宿泊行事が終わり、テスト、三者面談と過密スケジュールの毎日をお過ごしのことでしょう。とても定時で仕事を収めるなんてできない、まして休憩時間を取るなんて・・という人がほとんどかもしれません。
勤務時間内に勤務が終わるようにするのも休憩時間を取らせるのも管理職の責任。せめて休める時に超過勤務分をしっかり休むということを確認しておきましょう。
今回は日々の勤務時間内の休憩時間について、また超過勤務について、申し入れの例をもとに交渉で確認すべき項目を見ていきたいと思います。
2019年4月○日 横浜市立〇〇学校校長 〇〇様 横浜学校労働者組合 勤務時間に関する申し入れ ・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・ 【休憩時間】 ③ 割り振りに示されている休憩時間が、本校においてはほとんど取得されていない憂慮すべき現状がある。休憩時間は労働基準法において、その取得が明確に規定されており、その罰則規定も存在する。 (法定の休憩を与えなかった場合や一斉に与えず若しくは自由に利用させなかった場合には、使用者に対し、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が処せられる)これについての見解と、改善の方策について示されたい。 ④ 教庶務システムでは現在、休憩時間が取得できなかった事を確認・記録することができない仕様になっているが、これを確認・記録する方法を明示されたい。 ⑤ 取得できなかった休憩時間についての、何らかの対応措置を明らかにされたい。 【超過勤務】 ⑥ 教育公務員特例法22条2項の自己啓発研修の活用(3時間半未満の場合は研修報告書の提出は必要なし)、および給特法にかかわる文部訓令(適切な配慮)の運用を、長期休業中および課業中においても積極的に職員に指示されたい。 |
今回のポイントは休憩時間と超過勤務についてです。
休憩時間の記録を取ろう
休憩時間は「労働時間の途中」「一斉付与」「自由利用」という三原則があります。休憩時間は労働基準法において、その取得が明確に規定されており、取得させなかった場合の罰則規定も存在します。
皆さんの職場では休憩時間を取れているでしょうか。教庶務システムでは「勤務状況照会」の画面の中で“休憩時間◯:◯◯〜◯:◯◯”が確認できます(システム導入当初は出ませんでした。我々の要求の結果、後に出るように!)。
職場によっては休憩時間に会議や研修等が設定されていることもあります。行事予定表に時間までしっかり書いてある場合には「休憩時間を取らせていません」と管理職自ら労基法違反を告白しているようなものです。
まず休憩時間に会議開始の設定をしないことを求めましょう。職員会議等が延びて休憩時間が取得できなかったり、勤務終了時間が延長されたりした場合には「時間外勤務」扱いとなります。
また、常態化しない限り、取れなかった休憩時間を後ろにつけることができることも、交渉の中で確認しておきましょう。
法の趣旨においては「休憩時間は勤務時間の中に取ってもらうべきところを取らせることができませんでした。すみませんが、せめて後ろにつけてお帰りください・・」ということです。
休憩時間が取れないことが根本的な問題ですが、さらには、休憩時間が取得できなかったことを記録するすべが教庶務システム上には無いことも大きな問題です。
対応策として自分が休憩時間に業務をしていたことのメモをとっておきましょう。時間外勤務の記録として、「適切な配慮」の根拠として重要な資料となります。
時間外勤務に対して適切な配慮を
「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(1971年 給特法)によって、私たち教職員は時間外勤務手当については支給されず、それとともに、教職員には原則として超過勤務を命じてはならないことになっています。
止むを得ず時間外勤務を命じた場合は「適切な配慮」をしなければならないとされています。
働き方改革の旗印のもと、様々な施策がなされていますが、まだまだ教育現場の超過勤務はいっこうに無くなりません。年休や振替の取得さえままならない状況です。
普段の時間外勤務に対しては、「適切な配慮」の積極的な運用を長期休業中だけでなく課業中においても管理職に求めましょう。
また、我々教育公務員に認められた研修権、「教育公務員特例法22条2項」の自己啓発研修(3時間半未満の場合は研修報告書の提出は必要なし)についても確認しましょう。
これから夏季休業が待っています。普段の超過勤務で疲労した身体を休める時期でもあります。適切な配慮や自己啓発研修をうまく活用して乗り切りましょう。
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