アンコールワットで知られる観光都市カンボジアのシェムリアップの公立小学校。6時前朝日が昇るのと同時に、子ども達の賑やかな笑い声が響いてくる。
校庭に落ちた葉やプラスチックボトルのゴミを、慣れた手つきで掃いている。真っ白のシャツと紺色のボトムスの制服姿が眩しい。次々にバイクの後部から子どもたちが下りてくる。
20分もすると朝礼が始まり、元気の良い歌声が聞こえてくる。校歌や校訓のようだ。授業はとにかく元気がよい。教室からはみ出る子ども達のエネルギーに、教師も負けていない。
学校は足りておらず、週6日で午前と午後の2部制。我が子も学校が大好きだと、旅を共にしたトゥクトゥクドライバーは話す。
また別の日、郊外の村を訪れたときは、子ども自身がオートバイを運転して登校する姿を何度か見た。幼い子で12歳前後だろう。
信号は一つもなく、舗装されていない道を、ヘルメットをかぶらず制服姿で砂ぼこりを上げて走っていくのが日常のようだ。
明らかな観光客である私たちを見かけると、笑顔で手を振ったり、Helloと声をかけてくれる子もいた。出会う子ども達がとにかく笑顔で、印象に残った。
学校に通うこと、学ぶことに誇りをもっているように見えた。
この旅を通して、子どもたちが笑顔でいられるには、先生たちが笑顔で接することが必須だと改めて考えた。そして毎日の授業、学校で共に過ごす時間を心から楽しめることが。
それには心の余裕と魅力的な授業づくりのための時間が必要だ。
年度末、業務見直しの時期。行事精選を始め、評価成績に関することや部活動指導等様々な議論があった。目の前の子どもを思うと、単にカットという訳にはいかず、現場は頭を悩ませる。
しかし「これだ」という解決策は出ず、現状維持のまま。なかなか変わっていかない働き方。行政レベルで改善が必要なのは明らかだ。
職員が余裕をもって子どもと向き合える環境こそ、豊かな学びの場だ。
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