【旅行記】スイス紀行

文化欄

 スイスに行ってきました。この国の公用語はドイツ語、イタリア語、フランス語。国鉄の表示もアナウンス等も3か国語でされていました。

 ドイツ語圏がいちばん多いようですが、イタリアに近くなれば地名もそれらしく、フランスに近づくにつれ建物もそれらしくなっていました。それがどうして一国をつくりまとまっているのか、不思議さを感じます。

 ところでスイスの交通費はとても高いようです。トラベルパスを購入してもらったので実感はないのですが、登山電車の半額チケットを買うのに30CHF(ユーロではない)くらいしましたから、普通で買えば30分程度の露呈で7千円以上もするのです。

 パスを持っているとほとんどのケーブルやロープウェーなどにも乗り放題。美術館、博物館にも入れます。それを使ってイタリアに近いルガーノからベルニナ急行バスでイタリアを走り、ティラノサウルスの産地テラーノに行き、ベルニナ急行のパノラマ車両に乗り、サンモリッツへ。

 さらに周辺の景観を楽しみながら世界一遅い氷河特急にてツェルマットに到着したのでした。

ツェルマットの町にはガソリン車は入れません。走っている車は電気自動車と馬車。だから排気ガスによる暑さはなく、日差しは強いですが朝晩は涼しいです。

 ここで三泊した中二日の最初はゴルナグラートへ登山電車にて行きましたが、天気はいまいちでした。マッターホルンは少ししか見えないものの、登っている人の姿がありました。

 翌日は8月1日建国記念日だとのこと。スネガという小高い山へ、山の斜面に作った地下のケーブルカーに五分ほど乗り、降ろされたところはスキー場。池があり、さほど大きくないながらも、マッターホルンを逆さに映し出していました。

 ゆったりとしたチェアでのうのうと楽しんでいるうち、楽器を携えた方たちが向こう側の丘に参集。間もなく、青のサテンドレスを着た方が人々の前に置かれた演台で何やら話を始めました。

 ドイツ語でしたのでちんぷんかんぷんでしたが、いいなあと聞いているうちにイングランドがどうの、ナポレオンがどうの、とおそらく建国の歴史について話されているようでした。

 その村の集会をマッターホルンをバックに眺め、参加したような気分になり、何とはなしに幸せを感じたのでした。下におりて町の中に入ったら、そこでも楽器を演奏して記念日を祝っているようでした。

 最後に行ったラインの滝が印象的です。ナイアガラやイグアスほど大きくはないのですが、ヨーロッパ最多の水量を誇るものだそうで、堂々と流れ落ちる様を水しぶきを浴びるほどの間近で見せてくれたのでした。

 そうそう、スイスにて最初に感動したのは、ユングフラウヨッホの雪解け水が集まって流れる滝。縦長の洞穴の中をどうよと言わんばかりに流れ落ちていました。その水量の多さにびっくりです。

 水の豊かさでは当分の間安心でしょう。でも氷河はかなり減っているようですから、遠い将来はどうなるんでしょう。いつまでも緑のグラデーションの美しい国であってほしいと思います。

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