新年度がスタートし、管理職が異動した職場も多いことでしょう。横校労組合員が所属する職場では、教職員の勤務条件をより良いものにするために、年度初めに校長交渉を行っています。
これは、労働組合として法律に定められた当然の権利であり、労働組合として最も重要なものであると思います。今回は申し入れの例をもとに交渉で確認すべき項目について見ていきたいと思います。
2019年4月○日 横浜市立〇〇学校校長 〇〇 様 横浜学校労働者組合 勤務時間に関する申し入れ 地公法55条に基づき、以下の点について交渉を申し入れます。私たちは労働組合の立場から教職員の勤務条件をより良いものにするために取り組んでおります。お互いの立場を尊重し、より良い勤務条件を作り上げるために、貴職におかれましては以下の項目に対して誠意ある回答をされることを、衷心よりお願いするものです。 【勤務時間の割り振り】 ① 2019年度の勤務時間の割り振りについて早急に文書にて職員に提示されたい。 ・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・ 【宿泊行事の勤務時間の割り振りと振替について】 ⑧ 宿泊行事について早期に勤務時間の割り振りを提示し、教庶務システムへ設定をされたい。 ⑨ 宿泊行事の実際の勤務時間を何時から何時であると捉えているか明らかにされたい。 ⑩ 2泊3日の宿泊行事については生徒の在宅観察を1日と設定し、勤務時間の4時間の割り振り変更と校長による適切 な配慮による3時間45分をセットにし1日休む事ができる事を確認し周知されたい。 |
今回のポイントは宿泊行事における勤務時間についてです。
私たちの勤務時間は7時間45分です。それぞれの職場では5〜6月に宿泊行事が予定されていると思いますが、皆さんの職場では宿泊行事の勤務時間の割り振り変更は提示されたでしょうか。
宿泊行事の際には変形勤務時間制度により、11時間45分まで勤務時間が割り振りできます。実際の勤務実態は、夜は深夜まで、朝は早朝から巡回等があり、この範囲で終わるはずもなく、超過勤務が余儀なくされます。
これらを、振替と適切な配慮によって、しっかりと疲労を回復し健康を維持するために、休養する時間を確保することを管理職と確認しましょう。
振替の取得期間は実施日を含めて前後4週間なので、それぞれがとりやすい日時を話し合いの中で決定するようにしましょう。
<勤務時間の割り振り変更 例>
当日
宿泊行事の勤務時間(11時間45分、1時間の休憩)
6:20 7:25 12:00 13:00 16:10 20:10 01:00
時間外 勤務 | 昼 休み | A | A | A | A | 時間外 勤務 | ||||
↑ | ↑ |
適切な 通常の勤務時間(7時間45分) ↑ 適切な
配慮の 4週間以内に割り振り 配慮の
対象 変更しなければならない 対象
生徒も一日、職員も一日休養できる
また、2泊3日の宿泊行事については生徒の在宅観察は8時間以内となっています。
<例えば(火)、(水)、(木)が実施日の場合>
前日(月)の午前中に事前指導して下校、午後を健康観察
翌日(金)の午前中を健康観察、午後に登校して事後指導
というパターンが多いかと思います。これを・・・
前日(月)の昼食を実施し事前指導
翌日(金)は生徒は一日健康観察。
職員については、勤務時間の4時間の割り振り変更と校長による適切な配慮3時間45分をセットにし、1日休養にあてる事ができます。
宿泊行事中は生徒も職員も十分な休養をとることができず疲労困憊のまま翌日から授業など、お互いの健康を大きく損ねるもので大変な負担ではないでしょうか。振替だけでなく、適切な配慮の取り方についても管理職と確認しましょう。
他にも、職場で困っていることやはっきりさせておくべきことなど、それぞれの職場の実態に合った課題があるはずです。次回は交渉で確認すべき他の点についてみていきたいと思います。
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