ニュース 2024年4・5月号 №546

学校の風景

 ~新しい一年と、昨年度からのスタンダード校~

 三月現在、勤務校のある学年が荒れている。他学年の担任も関わり、保護者も関わり、指導主事も関わる。そんな状況では休憩時間は有名無実。退勤時刻は定時になどなるはずもない。恐ろしいかな、当該学年は毎日のように二二時を超えて退勤しているという。労基法って何だっけ。次年度は間違いなく、その学年を中心に学校運営がなされるだろう。

 それにしても、何故、彼らは荒れたのか。これには、〈学校スタンダード〉による締め付けも要因の一つであるように思える。授業合間の五分休憩すら無くす提案が指導部会に上った時は度肝を抜かれたが、「帰りの会にジャンケンをしない」が新スタンダードとして学校経営の反省で検討された時は流石に笑った。先輩教諭曰く、「これら教員の一環した指導を行うことで、いざこざが生まれなくなる。子どもは日々恙なく過ごし、働き方改革に繋がる」と。その結果が、果たして期待した通りになったかは、もはや言うを待たない。

 勤務校の教職員は皆、真面目だ。目標に向かって一直線だ。しかし、我らが〈学校スタンダード〉は、教育的なのだろうか。教育が文化の継承的側面をもつ以上、子どもの動きを制限しなければならない面はある。けれども、「管理」されてばかりでは、大人だって息が詰まる。大人でさえそうなのだから、子どもにとっては尚更だろう。あの子らの悪態には腹が立つが、自由を求め履き違えてしまった、叫び声のように思えてならない。今は、誰も幸せになっていない。

 デューイは『民主主義と教育』で、教育を受ける者も授ける者も幸せでなければならないと言った。それは共感できると思った。

 学校教育は、子どもも大人も幸せになれるものであって欲しい。その実現をすべく、雪を踏み締めるように一歩ずつ、歩みを進めていきたい。

休憩時間に関する措置要求③反論書その2を提出!

 休憩時間取得の実態把握を市教委は示せ!

   執行委員長 名児耶 理

前回までのあらすじ

 昨年一〇月に休憩時間に関する措置要求書を提出しました。要求の趣旨は①休憩時間が取得しづらい状態を改善する措置、②休憩時間内にやむを得ず行った時間外勤務の実績を記録できるように教庶務システムを改修する措置です。要求書に対する当局からの意見書は労基法を軽視したもので、これに対して反論書を提出しました。

 今回は、当局からの「反論書に対する意見書」(意見書その2)が届きましたが、全く回答になっていないものでした。これに対し「反論書に対する意見書に対しての反論書」(反論書その2)を提出しましたので、ご報告します。

当局からの意見書その2

 こちらの反論書に対して当局からの意見書が資料とともに送られてきました。内容は大まかに次の通りです。

1 業務の都合により、あらかじめ決められた時間通りに全員が一斉にまとめて休憩を取得することが困難な場合があることから、やむを得ず休憩時間に休憩を取得できない場合、分割して取得させることや時間をずらして必要な時間を取得させる方法もあることを学校長に通知(別途資料)して授業の空き時間を充てるなど取得することとしている

2 授業以外の業務があることは通常で、分担や業務の処理能力、個々の時間の管理能力にもよるが、空き時間に業務があることと休憩時間が取得できるかは別の問題で分割して取得できないとまでは言えない

3 要求者は副担任であり、四校時と五校時の間等は休憩時間に充てられる

4 やむを得ずずらして確保した休憩時間の記録や自発的な休憩時間の利用実態までシステム管理することは現実的ではない

労基法を守らせる、休憩時間を取らせる気があるのか?

 意見の前半はもはや禅問答のようで、取得させるよう言っているの一点張りです。前回の反論書の中で求めた校長への通知が資料として添付されましたが、資料は時間外勤務の管理、削減に関するもので、休憩時間取得についてふれている内容には、現場の実態に沿う形で確実に休憩時間を取らせようとする具体的施策が何も示されていません。

休憩時間の取得実態を本当に把握しているのか?

 休憩時間の取得について通知した結果を当局はどう評価しているのか、また、休憩時間取得の実態把握について求めましたが、全く示されませんでした。当局は労務管理を指導する立場ですから当然休憩時間取得実態を把握すべきです。こちらは実態を数的に明らかにするよう再度要求しました。

休憩時間が取れないのは個人の能力の問題か?

 当局の意見書は「分担や業務の処理能力、個々の時間の管理能力にもよる」と言って、休憩時間が取れないことを個人の能力の問題にすり替えています。個人の能力に関わらず休憩時間は取得されなければならず、当局は明らかに労基法を軽んじています。

業務がありすぎる中で休憩など取れない

 当局は“授業の空き時間”に諸々の業務があっても休憩は分割して取れると言いますが、授業準備や評価物の採点、分掌業務、生徒指導対応、電話対応、校内の巡回、打ち合わせ等、やらなければならない業務がありすぎる中で休憩など取れません。たとえ副担任であっても(放送担当指導など)生徒が在校し、授業時間内や活動中などに、職場を離れて労働から完全に解放されている状態(休憩時間の自由利用の原則)で休憩を取ることは到底できる状況ではありません。

是正するための具体的策を講じよ

 学校運営上、休憩時間に業務を充てなければ成り立たない、分割取得もできない状態になっているにもかかわらず、校長がこれを放置し、改善しようとしていないことは、当局の指導が不十分であることが原因です。当局は勤務時間に収まる業務量を設定するよう指導する立場であり、これを是正するための具体策を講じる責任があります。

システム改修は労務管理上現実的ではないか?

 教庶務システムは時間外勤務実績を記録するなど労務管理上必要なシステムのはずです。にもかかわらず、システムへの記録なしにどのように校長や当局は休憩時間の取得実態を把握するのでしょうか。休憩時間内にやむを得ず行った時間外勤務の実績を把握もせず、取得できなかったことを記録させないことは労基法違反です。

次の展開へ向けて

 こちらの反論書その2を受けて、再度当局からの意見書が出るのか、特に休憩時間取得の実態に関する資料を出してくるのかどうか、また、このやり取りを人事委員会がどう判断するか、次の展開を待ちたいと思います。

 最後に、皆さんの職場では休憩時間は取れているでしょうか。四月に校長から休憩時間の割振りは示されたでしょうか。本来取得されなければならない休憩時間など気にすることもできないくらい、学校現場は膨大な業務量に疲弊させられています。健全な労働環境が健全な教育活動を生む、その当たり前を引き続き訴えていきたいと思います。

横校労第73回定期大会 討議盛り上がる!!

 ~現場のことなら、横校労!~

 三月三一日(日)、横浜市健康福祉センターにおいて、第七三回定期大会が行われた。今年度は、久しぶりに九時半から一六時まで昼食をはさんでの開催となり、活発な討議が行われた。組合員一五名の他、五名の来賓の方にもご来場いただいた。(埼玉教育労働者組合、がくろう神奈川、福島原発かながわ訴訟原告団団長、歴史教科書に対する〈もうひとつの指導書〉研究会代表、港北ジャーナル編集長)またリモートで、兵庫県自立教育労働者組合連合会、千葉学校労働者合同組合からもご参加頂いた。

総括・方針について

〇学校での働き方を改善していく取り組み

 昨年度は組合員のいる各職場で職場交渉を行い、申し入れと回答について校長に確認し、職場に配布した。「適切な配慮」「自己啓発研修」の扱いを明確にして、積極的な活用を広めることができた。今年度も継続していく。

 中学校の現場では、休憩時間が全く確保されていない現状に対して、名児耶委員長が措置要求を出し、労働条件改善を市教委に要求している。措置要求対策委員会を設置し、今後の対応を図っていく。(P2参照)

 能登半島地震をきっかけに、緊急災害時の労働条件に関しても申し入れを行った。(P4「働き方いろは」参照)

〇人事評価・賃金に対する取り組み

 年収で三・三%のアップの改定が示されたが、民間の賃上げ率三・五八%には至っておらず、物価の上昇で実質賃金は下がっている状況である。今年の春闘では、定期昇給を含む正社員の賃上げ率は平均五・二八%で三三年ぶりの高水準と伝えられた。公務員に対しても同水準の賃上げがされるよう要求していく。

〇ハラスメントに関する闘い

 ある職場において職員の生徒に対する威圧的な指導、人権を無視した発言などが職員の休職の原因となった問題に対し、校長、人事課に対して申し入れを行った。職場環境の改善に対して、注視していく。

〇様々な制度改革・教育内容批判への取り組み

 ICT関連の業務が多岐に渡り、個人的に任務が集中している状況がある。公立高校入試では、一斉WEB出願となり、入力情報の取り扱いや連絡メールの不具合などが多発し混乱した。あらゆることが拙速に進められることについて問題提起していく。また、GIGAスクール構想から教育DXという次の展開に伴い、教育内容の吟味、ICTが多様性の一つの手段であるという捉え方等、問題提起をしていく必要がある。デジタル化推進ばかりの研修に流されず、問題を批判する力を身につけ、職場につなげていく。

 以上、長丁場の大会でしたが、各組合員から様々な、鋭い意見が出され、非常に活発な討議となりました。現場組合員からも各職場の状況等が積極的に報告されました。組合員それぞれの思いを分かち合い、共に進んでいこうと思えることが、労働組合の存在意義だと改めて実感しました。

【スローガン2024】

・ 職場諸問題への即応体制をつくり、労使関係を軸に問題解決を図ろう!

・ 学校労働者の働き方を日常的に見直し、給特法の廃止に向けた取組を強化し、働き方改革の名のもとに進む労働条件悪化を許さず、労基法に適用を実現しよう!

・ パワハラ、労働強化を強いる管理職、中間管理職の主幹教諭を真っ正面から批判し、風通しの良い職場をつくろう!

・ 教育DX制作に対し注視、分析し、その問題点を追及しよう!

・ 福島第一原発事故の風化を許さず、様々な汚染の実態を明らかにし、再稼働を阻止し、全原発廃炉を目指そう!

・ 現場のことなら横校労!勤務時間のことなら横校労!困った管理職には横校労!パワハラ・セクハラ対策なら横校労!出産・育児の権利は横校労!市教委に対峙するなら横校労!現場で解決できる運動を進めよう!

・ 若い教員の悩みを積極的に受け止めその解決を図る組織をめざそう!

・ 横校労運動の蓄積を継承し、組合員の拡大を位置づけると共に、横校労組合員同士の対話・協働によって団結を強め、横校労の今後の展望を勝ち取ろう!

   (東支部 中島 佳菜)

働き方いろはの「み」

「給特法」による働き方のゆがみは大規模災害時にまで及ぶ!

 能登半島地震でも学校施設が一次避難所にされ、被災者は充分な暖房も食事も無く入浴もままならない、プライバシーも保障されない中での避難を余儀なくされました。その劣悪な環境の中で多くの教職員が時間外勤務を強いられていた事も容易に予想されます。

「教職員も被災者なのに 出勤強要4割感じた」

 東京新聞の記事の見出しです(4/2夕刊)。県教組奥能登支部のアンケート結果によれば、震災直後出勤の強要が「あったと感じた」が39.7%、「なかった」が46.7%、「何とも言えない」が14.7%。最も早く学校を再開した珠洲市では、56%の教員が出勤を強要されたと回答し自由記述では「1ケ月間出てこられなかった先生に対し管理職が『出てくるのが遅い』と発言。一時期職員室に全職員の出勤率が書かれていた」「電気も無く電波も届かない学校へ集めるのはどうか」などあり、出勤を求められた事に重圧を感じ無理に学校に行って精神的な不調をきたした教員もいたとあります。

 横浜でもいつ大規模災害に見舞われるか分かりません。私達は横浜市教委に対して「非常災害時の横浜市教員の労働条件に関する申入れ」を行いました。以下に主な内容をお伝えします。(詳細はHPで)

1 非常災害時の時間外勤務はどのように指示されるのか。また、教員自身や家族が被災している場合はどうなるのか。

 市教委回答(以下→)(*解説)

→超勤4項目に該当する業務については学校長が勤務時間外に勤務を命じることが出来ます。但しやむをえない事情により勤務が出来ない場合他の職員で対応することになります。

*「給特法」により管理職は職員に時間外勤務を命じることはできません。しかし、例外が4項目あり、その一つが「非常事態等やむをえない場合に必要な業務」で、校長が私達に職務命令を出す形になります。応じられない場合職務命令違反かと問うと、市教委はそれぞれの職員の置かれている状況に基づいて勤務が出来ない場合は校長が判断するとしました。皆さんが勤務を行える状況に無いときには管理職に伝え、無理な勤務を強要されない様にしなければなりません。

2 月、年単位で延長することができる法定労働時間数を超える時間数は?(命令出来る時間外勤務時間数の上限を問いました)

→教員は36協定の対象外になりますが、「横浜市立学校の教育職員が行う業務量の適切な管理等に関する規則」において時間外在校等時間を月100時間、年720時間、連続する2~6箇月のそれぞれの期間において各月の平均時間を80時間、月45時間を超える月数を年間6月までの範囲内とするため、教育職員が行う業務量を適切な管理をするものとしています。

*36協定とは労基法36条に基づく「時間外労働・休日労働に関する協定届け」のことで、法定労働時間を超える時間外労働・休日労働について労働者代表と使用者が交渉し上限を確認し交わすものを言います。違反すると使用者には刑事罰が課せられます。教育現場では私立学校、国立学校教員はもとより、私達の職場でも事務職員、栄養職員、用務員は協定を結んでいます。結んでいないのは公立学校教員だけです。

 私は以前の職場で労働者代表として事務職員、用務員の要望を確認し実現可能な時間外勤務時間の上限を設定し校長と協定を締結しました。これは労働者として当然の権利です。しかし、教員は36協定の対象外とされ交渉すらできないのです。

3 管理職によって命令された時間外勤務、休日勤務の労働の対価(残業代)は?

→教員については給特法に基づき時間外勤務手当は支給せずに、勤務時間の内外を包括的に評価して給料の4%の教職員調整額を支給することとされています。

*36協定は、災害時等の緊急事態の対処における限度時間を超えた労働に係る割増賃金は

 ①25%又は35%(勤務時間が午後10時から翌日午前5時まで間は更に25%を加算)

 ②1箇月について60時間を超えた場合、前項の規定に関わらず50%(勤務が午後10時から翌日午前5時までの間は75%)の割増賃金としています。しかし、教員はいくら災害時対応の時間外勤務をしても「給特法」による4%の教職員調整額のみで定額働かせ放題なのです。

4 特殊勤務手当の3号(ア)(6時間以上は日額7500円、2時間以上6時間未満は日額1100円)の回数制限はあるのか。

→特殊勤務手当の支給回数の上限はありません。

*特勤手当の回数制限は無いとのこと。しかし、特勤手当とは、死刑執行、放射線取扱、皇族の護衛など極めて特殊な勤務に対して公務員に支給され金額も様々ですが、基本給に加算されるものです。

*「給特法」による働き方の歪みは大規模災害時にまで及んでいるのです。「給特法」を廃止して労基法を適応することで、私たちの働き方を正常にする必要性を強く感じます。

   (中支部 平川 正浩)

千葉サポーター事件傍聴報告

 ~明らかにされた県教委のウソとデッチアゲ~

 二月一三日、千葉地裁松戸支部において、組合活動家敵視・千葉学習サポーター不採用事件の第六回口頭弁論が開かれました。今回も関東一円から多くの仲間が結集、傍聴席は支援者で満席となりました。

 争点の一つである、千葉学校合同労組の執行委員長として長く活動してきた原告吉田晃さんの存在を被告県教委が明確に認識していたかどうか。被告は学校合同労組が千葉県教組(一万人)に比べ、規模の小さく存在を認識していなかったと主張。これに対し原告側は、吉田さんが柏市や東葛地域において、教育事務所の所長訪問や指導室計画訪問の形式を大幅に変えさせたことや男女混合名簿の実現、「日の丸・君が代」等、教育事務所や校長にとって無視できない存在であったと主張、交渉、要請等の膨大な件数を書証で示している。知らなかったという言い逃れはできない。

 次に面接官の面接評価票について。面接官Aは「配置を避けてほしい地域はどこですか?」と質問、受験者は「屋敷小と勝田台小に・・・妻と子がいる」と答えたという。また面接官Bは「妻が屋敷小、子が勝田台小にいる」と発言があったと記憶しているとする。しかし、原告吉田さんは独身であり、妻も子もいない。あえて存在しない妻子について創作、言及する理由は、吉田さんにはない。

 つまり、この面接評定票に書かれた評価は「妻子の話をした別の受験者」のことであって、原告吉田さんの評価ではないということになる。笑止である。

 知っていることを知らないと言い、言ってもいないことが記録に残っている。いわく言い難いいい加減さ。二〇二〇年の学習サポーターの応募者は二六三名。不採用者は二名のみ。採用者の中には教職経験のない者もおり、四〇年以上現場教員であった吉田さんが不採用となる理由は見当たらない。被告は「採用基準に満たない」が不採用理由だが、その採用基準をいまだに明示していない。杜撰で恣意的な選考は、原告の組合活動に対する明らかな敵視である。

 次回弁論は、四月二六日(金)一三時三〇分、千葉地裁松戸支部506号法廷で開かれる。注目を!

   (赤田 圭亮)

3・20 さようなら原発 全国集会

 フクシマを忘れない!原発再稼働を許さない!汚染水を流すな!

   参加報告 溝口 紀美子

 春の「さようなら原発」の集会は、たいてい天候に恵まれない。午後から雨の予報を聞きながら渋谷の坂を上った。代々木公園ではオープニングを前に多くのブースが並んでいた。「フクカナ」のブースを確かめて、原宿側の入り口に向かった。入り口では、裏がプラカードになっているプログラムを参加者に配っていた。「さようなら原発NO NUKES」「フクシマを忘れない!」「原発再稼働を許さない!」「汚染水を流すな!」の四種類あった。私はその配布の手伝いに加わった。次々にやってくる参加者にプログラムを手渡すのだが、皆好きなスローガンを選んで持っていく。中には地元での活動のために全種類のプログラムを欲しがる人たちもいた。誰もが気軽にしゃべり笑顔を交わして旧知の仲間のようだった。

 一時から、松元ヒロさんのトークライブが始まり、笑い声が会場から湧き出てくる。『ヤジと民主主義』の話が聞こえ「声を上げて行こう」と大声が響いた。その頃、雨がポツポツと落ち出し、プログラムを抱きかかえるようにして雨を避けた。やっぱり降り出したねと仲間うちで苦笑い。一時半からは、落合恵子さんが能登の地震の話をして地震大国に原発はいらないと訴え、澤地久枝さんが車いすで登壇して、話すときは立ち上がって「九三歳です」と言いながら「ささやかでも努力する」と力強くおっしゃった。

 横校労の七人の面々は、故深澤書記長が「ばか者!」と叱責している「横校労」と染め抜いた赤い旗の下に集まって話を聞いていた。私も手伝いを終えて合流した。「フクシマ連帯キャラバン」、志賀原発、女川原発、東海村等々各地の活動が報告され、最後に鎌田慧さんが「さようなら原発」の力を強めようと締めた。その後は渋谷から明治通りを通るデモコースで、雨の上がった休日の繁華街に「原発いらない」と声を上げた。

横校労に入りませんか

働き方で悩んでいる、パワハラを受けている、などのご相談がありましたら、横校労までお寄せください。一緒に考えていきましょう!

今年の横校労メーデー行動は「かば」上映会!

横校労は毎年「メーデー行動」を企画してきました。今年は映画『かば』の上映会を行います。上映会には、関西から川本貴弘監督が駆けつけて頂けることになりました。

映画「かば」って?

 『かば』は一九八五年大阪市西成区の中学校の実話を元にした作品です。被差別部落、在日朝鮮人部落、沖縄出身者居住区に隣接し、出自や偏見、貧困などに直面した中学校。一九八五年と言えば、私が初任として赴任した頃で、横浜も全国的な「荒れた学校」の真っ只中にありました。厳しい毎日でしたが、その働き方にはかなり自由度があり、パソコンよりも生徒と向き合う時間が圧倒的に多かった時代を描いた作品です。

 重要なテーマは出自による差別。川崎市は全国初の刑事罰付ヘイトスピーチ条例が施行され三年になります。相模原市もヘイトスピーチ禁止条例が四月一日から施行されましたが、罰則規定がないなど抗議が市に殺到し人権審議委員二名が辞任したと報道されています。横浜市はどうなのでしょう。

 この映画が人権問題を考えるきっかけになればと思います。私自身もその後「私のはなし、部落のはなし」(満若勇咲監督)、「もっと真ん中で」(オ・ソヨン監督)、「福田村事件」(森達也監督)を見て考えを深める事ができました。

 上映後は、川本監督のお話を受けてフリートークの時間を設定しています。皆さんの感想、意見を出し合い、交流して有意義な時間を作れたらと思います。是非お気軽にご参加下さい。

   (中支部 平川 正浩)

 (参加希望はお近くの横校労組合員、又は横校労メールへお願いします。)

日 時  5月3日(金)憲法記念日

会 場  横浜市社会福祉センター8階(桜木町駅徒歩約3分)

開 場  12時40分~

開 会  13時00分

上映開始 13時05分~15時20分(2時間15分)

     15時20分~16時30分

    川村貴弘監督からのお話・フリートーク

閉 会  16時45分

入場料  1000円

  映画詳細は下記公式ホームページで

映画「かば」-西成を生きた教師と生徒ら- 公式サイト
1985年大阪市立鶴見橋中学校に実在した教師と生徒の物語。心の底から向き合った彼らの青春を描く、実話に基づいた映画です。2010年5月ひとりの中学校教師が亡くなった。彼の葬儀では皆、号泣して見送ったという。 これほどまでに惜しまれる教師とは…

カンパの御礼 総額356、400円

職場の皆さま、読者の皆さまからのカンパが総額356、400円となりました。たくさんのカンパを頂き、誠にありがとうございました。カンパは、ニュースの出版、印刷代に当てさせて頂きます。

読者の声

 ~カンパと共に寄せられた声など~

 耄碌は進み、移動も困難になってきた九八才です。「横校労」は貴重な情報源、指針でもあります。今年もどうぞよろしく。

   (東京都 北村小夜)

 いつもニュース送付ありがとう。勉強のつもりでよませてもらっています。頑張ってください。

   (愛知県春日井市 渡辺真臣)

 いつも横校労ニュース楽しみに読ませていただいています。今東京で時間講師をしています。横浜と東京の教育現場の違いにいろいろと考える事が多い日々です。毎日大変とは思いますが、健康に気をつけて頑張って下さい。

   (東京都非常勤講師)

 三月まで他市で勤務をしていました。横浜市に住んでいるため、子どももいて通勤の負担が大きかったので退職し、四月から横浜市で働いてます。夏に試験を受けて合格し、とても楽しみな気持ちで校長面談に行きました。まず校長先生から「初任だけれど主任です」と言われました。不安な気持ちのまま迎えた四月。学年主任のため、学校の運営に関する会議もあり、大変な思いをして試験を受けて合格し、正規だからといっていきなり主任にされて・・・だったら試験を受けずに臨任でもよかったのではと自問自答しています。横浜市に移った目的が通勤時間の短縮ですが、近くなったのに今までと保育園の迎えの時間が変わりません。忙しくて帰れません(;_;) 横浜市が忙しいのか・・・それとも今の学校が忙しいのか・・・慣れたら少しは楽になると思うので、慣れるまでまずは頑張ります。

   (30代小学校教員)

タブレット端末配布はなんのため?

 ……『デジタル教育という幻想……GIGAスクール構想の過ち』(物江潤 平凡社新書)を読んで考えたこと……

 タブレット端末が一台ずつ子どもに配られると聞いた時、コロナ休校の対策だと思った。PCがない家庭はオンライン授業をどうするのかと気になっていたのだ。しかしタブレットの配布は「GIGAスクール構想」の一環で、コロナで前倒ししたのだそうだ。

 ギガってなんだ?新聞広告で「デジタル教育という幻想……GIGAスクール構想の過ち」という新書を見つけ購入した。GIGAとは「Global&InnovationGatewayforAll」の頭文字だとか。(政府が英語や略語を使う時は気をつけろ!)

 筆者によれば、GIGAスクール構想は、政府・文科省が下流(学校現場)に流す有害な施策だという。一人に一台のタブレット端末の配布で、子どもたちが自主的に学習し、教育効果が上がるというのは学校現場を知らず楽天的に過ぎる。子どもたちはゲームやYouTubeに走って収拾がつかなくなり、教師は管理できずに指導を断念、そして深刻な問題が生じる、と。

 なるほど、デジタル機器は子どもにとってコミュニケーションや学習の道具である前に、好奇心を駆りたてるおもちゃで、教室で一斉に遊び始めたら収拾がつかない。私は以前、隠し持った一台のケータイで教室が大混乱した経験があるが、端末が配られた現場ではどうなっているだろう?デジタルデトックスが必要だという専門家の声もあるほど、デジタル機器は子どもには要注意。ゲーム障害は人格まで壊れるのだ。無感情・無関心な子どもの増加は、デジタル機器が心の発達を阻害することも一因ではないかと、私は疑っている。

 筆者によれば、ゲームはやめられなくなるように作られているという。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツがわが子のデジタル機器利用を禁止したとか、厳しく制限したというのは有名な話だ。

 一方、文科省の言い分は?GIGAスクール構想は二〇一九年に閣議決定され、「GIGAスクール実現推進本部」が発足している。文科大臣のメッセージには、「一人一台の端末環境」「統合型校務支援システムをはじめとしたICTの導入・運用の加速」とある。それによって「授業準備や成績処理等の負担軽減にも資するものであり、学校における働き方改革にも」つながる、それだけである。

 教員にあまり評判がよくない「校務支援システム」もGIGAの一端だとわかったが、負担軽減になっているだろうか?タブレット端末が子どもにどんな効果をもたらすのかなど、おなじみの「教育的ねらい」が見つからないのだ。

 因みに文科大臣は萩生田光一、安倍政権下である。膨大な予算はどこに流れるのだろう?あのアベノマスクのようにピンボケな上、金の匂いを感じるのは私だけ?そして現場の影響はマスクよりはるかに大きい。

 オランダ政府は四月一日から学校でのタブレット端末、携帯電話などの使用を禁ずるという。授業中に機器を使用することで子どもたちの集中力低下や、成績への悪影響が生じているためとしている。いつものように日本は周回遅れ、そして根拠のない(?)楽観主義である。

   (酒田支部 浜田 謙一)

編集後記

 新年度がスタート。横校労は、四月一日の初任者の辞令交付式でビラ撒きを行いました。多くの初任者がビラを受け取ってくれたとのこと。退職組合員の教え子も何人かいたそうだ。不安の多い一年目、何か困ったときに横校労に相談してほしいと願います。

 定期大会では、普段あまり会わない組合員と情報交換、意見交換をするよい機会となりました。学校と組合の仕事、正直大変なこともありますが、職場での悩みを相談できる場として「仲間がいること」は本当に心強いと改めて感じました。

 職場では、異動、育休明け復職、時短勤務、時短からフルタイム勤務、介護、体調不良など様々な事情を抱えた方がいることでしょう。お互い声を掛け合って、助け合える職場にしていきたいものです。助け合うことで居心地のよい職場に変えていけたらと思います。

   (n)

連載第31回

3・11とアート ―《赤い唇を開けた建物のある光景》―

   山内 若菜

 福島県生まれで、私のように印刷会社に勤め続けた画家、関根正二の自画像を見た。新潟で、巻原発を建てさせなかった(民主主義の学校)を取材した。新潟で見た残った建物が、女性が唇を開けているような光景となって私の前に表出した。

―スケジュール―

旧日銀広島小品展 片瀬山エスポアールに巡回

4月9日~7月4日 毎日1時~4時(月金休み)

5月18日(土)~5月26日(日)

 「山内若菜予感展―神々の草原・讃歌樹木―」

横浜市・鶴見サルビアホールにて(無休 全日在館)

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