韓国・済州島にて企画した韓国と日本のみんなで描く「明けの朝日 12m絵巻」。ワークショップでは、12m×2mの和紙に私が描いた朝日を下地に、韓国と日本のみんなが入り交じって今回の思い出を描くことを企画しました。今回はワークショップ二日目の様子をお伝えします。
ワークショップ二日目
そして、1月13日朝。「済州道庁を包む(明けの絵巻)日韓合同展」展示時間 1分間。そんな展示を開催出来たとも言えるような気持ちでした。済州道庁前で記者会見のなかでした。
私のワークショップでみんなで描いた「明けの絵巻」をみんなで持ち、二つになっている作品を一つにあわせ、道庁前にみんなで手でもつ一瞬の永遠展がしたいと思いその時思わず叫びました。
二枚の絵を一つにし、全てが見えるように広げて欲しい。「二枚を合わせ一つにして、向こうから見えるようにし、写真を撮ってください!」写真まで希望し指示してしまって、私らしくない瞬間でした。
でも、この絵と韓国でのワークショップをとげたい。ワークショップは描いたら終わりではないと思いました。この絵で世界にアピールする必要がある。
わたしの心の叫びは、みんな見てほしい!一緒に描いたこのすごい絵を見てほしい!でした。
警備員は、それまで阻止していたけれど、絵を広げたいと向こうで訴えてくれたのか1分間以内ならと渋々許してくれたようでした。
スピード勝負でしたが、絵を持って繋がり、絵と一つになって道庁を包みこんだ時に「わあーっ‼」という、喜びの音というか、何語ともいえない叫びをみんなが一声にあげた時、展示が終了しました。
12m×2mの、タイトルや看板もなくただみんなの描いた絵だけをこの時この場で発表する事が出来ました。
その後、贈呈式で、韓国の方々へ絵の片割を贈り、タイトルと「明けの絵巻」絵の意味を語りました。二つで一つの絵だという事。双方で経験し絵を共有し、その経過を含めてひとつの作品になっていること。
韓国の代表者であるユ・ミヒさんから「心からありがとう。感謝の気持ちを伝えたい」と言葉をもらえました。日本のみんなにも凄く良かったと言ってもらえました。
絵を描き思いを発表することで話すきっかけにもなり、普段言葉がない方からも良い意見が出た、他の人の絵を見る事が面白かった、そのあと意見を聞いてさらに深まった、そんなお話を頂きました。
絵を描く人は、内面を追求し、個展だけで個性を発する事を好みます。でも、絵描きだから見たいもの、見たい人、つながりたい人がいる。
その人たちと一緒に絵描きだから出来ることもあるのではないか、やっぱり私はワークショップでみんなの行動に参加し提案し自分なりに、絵でみんなの心を紡ぐためにもお役にたてたら嬉しい。
権力側の許せない横暴に対し、自然の美しさを描き残し記録し記憶させる事が大切だと思います。こんな瞬間も大事に包みながら、済州道庁を包んだ記憶を記録したい。
そして美術としても優れた済州の作品を、みんなの思いを含み描きたい。素材を工夫し、描きたい。ワークショップの韓日で共同制作したひとりひとりの絵をもとに描きたい。
貴重な体験の機会を頂き、なんだか大きな絵が描きたくて仕方ないのです。沖縄と済州。素晴らしいテーマです。絵画のテーマをパラパラさせるなと言われますが、一貫してあるのはお金より命、自然の美しさを含めたそこにある命がテーマだと気づきました。
いのち。お金より命がテーマ。自然の美しさを含め、命がテーマだ。過去から続くその虐げられ、追いやられた存在。今ある、まさにその自然を含め命を記録し、記憶したい。
早くみんなが描いたワークショップの作品をオマージュし、イジュンソプのようなタッチで描きたい。そして岩のように私は命を描こう。岩のように座り込むように絵を描き続けよう。その下には大きな重く次世代へ続けたい多くの、大事な思いがある。
今は鳥が飛ぶように私は韓国へ行く事が出来る。みんなが支えてくれているから。絵が好きなだけの私だったけど、福島、沖縄、ロシア、韓国、それぞれがテーマを含み、成長させてもらえている。
それは若い人が企画し、若い人が案を出して進めていかせてもらえ、その構造や考えにとても素晴らしいテーマを教えてもらえたように思います。差別しあうより繋がり進化したい。
さあ、新しい絵を描こう!そんな希望に満ち溢れている現在です。
そして、これらを絵にした展示をこれから開催します。6月29日から7月4日まで、会場はギャルリー東京ユマニテです。もしよかったらご覧ください。
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