毎年恒例の夏合宿が、7月20日、21日に湯河原の万葉荘で行われ、活動報告、統一要求書のとりまとめ、近況報告などを行った。
~放射線教育について~
学校に配布されている放射線についての副読本を批判的に解説するDVDを見る。改訂された副読本の問題点として、食品安全基準の恣意的な引用、除染による「復興」の強調、「風評被害」の強調、福島の食材の学校給食への誘導などが指摘された。
これに対して、年間線量限度は1ミリシーベルトで低いほど良いのに、それが20ミリシーベルトに設定されていることの異常さ、7000万円以上の予算を投じて2020年に向けて福島原発事故を無かったことにしようとしている政府の姿勢への批判、低線量被ばくの危険性などが出された。
~横浜市放射線汚染土問題~
横浜市南部で、同じ保育園の2人の園児が白血病を発症した。(白血病は3万人に1人の発病率と言われる)白血病と放射線汚染の因果関係の証明は難しいが、低線量被ばくによる可能性を否定できないとのこと。
横浜市で放射線汚染土が埋設されたままになっている保育園は、150~300園(横浜市は非公表)、学校は釜利谷西小、篠山小、丸山台中、上白根中。
埋設の覆土は横須賀市が50センチに対し、横浜市はわずか10センチ。鶴見に建設した中間保管施設に汚染土を移すことを求めていくことが重要であると確認した。(69の小中学校、17の保育園は移管済)
空間線量(シーベルト値)と放射性物質から放射線がどのぐらい出ているかを表すベクレル値との違いやベクレル値を測定しなければ汚染の実態は分からないことを知った。
各学校にあるはずの放射線測定器をメンテナンスし、市民への貸し出しや子どもたちに対する放射線教育に活用する、平時の放射線量を測定することが大事である、等の意見が述べられた。
福島原発の廃炉への道のりは課題が山積みで、「アンダーコントロール」とはとても言えない状況である。資料にあったチェルノブイリ事故後の四肢の障害をもって生まれた子どもたちの写真が衝撃的であった。「復興オリンピック」のムードに流されず、注視していきたいと改めて感じた。
~統一要求書の作成~
各組合員の現場の要求に沿った「統一要求書」の作成に向け、討議を行う。
・肢体不自由特別支援学校では、生徒の多くが男子なのに対し、男性教員が少なく、おむつ交換等のトイレ介助や身辺介助に大変な時間と労力がかかっており、男性教員の人出不足、体力の消耗は生徒の事故にもつながる危険があること。
・特別支援学級では、子ども8人に対し教員1人の配置を見直し、障害の程度を勘案した配置をすること。
・小学校では、来年度から教科化する「外国語活動」(英語)の負担増に対し、専科教員の配置をすること。
・子の看護休暇について、子ども一人につき5日、2人以上の場合は10日以内とあるが、3人以上いる場合は2人と同じでは十分な看護ができない。子どもの数に比例して休暇日数を増加するよう改善すること。
等の要求が出された。
2年前に提出した要求項目の「退勤時のタイムカードの打刻」「教庶務システムの問題」「宿泊行事旅費の職員口座からの支払い廃止」などが、改善された。市教委は現場からの切なる要求に真摯に答えてほしい。
討議の後は、湯河原の温泉で疲れを癒し、夕食。子どもたちも加わってビンゴ大会やカラオケで盛り上がり、楽しいひとときに。忙しさに忙殺される日々だが、立ち止まって考えることの大切さに気付かされた合宿だった。
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