエル国民もこの惨状を見ることはない。知らされてもいない。空爆・地上爆撃で亡くなる人々の多くは女性であり子どもたちである。

 これ以上の犠牲者を出すことを許してはいけない。爆撃を止めなければならない。

 即時停戦と爆撃阻止の声を上げよう。

   (大船支部 針谷秀雄)

編集後記

 たくさんの方からカンパが届いている。少数組合であるだけに、皆さまからのカンパは本当にありがたい。職場でカンパを渡してくれる方、機関紙の感想を伝えてくれる方、「なぜ横校労に入ったの?」と興味をもってくれる方、関心を頂けると励みになる。

 卒業式練習が始まり、成績処理でも忙しい時期。年度末の事務仕事もてんこ盛り。小学校では授業が終わって、職員室でのコーヒータイムでほっと一息。休憩時間に仕事をしている人も多いが、休憩時間は毎日きちんと確保されている。

 中学校では、休憩なしに部活動の指導が始まり、しかも部活終了時間は、定時を大幅に過ぎた時刻!信じられない。小学校の教員でよかったと、つくづく思う。(夏休みも部活がない分長く休めるし。中学校の方、すみません!)市教委は、抜本的解決をせずに、こねくり回した回答で「休憩時間は取ることになっている」「取得できないはずがない」の一点張り。休憩も取れない連続勤務を強要する職場など、ますます若者に嫌われる。措置要求を通して、少しでも改善されることを願う。

 三月を迎え、一年が終わる。そして、また新たな一年がスタート。新鮮な気持ちで子どもたちと向き合うためにも、自分の心身の健康のためにも、春休み、少しでもリフレッシュしましょう!

   (n)

連載第30回 3・11とアート ―《氷立 毒消し売りの女たち》―

   山内若菜

わたしは社会的な人間

労働者としての絵描き

最近芸術は思いやりか

思想信条が違う人にも

届くように考え模索し

自分の意識を絵を変え

芸術は毒を止められる

氷に立つ越後の雪道を

自分の足で 原始的に

世界の毒を火種を消し

毒消し売りは行脚した

原発マネーが村を舞い

毒消し村は根刮ぎ消え

市民投票で原発を止め

今も火種はくすぶるが

毎日カクメイ行脚する

これからの展示のご案内

2024年5月18日(土)~5月26日(日)

「山内若菜予感展」 横浜市・鶴見サルビアホールにて

※詳しくは山内若菜ホームページをご覧ください

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