部分休業を取得して働いていたつもりが、申請が適切に行われておらず、13か月間給与が過払いされていたという問題。これまで私自身と組合から5回の申し入れと交渉を重ねてきました。1年たってようやく、市教委と当時の管理職からの経緯の説明と謝罪がありました。
申し入れへの回答
4月2日、市教委労務課係長、寛政中校長、寛政中前副校長、組合から当該の枝川、平川委員長が出席し、説明と謝罪の場が設けられました。冒頭、係長、校長、前副校長が立って頭を下げました。
まず、3月に提出した申し入れ書に対し、市教委から以下のような回答がありました。
1.管理職がシステムでの申請の必要性を理解していないことは問題だと考えないのか。
教庶務システムでの申請の必要性について、管理職も含めて学校への周知が十分ではなかったことが今回の件であると認識しており、前回の回答で謝罪をしている。
2.副校長の行為について問題はないとの認識か。労務管理を担う管理職としての責任について委員会の考えは。
副校長の行為は適切な処理ではなかったと認識しているが、それによって過払いが発生するとの認識は副校長にはなかった。学校管理職は所属職員の労務管理を行う責任があるので、教育委員会事務局としては、引き続き、制度やシステムの適切な対応について周知・指導していく。
3.再発防止に向けたシステムの改良や情報提供について具体的に何をするのか。
今回の件を教訓に、より分かりやすい通知文の作成に取り組んでいる。また、システムに関しては今回の件を踏まえつつ、制度運用全体も考慮して、必要な改修があれば継続的に対応していく。
言い訳ばかりの謝罪
市教委「この件について大変ご迷惑をおかけした。様々なシステムの変更がある中何とか周知徹底をと思ってやっていたが、結果としてできなかった。ここについては以前に謝罪した通りである。この場を持って枝川さんへの謝罪と経緯の説明をする。」
前副校長「このたびは私の不手際でご迷惑をおかけして本当に申し訳ない。市費移管と教庶務システムの導入で、色々と煩雑な作業があり、ヘルプデスクに電話がつながらない中、なんとかエラーが出ないようにとやっていた。 決して悪意があったわけではない。労務管理をする立場であったが、きちんとできていなかったのはその通り。」
校長「市教委との面談に同席しなかったのは本当に申し訳なかった。辛い思いをさせてしまった。5月に出勤打刻がうまくできないという話を聞いていたが、私自身が確認することなくそのままにしてしまった。管理者としての責任を感じている。今後はこのようなことのないよう、しっかりと管理していく。」
3人の言葉を聞きながら私の手は憤りで震えていました。そして、管理職2人が事の重大さを認識していないということが、はっきりと分かりました。
つらく長かった1年間
枝川さんから何かありますか、と言われて思わず言葉に詰まりました。私自身、いつも「そんなのおかしい!」という気持ちでこの問題に向き合ってきましたが、1年を振り返ってどっと疲れや悲しみや怒りや様々な感情が押し寄せてきました。
夜中までかかって作った文書は市教委に半年も放置され、前副校長に聞き取りをしないまま戻入を迫られました。校長は市教委との面談に同席すらしませんでした。まるで自分には何も関係がない、非はない、というような対応で、自ら原因を究明しようという姿勢は微塵も感じられませんでした。
さらに、この期に及んで前副校長は自己弁明を繰り返したのです。故意ではない、悪意はなかった、という問題ではなく、結果として50万円の過払いを発生させた事実を重く受け止めるべきです。
エラーが出た時に問い合わせをして解決することをせず、勝手にデータを改ざんしことの責任は重大です。管理職は労務管理のずさんさがこのような事態を招いたことを自覚しなければなりません。
これで終わりではない
子どものため、家族のため、自分のため、ゆとりを持った働き方をと、良かれと思って取得した部分休業が、逆に家族をも苦しめる事態となりました。今は、家族に申し訳ないという思いが強くあります。私にとってこの謝罪で問題が終わるわけではありません。これから戻入が始まるのです。
今後、私と同じ辛い思いをする職員を決して出さないためにも、市教委には引き続き、再発防止に向けた取り組みを求めていきます。職員一人ひとりに、それぞれの働き方があり、生活があり、家族がいるということを忘れてはなりません。
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