【全学労組・全学労連】2019学校労働者全国交流会in東京 全体集会報告

全国交流

表記集会が、東京都目黒区池尻大橋で8月2日、3日に開催された。全学労組は教員、全学労連は事務職員を中心とした共に上部組織を持たない独立系の組合である。

 初日は、大橋会館会議室でのシンポジウム約100名が結集し活発な議論が展開され、2日目には全学労組は3つの分科会で議論を深めた。以下にシンポジウムの報告のポイントを記す。

報告「神戸市立学校働き方改革推進プランの課題」

 神戸市教委が配布した「働き方改革にご協力ください!」と記された、保護者・地域向け冊子に神戸自教労、高橋委員長より批判的検討の提起があった。「働き方改革」は中教審に限らず、横浜市、神戸市でも「これまでの働き方は子どものためにならない」という表現である。

 学校での労働環境を改善するのは「子どものため」であり、そのプロセスとして教員の働かせ方を見直す程度なのだ。「働き方」ならば、主体である労働者を第一義とすべきだが、所詮は官製の改革。また「子どものため」という言葉を使う者は、怪しいのが相場。

報告「会計年度任用職員」

 大阪教育合同は、学習塾や大学の講師まで幅広くカバーする組合で、教員であれば非常勤やALTも所属している。非常勤やALTは、身分上は「特別職非常勤職員」と呼ばれ、労働争議を労働基準監督署に提訴できたのだが、来年度以降は「会計年度職員」となり地方公務員法が適用され、争議は人事委員会への提訴となる。

 大阪教育合同の酒井書記長は、この「地公法の適用」が、闘争を困難なものにするという。要するに人事委員会は行政よりなのだ。

 私の以前の勤務校での事案。非常勤職員が、年度末が迫った頃、副校長から「所定の授業数を超えたので、以後の授業は報酬が払えない」と言われた。これが雇止めでも問題なのだが、なんと副校長は「以後は報酬なしで授業をやって」というスタンスだった。

 これが周囲の知るところとなり、分会での議題に。校長に問い質したところ一定の解決がなされたが、労基署への相談でも良かった案件であった。

 横浜市立学校の非常勤職員は、1000人超であろうし顕在化しないだけで、労基署に相談すべき事例が多くあったものと思われる。しかし、それも閉ざされるとなると、「会計年度職員」、労働条件の改悪である。

懇親会の様子

「給特法の呪縛」

 シンポジウムの参加者から「給特法ができてから約50年、今まで超勤手当がない状態が続いていたのに、なぜ今になって問題が噴出したのか?」という質問が出た。全学労組、横校労は給特法を「廃止すべき」と主張して久しいのだが・・・、私は司会で応答しなかったが、考えが二つある。

 まずは、「労働運動の解体が臨界点に達した」こと。際限ない長時間労働、部活動の全員顧問制、キャリア教育、英語教育、人事考課、職階制の導入などこの20年ほど労働条件は厳しくなる一方だった。

 現場の教員は「過重」を認識するものの、その負荷への適応に腐心し、「負荷」自体を取り除く労働運動的な発想は意図的に避けられた。歯止めをかける主体がない中で、支えきれない学校組織が行政主導で作り上げられた。

 次に「教員のなり手不足」。多くの自治体で採用試験倍率が低下傾向にある。また、免許更新制により、臨時的任用教員の確保が難しくなった。

 現職で働いていなければ免許を更新する人は稀。地教委が教員を臨時に採用しようとしても、免許を失効している事例が多発。常勤、非常勤双方の教員が不足する事態が、特に都市部で起きている。

 肥大化した学校に、深刻な労働力不足。そこで「働き方改革特別部会」として、提灯持ちではあるものの識者を集めたら「給特法」に注目が集まってしまったというところか。制定から50年、悪用が過ぎて行政側にも弊害をきたす給特法。呪縛されているは教員のみではないようだ。

給特法

公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」の略称教員の勤務態様の特殊性をふまえ、公立学校の教員について、時間外勤務手当や休日勤務手当を支給しない代わりに、給料月額の4パーセントに相当する教職調整額を支給することを定めた法律。1971年制定

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